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加納 寛子
2025 年2025 巻3 号 p.
1-8
発行日: 2025/10/18
公開日: 2025/10/22
研究報告書・技術報告書
フリー
近年,生成AIを含む人工知能技術の教育現場への導入が進む中,教師にはAIの仕組みや倫理的課題を理解し,教育に適切に統合するための新たな知識体系が求められている.本研究では,既存のTPACK(Technological Pedagogical Content Knowledge)フレームワークをAIリテラシー教育に特化して再構成した「AI-TPACK拡張モデル」を提案する.本モデルは,技術的知識(TK),教育的知識(PK),内容的知識(CK)に加え,それらの交差領域(TCK, TPK, PCK)を含み,AIリテラシーに関する教師の知識構造を理論的に体系化したものである.さらに,各領域に対応する4段階の教師評価ルーブリックを設計し,研修や授業実践において教師の専門性を可視化・評価するための枠組みとして提示する.本研究は,AI時代における教師の指導力育成に資する理論的・実践的資源を提供するものであり,今後の教員研修や教育課程開発への応用が期待される.
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石原 浩一, 泰山 裕
2025 年2025 巻3 号 p.
9-13
発行日: 2025/10/18
公開日: 2025/10/22
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究の目的は,公立小学校において個人探究を行い,1)児童の学習観にどのような変容が認められるか,2)どのような学習観をもつ児童は個人探究をうまく進められるかを検討することで,小学校個人探究と児童の学習観の関連を明らかにすることである.公立小学校第4〜6学年の児童を対象に個人探究を実施した.学習観尺度と個人探究の達成度に関する児童192名の質問紙調査の結果を分析した結果,実践前後で意味理解志向学習観の平均値は上昇し,暗記再生志向学習観の平均値は低下した.また,学習観のうち,意味理解志向学習観が特に強く個人探究の達成度に影響を与える可能性が示唆された.
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伊藤 真紀, 若月 陸央, 姫野 完治, 佐藤 和紀
2025 年2025 巻3 号 p.
14-17
発行日: 2025/10/18
公開日: 2025/10/22
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究は,小学校6学年の児童が,校内授業研究に授業の観察者として参画する取り組みに対する効果を検証することを目的とした.質問紙調査の結果では,9項目中8項目の質問項目で,5%水準で有意に肯定的な回答が多いことから,授業観察者として授業を観察する取り組みに対して,総合的には肯定的に捉えていることが示唆された.ただし,他者の授業を観察・投稿するだけでは,その気づきを日常の学習に直接活かすことは容易でなく,得られた気づきを自分の学習に活かすための支援が必要なことが示唆された.
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松田 稔樹
2025 年2025 巻3 号 p.
18-25
発行日: 2025/10/18
公開日: 2025/10/22
研究報告書・技術報告書
フリー
筆者は,教育の理念や歴史を学ぶ「教育学概論」で,学習成果を未来の問題解決に活用させるべく,Neo教育工学の立場から指導する実践を行っている.授業の後半には,現代的教育課題に関する探究活動を2回行わせ,問題解決力を養うことを意図している.今年度は,「教育DX」と「次期学習指導要領改訂」の中からそれぞれ8つのテーマを示し,1つずつを選択させて探究させた.その結果の分析を含め,授業の効果と課題を報告する.
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川田 拓, 佐藤 靖泰
2025 年2025 巻3 号 p.
26-29
発行日: 2025/10/18
公開日: 2025/10/22
研究報告書・技術報告書
フリー
小学校算数科における立体図形の学習において,LEAFシステムを活用することで,児童の理解状況を把握し授業に活用できるか検討した.4年生21名を対象として立体図形の特徴を学習する授業を実践した.児童にBookRollで提示した図形にマーキングさせ,色の重なりを把握し,児童が困難さを示すポイントを特定して授業展開を即時的に調整した.結果,児童の理解に則した授業となり,本活用事例の有用性が示された.
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渡辺 航平, 永原 健大郎
2025 年2025 巻3 号 p.
30-37
発行日: 2025/10/18
公開日: 2025/10/22
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では,PPDACサイクルに基づく統計的探究学習において,生成AIを活用した教材を開発し,高等専門学校での授業実践を通じてその有効性を検証した.開発した教材では,生成AIは情報収集やデータ整理といった学生の活動を支援し,学習の効率化を図る.2種のアプローチによる実践と成果物の分析から,教材の有効性と課題が明らかとなり,今後の教材改善に向けた知見を得た.
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萩原 浩平, 丸山 浩平, 森本 康彦
2025 年2025 巻3 号 p.
38-45
発行日: 2025/10/18
公開日: 2025/10/22
研究報告書・技術報告書
フリー
現行の学習指導要領では,問題解決的な学習を繰り返す探究の充実が求められる.しかし,よく取り組めたグループほど問題解決の記録が多くなり,考えをまとめることは難しい.そこで,本研究では,「まとめ・表現」段階の「まとめの活動」の支援を目的とした.生成AIを活用して「整理・分析」段階でのワークシート記述をマインドマップで可視化した結果,生徒は比較,分類したことや明らかにしたことなどの全体像を捉え,構造化して考えをまとめられることが示唆された.
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中里 彰吾, 重田 勝介
2025 年2025 巻3 号 p.
46-51
発行日: 2025/10/18
公開日: 2025/10/22
研究報告書・技術報告書
フリー
小学校6年生を対象に,ルーブリックとダイヤモンドランキングを組み合わせたプレゼンテーション指導において,2つの指導方法の順序の違いが,児童の情報発信能力,特にスライドの質と発表パフォーマンスに与える影響を量的に検証した.その結果,ルーブリックを先行させる指導順序が,児童の学習を効果的に促し,プレゼンテーションの質を向上させる上で有効であると示唆された.また,途中に取り入れるダイヤモンドランキングが学習者の動機付けの向上に役立っていることが示唆された.
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時任 隼平, 仲谷 佳恵
2025 年2025 巻3 号 p.
52-55
発行日: 2025/10/18
公開日: 2025/10/22
研究報告書・技術報告書
フリー
本稿では,A県立A高校における高校1年生の論理・表現Ⅰの授業を取り上げ,論理力を育成するための実践研究の一環として,考査による生徒の論理力の分析を行った.具体的には,言語技術の概念を参考に論理に飛躍のない文章を作成する問題を考査で課した.回答の傾向から,約40%が論理力を問う問題で0点を取り,またそのうち約67.5%が未記入であり,記入のあった回答7件のうち5件が日本語での回答において論理に飛躍のある内容であった.
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荒谷 舞, 鬼藤 明仁
2025 年2025 巻3 号 p.
56-62
発行日: 2025/10/18
公開日: 2025/10/22
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では,ICTの活用とワールドカフェ方式による対話活動を組み合わせた授業を実践した.具体的には,小学校算数科5年生の「面積」の単元において,3学級それぞれで「従来型(主に黒板を使用)」「ICT活用型(クラウド型授業支援アプリを使用)」「ICT活用×対話活動型(対話はワールドカフェ方式)」の授業形態を採用し,児童の思考の深まりを質的・量的に分析した.その結果,ICTの活用によって児童の考えの可視化や比較が促進され,さらに対話活動によって,思考の再構成を伴う発言や振り返りの中に,より深い学びが確認できた.本授業実践は,ICT活用と対話活動を組み合わせた授業デザインが,児童の思考の深化と学びの質の向上に寄与することを実証的に示したものといえる.
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真弓 英彦, 村手 真樹
2025 年2025 巻3 号 p.
63-68
発行日: 2025/10/18
公開日: 2025/10/22
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究は小学校特別支援学級に在籍する児童へのフィジカルプログラミング教材を活用したプログラミング教育に関する実践事例報告である.特別な支援が必要な児童について,その特性や実態等に応じて3つのグループに分類し,グループごとに異なる評価基準および支援内容を学習指導案に示した.その指導案に基づき.教員養成課程の授業の一環として大学生が児童を指導した実践における効果や課題を明らかにした.
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―自律的学習が求められる児童を対象として―
長岡 千香子, 平岡 斉士, 古川 雅子
2025 年2025 巻3 号 p.
69-72
発行日: 2025/10/18
公開日: 2025/10/22
研究報告書・技術報告書
フリー
近年,小学校において通常学級に通わず,フリースクールや校内サポートルーム,自宅学習を選ぶ児童が増えている.これらの児童は教科書や企業の学習用タブレットを活用すると考えられるが,学年ごとの到達度を保護者が把握する標準的な仕組みは普及していないと考えられる.本研究では,小学校学習指導要領コードに基づき,学習到達度を把握できるオンライン学習環境を試作した.さらに実際に小学生に部分的に試用し,OERとの紐づけやクイズ作成などを検討した.本発表では設計・実装の概要と今後の課題を示す.
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内田 保雄, 小野 創太, 雜賀 智子, 藤本 将人, 坂本 眞人, 小林 博典, 松島 拓路
2025 年2025 巻3 号 p.
73-80
発行日: 2025/10/18
公開日: 2025/10/22
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究は,Scratchをプログラミング教育用教材に限定せず,汎用的な教材作成ツールとして再定義し,主権者教育に資する選挙啓発ゲームの実装可能性を検討するものである.Scratchの直感的な環境は教育者による創発的教材開発を容易にし,ARCSモデルに基づく動機づけ設計や自己調整学習を促進する.これにより,デジタル教材による主体的・対話的学習を実現し,探究的学びや市民的資質の涵養を支援する教育DXの実践例となり得る.
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中川 りよら, 中川 よりか, 岩田 員典
2025 年2025 巻3 号 p.
81-87
発行日: 2025/10/18
公開日: 2025/10/22
研究報告書・技術報告書
フリー
本稿では英語の発音を改善するための方策として,英単語の発音を大きく3つに分類し,それぞれに合わせた練習方法を提案する.そして,その手法によりどの程度発音が改善されたのか検証を行う.さらに,効果的な練習をするために,その方策に従った練習をするためのWebアプリも作成する.本アプリでは,様々な例文をLLM(Large Language Model:大規模言語モデル)のFew-shot learningにより作成できるようにし,例文に対応した合成音声も生成する.
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飯田 昇冴, 永原 健大郎
2025 年2025 巻3 号 p.
88-95
発行日: 2025/10/18
公開日: 2025/10/22
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究は,授業内英語テストの既存問題を古典的テスト理論および一般化可能性理論に基づいて分析した結果をもとに,その項目特性を反映させたプロンプトを設計し,既存問題の改良による生成と,文法事項・例文データを利用した新規問題の生成を試みた.生成された問題はいずれも教育現場で利用可能な水準であり,中程度の困難度と高い識別力を有する可能性が示唆された.今後は,生成テストの実施を通じて,指定の困難度や識別力が再現されるかを検証し,本手法の有効性を明らかにする必要がある.
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前田 かほり, 永原 健大郎
2025 年2025 巻3 号 p.
96-103
発行日: 2025/10/18
公開日: 2025/10/22
研究報告書・技術報告書
フリー
情報社会となった日本では,普通教育において情報を学ぶ必要性が増している.一方で,高等学校における情報セキュリティ教育では,長期的な学習効果についての研究が十分になされていないという課題がある.本研究では,長期的な授業実践を通して,高校生がセキュリティへの理解を深め,セキュリティへの意識を向上できるかと,情報セキュリティ教育に対し,ゲーミング教材が適しているかの2点を明らかにすることを目的とする.そのため,RPGツクールMVを用いて開発したゲーミング教材に基づく教育実践を行い,ゲーミング教材の効果を探る.
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安藤 祐介, 佐藤 和紀, 井手 絢絵
2025 年2025 巻3 号 p.
104-111
発行日: 2025/10/18
公開日: 2025/10/22
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では学校で子どもが生成 AI を利用した際のプロンプトの横断的な傾向と教師による指導の内容や成果の実態調査として,生成 AI 教材の利用データ(N=554,781)と教員アンケート(N=97)を分析した.その結果,基本的な利用方法や AI の回答を批判的に検討する姿勢を促す指導に成果が見られ,情報活用能力の高いクラスでは長期間の利用により, 対話的な意見交換や批評支援といった 「学びのパートナー」としての活用の兆しが見られた.一方で一部の子どもが安易な回答をもとめる為の利用に留まってしまうという課題も示唆された.
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藤原 瑞卿
2025 年2025 巻3 号 p.
112-116
発行日: 2025/10/18
公開日: 2025/10/22
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では,生成AIを活用したプロンプト改善支援ツールを専門学校の授業に導入し,学習者の思考過程の可視化と自己改善力の育成を目的とした実践研究を行った.ツールはStreamlitで構築され,ChatGPTによる即時フィードバック,プロンプト評価,成長度の可視化機能を備えている.授業実践を通じて得られたログ・評価スコア・アンケート結果を分析し,プロンプト設計力の向上とメタ認知的気づきの深化を確認した.
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大石 凌仁郎, 中村 太戯留, 有馬 宏和, 山本 浩之, 武藤 ゆみ子
2025 年2025 巻3 号 p.
117-120
発行日: 2025/10/18
公開日: 2025/10/22
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究は,学習時の集中を支える要因を把握するため,質問紙調査と画像認識で抽出した表情特徴量を用いて分析した.集中の自己評価,環境要因,デバイス利用等を収集し,課題時の表情と合わせて検討した結果,環境要因に加え,集中時の表情を可視化し自己認識することが,各学習者に適した集中戦略の設計に寄与する可能性が示された.これらの知見はパソコン学習環境への適用にも資する.
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黒川 雅幸, 石川 雅章, 永江 智尚, 磯部 征尊
2025 年2025 巻3 号 p.
121-128
発行日: 2025/10/18
公開日: 2025/10/22
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究の目的は,令和5年度に実施したスクールリーダー対象のオンデマンド型研修を改善し,令和6年度における実施の効用を検証することであった.受講報告があった校長,教頭,指導主事,教務主任,校務主任を含む延べ186名のうち,受講アンケートに回答した延べ194名及び成果確認アンケートに回答した49名を分析対象とした.研修の受講満足度については概ね高く評価されたものの,昨年度から向上がみられたとは言えなかった.成果アンケートから,本研修での学びが活かされていることが示唆された.
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千葉 和義, 大﨑 章弘, 吉村 和也, 張 朕檳, 渡邉 力英
2025 年2025 巻3 号 p.
129-133
発行日: 2025/10/18
公開日: 2025/10/22
研究報告書・技術報告書
フリー
探究力の養成は,すべての発達段階において重要視されており,科学的活動に不可欠な能力である.しかし,幼児が興味を持ち,自発的に法則を明らかにする態度を引き出す教材は知られていない.そこで本研究では,積み木の積み上げ方とモニター上のキャラクターの動きを連動させるシステム“TUMIKI”を構築した.幼児に実際に使用させたところ,全員が高い集中を示し,積極的にその法則性を探究したことから,本教材の有効性が確認された.
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清水 雅紀, 村田 琴美, 豊田 大登, 森本 康彦, 中村 勝一, 宮寺 庸造
2025 年2025 巻3 号 p.
134-141
発行日: 2025/10/18
公開日: 2025/10/22
研究報告書・技術報告書
フリー
プログラミング教育で困難とされる再帰学習の支援として,ソースコードと動作を同期させた動画教材を開発した.再帰処理を一コマずつ視覚化し,呼び出しから戻り値まで理解しやすく設計し,変数変化や処理進行も可視化してデバッグを支援する.独学・復習用として再帰理解とコーディングスキル向上を目指した.検証により,学習者の再帰理解,特に動的動作の把握に効果があることが確認された.
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田中 義人
2025 年2025 巻3 号 p.
142-148
発行日: 2025/10/18
公開日: 2025/10/22
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究は,教職志望学生の部活動に対する意識を調査し,「地域展開」の進む部活動の今後に向けた課題と可能性を探ったものである.中学・高校時代の部活動経験や満足度と将来の指導意欲との関係性を明らかにするとともに,現職教員経験者との比較を通して,教育課程における部活動指導の在り方や支援の方向性について考察した.
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―科目特性による違いの分析を中心に―
平岡 斉士, 徳永 恵理子, 鈴木 真保
2025 年2025 巻3 号 p.
149-153
発行日: 2025/10/18
公開日: 2025/10/22
研究報告書・技術報告書
フリー
オンライン試験が普及していく中で,学修成果を適切に評価する試験設計が求められている.しかし,オンライン試験の問題形式の特性や,知識や知的技能がどの程度測定されているのかは明らかでない.本研究では,オンライン単位認定試験7,517問を対象に,ガニェの「学習成果の5分類」に基づき,問題を「言語情報(知識)」と「知的技能」に分類し,問題形式や科目特性の分析を行った.その結果,全体の78.9%が言語情報を問う問題であり,特に文系領域では総じて高かった(85.8%).一方,数学や情報などの理系領域では,計算問題やプログラミング課題といった知的技能の問題が相対的に多かった(38.3%).これらから,現行のオンライン試験では知識確認問題が一般的に多く出題され,知的技能を評価する問題は特定科目で相対的に多いことが示された.
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安部 健太, 戸田 真志
2025 年2025 巻3 号 p.
154-160
発行日: 2025/10/18
公開日: 2025/10/22
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究は,私立大学のExcel演習型データサイエンス科目(48名)を対象に,独自の10項目質問紙を用いて調査を実施した.探索的因子分析の結果,「統計理解に関する不安」と「統計実践に関する不安」の2因子を抽出した.さらに,因子得点とテスト種別を独立変数,テスト成績を従属変数とする混合分散分析では,不安の高低は成績に影響せず,授業中の質問は操作・手順に偏り,統計用語理解の可視化が困難であることが示唆された.今後は記述課題やメタ認知的支援の導入が課題である.
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山口 隆正
2025 年2025 巻3 号 p.
161-164
発行日: 2025/10/18
公開日: 2025/10/22
研究報告書・技術報告書
フリー
学生が自ら考え設計して図面やモデルを作成することで設計を習得することができると考えられる.設計工学の教育にはトレースにならないように,興味を引き出して能動的になるよう工夫した設計教育とその分析を行った.
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三井 規裕, 鈴木 小春, 長内 遥香, 櫛井 亜依
2025 年2025 巻3 号 p.
165-171
発行日: 2025/10/18
公開日: 2025/10/22
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究の目的は,レポートの書き方に関する授業において選択式のテストを実施し,1)レポートを書くために必要な知識をどの程度理解しているか,2)使用したテストが,どの程度学生の理解を測定できているかについて検証することであった.プレ・ポストテストの合計の平均点と正答率から,実施したテストは学生にとってやや易しい問題が多いことが示された.また,識別力を見る限り,「レポートに適した表現」と「引用の方法」,「書誌情報」に関する項目は,あまり変化が見られないことから,授業を受講しても十分に知識が定着しているとはいえず,直感的に回答している傾向が見られた.
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中沢 正江, 足立 薫
2025 年2025 巻3 号 p.
172-177
発行日: 2025/10/18
公開日: 2025/10/22
研究報告書・技術報告書
フリー
人間も含めた動物の行動をエスノグラフィとして記述する際に,環境をどのように認識し,環境の中でどのように行動するかを,より客観的・普遍的に記述する方法を開発できないだろうか.我々は,このような関心から環境存在論とオントロジー工学を結びつけた環境存在論的記述法の開発に取り組んでいる.本報告では特に,予備調査・予備分析を経て開発した記述法の基盤となる概念フレームについて報告する.終わりに,環境存在論に基づくオントロジーを開発する上での課題点と転用可能性について検討する.
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山本 修一郎
2025 年2025 巻3 号 p.
178-185
発行日: 2025/10/18
公開日: 2025/10/22
研究報告書・技術報告書
フリー
情報系大学の初学年向けに,デザインエンジニアリング概論を講義している.この講義では,発想法から,ビジネスモデリング,サービス設計法,エンタープライズアーキテクチャなどまで多くの手法を解説している.初学者が手法を理解して応用できるまで習熟するのは容易ではない.このため,生成AIのPromptテンプレートを提示して学生が手法を活用できるようにしている.本稿ではこの取組みに基づく学習空間の拡張について報告する.
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中村 都夢, 橋本 敬
2025 年2025 巻3 号 p.
186-191
発行日: 2025/10/18
公開日: 2025/10/22
研究報告書・技術報告書
フリー
AI技術が発展する中で,人とAIの協働や学習を見据えた協調的問題解決(CPS)能力が求められる.関連研究によると,タスク外刺激に反応するロボットは人に温かみの知覚を与え,それは心理的受容にも影響する.鍵は身体類似的な共感と考え,そのような反応をするAIも温かみの知覚と心理的受容を喚起すると考える.本研究では,タスク外刺激への身体性のある反応がAIへの温かみの知覚と心理的受容に与える影響を検証し,CPSスキル育成に役立つ教育的示唆を提供したい.
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井坪 葉奈子, 仲谷 佳恵, 山内 祐平
2025 年2025 巻3 号 p.
192-199
発行日: 2025/10/18
公開日: 2025/10/22
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究は,日本人学生の英語での議論への参加を促すことを目的とし,TMS理論を応用したマッチング支援の効果を実験的に検討した.災害情報共有をテーマとした留学生とのペアディスカッションにおいて,自分にはない知識や視点の組み合わせを重視したマッチングシステムを設計・運用した結果,システム利用群と統制群の間の発話単語数・質問数・state WTC平均スコアに有意差は確認されなかったが,trait WTCの高い学生はマッチ条件下で質問行動が増える傾向が見られ,個人特性を引き出すための環境設計の重要性と,trait WTCレベルごとに異なる支援が必要な可能性が示唆された.
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