ペット栄養学会誌
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原著論文
  • 酒居 幸生, 鳩谷 晋吾, 古家 優, 島村 俊介, 鍋谷 知代, 谷 浩行, 嶋田 照雅
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 24 巻 1 号 p. 1-13
    発行日: 2021/04/10
    公開日: 2021/04/15
    ジャーナル フリー

    ヒトの炎症性腸疾患において、血中マグネシウム濃度は一部の患者で低下し、腸炎の重症度と負の相関を示す。ヒトと同様に、イヌのリンパ球形質細胞性腸炎(LPE)においても低マグネシウム血症が認められるが、病態との関連は不明である。そこで本研究では、イヌLPE症例における血中マグネシウム濃度を測定し、腸炎の重症度や予後との関連を検討することを目的とした。病理組織学的にLPEと診断されたイヌ35頭を組み入れた。診断時における腸炎の組織学的重症度(軽度、中等度または重度)、イヌ炎症性腸疾患活動性指標(CIBDAI)、イヌ慢性腸症活動性指標(CCECAI)を評価し、血清中マグネシウム濃度との関連を検討した。また、低マグネシウム血症の有無で症例を2群に分け、診断後の生存期間を比較した。低マグネシウム血症は22頭(63%)で検出された。血中マグネシウム濃度は腸炎の組織学的重症度、CIBDAIおよびCCECAIと負の相関を示した。低マグネシウム血症の有無で症例の生存期間に有意差は認められなかった。以上のことから、イヌLPE症例における血中マグネシウム濃度は腸炎の重症度を反映しており、バイオマーカーとして有用であると考えられた。

  • 菅野 大, 清水 いと世, 舟場 正幸, 松井 徹, 友永 省三
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 24 巻 1 号 p. 14-21
    発行日: 2021/04/10
    公開日: 2021/04/15
    ジャーナル フリー

    含硫化合物であるタウリンおよびメチオニンはネコにとって必須栄養素であり、タウリンの不足およびメチオニンの過剰または不足はネコの健康被害を引き起こす。しかしながら我々の知る限り、国内で市販のネコ用フードに含まれるタウリン含量や、一般食および総合栄養食ウェット製品に含まれるメチオニン含量を調査した報告はない。本試験では市販されている維持期のネコ用総合栄養食(ドライ製品とウェット製品、各10種)および一般食(ウェット製品、5種)に含まれるタウリンおよびメチオニンの過不足を、AAFCO養分基準(2018)に基づき評価した。ドライ製品とウェット製品にかかわらず総合栄養食ではタウリンとメチオニンは充足していたが、1種のウェット製品においてメチオニンが過剰であった。一方、一般食では1種でタウリン不足のフードが認められ、メチオニンは4種のフードが過剰であった。総合栄養食のドライ製品の一部を一般食に置きかえることを想定して解析した結果、タウリン不足やメチオニン過剰が生じる可能性は低いことが示唆された。メチオニン含量が高いフードは粗タンパク質含量も高かったことから、フード中アミノ酸の中でメチオニン含量のみが突出して多くはなかったと考えられる。したがってメチオニンのインバランスは生じず、メチオニン過剰の問題は生じない可能性がある。一方、他種の動物では要求量程度のメチオニンでさえ老化を促進する可能性が示唆されているので、ネコの長寿のためには要求される水準を大きく上回るメチオニンを含むフードを避けた方が無難であろう。

  • 湯川 尚一郎, 湯浅 美那, 江塚 楓奈, 湯川 元美, 山崎 勝利, 仲 克己
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 24 巻 1 号 p. 22-26
    発行日: 2021/04/10
    公開日: 2021/04/15
    ジャーナル フリー

    海外では、イヌ用ペットフードへのサルモネラ属菌混入が原因であるヒトサルモネラ症の発生事例が報告されている。このことから、本邦においてイヌ用ウェットフードへのサルモネラ属菌混入の有無を明らかにするために日本国内で販売されているイヌ用ウェットフードからサルモネラ属菌の検出の有無を調査した。イヌ用ウェットフードは国内23社の国内産20製品と中国産24製品、オーストラリア産14製品、タイ産と米国産が各4製品そしてニュージーランド産2製品を供試した。サルモネラ属菌の検出方法は「愛玩動物用飼料等の検査法 (27消技第1051号) 」に従った培養法により行った。その結果、サルモネラ属菌は、すべての製品から検出されなかった。このことから、日本におけるイヌ用ウェットフードのサルモネラ属菌混入に関するヒト及びイヌの健康被害のリスクは低いと考えられた。

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