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山口 好和
2025 年2025 巻2 号 p.
1-4
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
研究報告書・技術報告書
フリー
はこだてみらい館における児童向けのワークショップでは,身近な素材やSTEAM教材(Scratchやmicro:bitなど)を利用して楽しさと学びを共に追究する学習環境を構成してきた.その活動成果を事後の展開へと活かすため,行事アーカイブの活用方法を工夫するとともに,行事運営とともに参加者の意見や感想を拾いやすくするための方法について考察した.
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―複線径路等至性アプローチによる試論―
森 沙耶, 奥本 素子
2025 年2025 巻2 号 p.
5-12
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
研究報告書・技術報告書
フリー
科学館をはじめとする博物館では,ハンズ・オン展示が広く採用されており,近年はデジタル技術を活用した展示の導入も進んでいる.本研究では,デジタルハンズ・オン展示を用いて,親子による展示体験の実態を会話分析によって明らかにすることを目的とし,展示体験の進行と学びの展開を時系列で追いながら,マインズ・オンへと至るプロセスを把握するために,複線径路等至性アプローチを理論的枠組みとして分析を試みた.
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中里 彰吾
2025 年2025 巻2 号 p.
13-17
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究は小学校の児童とその保護者を対象に実施した「親子生成AI教室」の実践を通して,生成AIに関するリテラシーの育成と意識の変容を検討したものである.アンケート調査の結果,児童の生成AI活用意欲が統計的に有意に向上し,保護者の活用意識も高まったことが示唆された.本実践は,家庭と学校をつなぐ生成AI教育の有効性を示すものであり,今後の継続的な取り組みが求められる.
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中川 哲, 齋藤 玲, 鈴木 渉, 直山 木綿子, 堀田 龍也
2025 年2025 巻2 号 p.
18-25
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では,近年導入が進みつつあるデジタル教科書のうち,小中学校の外国語教育に着目し,授業中と家庭学習におけるデジタル教科書の利用実態を明らかにすることを目的とした.調査結果(n=80)によると,「聞く」と「読む」の活動で指導者用と学習者用デジタル教科書の両方がよく利用された.学習者用デジタル教科書の利用について,授業中と家庭学習を比較すると,家庭学習では「話す」の活動で利用が少なかった.
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奥本 素子, 朴 炫貞
2025 年2025 巻2 号 p.
26-29
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
研究報告書・技術報告書
フリー
出産の高齢化は人口減少や母子の健康に影響を及ぼす.若い世代に適切な情報提供を行い,出産に備える健康づくりを支援するプレコンセプションケアはその対策として重要だ.しかし出産に関する情報の伝え方や出産時期の奨励には,個々人の選択を尊重する配慮が必要だ.本発表では,参加による学び,参加者同士の学び合いによって,主体的にプレコンセプションケアを学べるワークショップを開発し,そのデザインについて発表する.
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天野 慧, 平岡 斉士, 鈴木 克明
2025 年2025 巻2 号 p.
30-35
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
研究報告書・技術報告書
フリー
課題分析は教材設計において必須の工程であるが,習得が難しいスキルである.本研究ではこの課題分析スキルの習得支援をどのように行っていくかを検討するために,教材設計の基礎を教える科目において受講者が作成した課題分析図の分析を行った.結果として,教材で教える順番で学習項目を並べている,下位スキルの記述が不明確である,知的技能の目標であるが,全ての下位スキルが言語情報といった,つまずきの傾向がみられることが示唆された.
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権藤 千恵, 西川 晃弘, 東 佑貴, 村上 正行
2025 年2025 巻2 号 p.
36-42
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
研究報告書・技術報告書
フリー
ポストコロナのブレンデッド・ラーニングの推進に向けては,講義動画制作における教員負担の軽減が課題となっている.本発表では,生成AIと音声合成技術(TTS)を活用した講義動画を制作し,従来の教員作成動画との比較実験を行った結果について報告する.今回は,大阪大学の学生49名を対象とし,知識習得効果の非劣性検証とUTAUT2評価モデルに基づく受容度評価を行い,AI技術とTTSを用いて制作した講義動画の有効性について検証を行った.
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広川 智子, 後藤 哲男
2025 年2025 巻2 号 p.
43-50
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
研究報告書・技術報告書
フリー
近年の地震災害の増加による建物の安全への関心の高まりを受け,社会人向けに1/10模型で雪・地震に強い建築を学ぶ生涯学習の講座を実施した.1/10模型の活用は,建物全体架構の視覚的把握と各部材の組み立てを通し,耐震構造の仕組みや伝統的な施工方法,地震時の揺れ方などの体験的な理解につながり,計画と環境も併せて深めることができた.本研究では本講座実践とその効果についての考察を行った.講座後の感想から,自宅の耐震対策への関心と学習意欲の向上が確認された.
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上土井 宏太
2025 年2025 巻2 号 p.
51-54
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
研究報告書・技術報告書
フリー
本稿は,日本における英語ディベートの発展と課題を概観し,今後の可能性を探るものである.English Speaking Society(ESS)を中心とした課外活動として始まったディベートは,近年では正課の教育にも取り入れられている.教材や教員不足といった課題の克服,高校との連携,合理的配慮の導入などを通じ,誰もが参加することができ,持続可能なディベート教育の実現を目指すための試みについて報告する.
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新谷 洋介, 西田 叶夢, 柳川 公三子
2025 年2025 巻2 号 p.
55-58
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
研究報告書・技術報告書
フリー
2024年1月1日に令和6年能登半島地震が起こり,今現在も復興に向けて様々な取り組みがなされている.学校では水道水が飲めなかったり,給食室の被災により給食の提供ができなかったりと震災後の避難生活や,ライフライン,スケジュールの変更など,震災後の生活が余儀なくされている状況である.これらの経験から,長期間続く震災後の対応やそのための教育が必要であることを感じた.しかし,震災後の対応に焦点をおいた教材は少なく,特別支援教育の視点を取り入れたものはほぼ見つからない.そこで,本研究では,特別支援学校の震災後の対応事例を基にした復旧・復興教育教材の開発を行うことを目的とすることとした.
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中山 宗弘, 布村 周哉, 中井 隆也, 柏本 和俊, 古川 拓, 髙橋 明子, 竹中 達史, 三宅 章太
2025 年2025 巻2 号 p.
59-65
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
研究報告書・技術報告書
フリー
ロボットを活用したSTEM教育においては,プログラミングだけでなく,センサーやアクチュエータを含むハードウェア設計の理解も重要な学習要素となる.本研究では,Scratchによる直感的なビジュアルプログラミング環境と,複数のモータ接続が可能なロボット開発初学者向けのプロセッサモジュールを開発した.このモジュールは,初学者でも簡単に操作・拡張が可能であり,プログラミングとハードウェア設計の両面からの学習をサポートすることができる.
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後藤 安矢華, 松村 敦
2025 年2025 巻2 号 p.
66-73
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究は,マンガを用いた読解指導が混成型テキストの読解にどのような影響を与えるのかを明らかにすることを目的とする.小学4年生から6年生を対象に,読解指導の前後で新聞を用いたテストを実施し,得点の変化と解答時の様子から読解指導の影響を分析した.その結果,読解指導後のテストの平均点は有意に向上した.また,得点が向上した児童には,連続型テキストと非連続型テキストを関連付けて読む力の向上が見られた.
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―留学生のスクリプト分析から探る話し合いの質―
藤浦 五月, 宇野 聖子
2025 年2025 巻2 号 p.
74-81
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
研究報告書・技術報告書
フリー
本論文では,留学生向けのディスカッション授業のスクリプト分析において,学習者が話し合いをどう捉えたかを明らかにする.分析の結果,学習者は議論の流れによって評価する観点が異なること,発言を前後のつながりや議論の流れのなか(線)で捉えていることがわかった.本結果は,アイデアの数等では測れない評価側面を明らかにし,多様なスクリプト分析や練習が,話し合いについてより深い理解につながる可能性が示唆された.
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田中 萌, 安藤 明伸, 堀田 龍也
2025 年2025 巻2 号 p.
82-88
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
研究報告書・技術報告書
フリー
小学校第6学年の家庭科の住生活単元で,フィジカルコンピューティングを扱った授業の,振り返りの傾向を把握した.振り返りの記述を「小学校プログラミング教育の手引(第三版)」の「知識及び技能」の5観点で分類したところ,「コンピュータが日常生活の様々な場面で使われ生活を便利にしている」「コンピュータに意図した処理を行わせるためには必要な手順がある」に関する記述が多く,5観点に分類されない記述には,センサや協働に関する記述が確認された.
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杉山 昇太郎, 中原 久志
2025 年2025 巻2 号 p.
89-93
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では,高校生261名を対象に,知的好奇心と学習動機の関連を明らかにすることを目的として,質問紙調査を実施した.各尺度の構成概念妥当性を確認後,知的好奇心の高低によって学習動機に違いが生じるかを検討するために群間比較を行った.その結果,知的好奇心の高い群ではExpectancy,Value,Costのすべてにおいて有意に高い得点が示され,特に期待との関連が顕著であった.
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稲木 健太郎, 泰山 裕, 堀田 龍也
2025 年2025 巻2 号 p.
94-101
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
研究報告書・技術報告書
フリー
クラウド上に外化された情報を,児童が自発的に観察する際の実態把握を目的とした.小学校第4学年児童63名への質問紙調査を行い,1)観察対象者,2)観察内容,3)観察のタイミング,4)観察人数,5)観察回数,に関するデータを収集し,分析した.その結果,クラウド環境により担保された,各自の学習状況に応じた選択性の高い観察が生じていること,観察には意図の有無があることが示唆された.
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河﨑 美保, 大島 純, 大島 律子, 澁川 幸加
2025 年2025 巻2 号 p.
102-107
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究は,認識的認知を認識的目標,認識的規準,信頼できるプロセスの3要素で捉えるAIRモデルを授業の設計・評価の枠組みとして,授業設計領域の教授学的知識を教える科目のデザイン研究を行った.1年目の結果から,限定的な認識的目標に向かう認識的認知への従事が見られ,改善した2・3年目の結果では,創造的な認識的目標,すなわち改善可能性を見出すという認識的目標へと向かう認識的認知を促進できることが示唆された.
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松田 稔樹
2025 年2025 巻2 号 p.
108-114
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
研究報告書・技術報告書
フリー
筆者は,教育の方法を工学的アプローチで改善する教育工学から,教育手段を用いて社会の問題を工学的に解決するNeo教育工学会への移行を提案している.そこで,教職課程履修生が社会変化と教育活動との相互作用を学ぶべき「教育学概論」で,Neo教育工学の立場から指導する実践を行っている.本稿では,既報告に示した計画から改善した内容とその理由,初年度の取り組みの状況と今後さらに解決すべき課題を報告する.
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石鍋 浩, 野口 代, 梓川 一
2025 年2025 巻2 号 p.
115-118
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
研究報告書・技術報告書
フリー
日本の介護福祉士養成校においては留学生が,介護現場においては外国出身の介護人材受け入れが進んでおり,現場で欠かせない存在となりつつある.その一方,専門教育の有無や文化背景などが彼らの高齢者認識に与える影響は不明な点が多い.本研究では,専門教育と文化背景が高齢者に対する潜在的態度に与える影響について検討した.介護福祉専攻および非専攻のベトナム人留学生と日本人学生を対象に,高齢者に対する潜在的態度調査で得られたデータに対し2要因分散分析を実施した.結果,教育要因では有意差が認められなかったのに対し,出身要因において有意差が認められた.教育背景に関わらず,ベトナム人の方が高齢者に対し潜在的に好意的な態度を有していることが示唆された.
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堀内 愛美, 山本 朋弘
2025 年2025 巻2 号 p.
119-125
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では,小学校外国語の複線型授業で,児童が学習の方法や内容を自ら選択・決定できるよう,学習材を整理したガイドブックを作成し,児童が学習材をどのように活用するかを検証した.授業前後の児童向け意識調査を分析した結果,学習方法の自己決定の項目等で授業後が授業前より有意に高い結果が見られた.これらのことから,複線型授業で学習材をまとめたガイドブックを活用することで,児童が英語を聞いたり話したりすることへの関心が高まり,自己の学習を調整する意欲を高めることを明らかにした.
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曽根原 加果, 堀田 龍也
2025 年2025 巻2 号 p.
126-133
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
研究報告書・技術報告書
フリー
小学校第5学年外国語科において,クラウド上で共有された児童の1単元分の振り返りの記述を,篠村・西原(2024)による気づきに関する5項目を基に分類した.その結果,外国語科で期待されている自身の学びや変容の気づきに関する記述の割合は,単元内で記述した各回の振り返りで5割以上を占めた.また,新たに「交流・協働」「学習の仕方の工夫」「感情」などの10カテゴリが生成された.単元全体を通して,自他の学習の状況や振り返りを常時閲覧できたことが影響したと考えられる.
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今井 亜湖
2025 年2025 巻2 号 p.
134-139
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
研究報告書・技術報告書
フリー
小学校入学に際し,新入生およびその保護者が抱く学校文化への適応の不安を解消する手がかりの一つとして,学校が作成し,各家庭に提供している「入学説明資料」に掲載されている学校に関する情報(学校情報)に注目する.本研究では,入学説明資料に掲載されている学校情報の機能について,オンラインで収集した30校の入学説明資料に掲載されている学校情報を対象に質的分析の結果をもとに,検討を試みる.
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若月 陸央, 佐藤 和紀, 堀田 龍也
2025 年2025 巻2 号 p.
140-146
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
研究報告書・技術報告書
フリー
GIGAスクール構想によって配備されたタブレット端末に加え,ノートパソコンを導入し,1人2台の端末を活用する小学校5学年児童に①操作内容に応じた端末の使い分け,②使い分けの理由に関する実態の把握を目的に質問紙調査を行った.その結果,文章作成やドキュメント等の使用時にはノートPC,写真・動画撮影やカレンダーの確認等の使用時にはタブレットと使い分けていることが確認された.また,理由として,文章の打ちやすさ・タッチ操作性などが影響している可能性が示唆された.
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西村 龍之介, 江木 啓訓
2025 年2025 巻2 号 p.
147-152
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
研究報告書・技術報告書
フリー
協調的議論における知識収束の分析は,具体や抽象の状態数を固定して分類する手法が一般的であり,その妥当性は十分に検証されていなかった.本研究では,この問題を解決するために,発言に含まれる単語の抽象度データに対して,ノンパラメトリックベイズ法を用いた潜在クラスタ数推定を実施した.「シアワセとは何か」を議題とする6グループの議論を分析した結果,すべてのグループにおいて潜在クラスタ数は2つに収束することが示された.本研究は,これまで定性的に扱われてきた議論中の具体や抽象の状態数を定量的に分析する手法を提供するものである.
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辻 瞳, 稲木 健太郎, 泰山 裕, 佐藤 和紀
2025 年2025 巻2 号 p.
153-160
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究は,小学校第3・4学年の児童の複式授業において,上学年が下学年と協同的に学習することで学習の調整に与える影響について検討することを目的とした.授業の前後で学習の調整とピアモデリングの取組の変容を調査した結果,上学年である4年生は,自己の学習の調整の意識は高まるが,下学年と編成するグループや下学年児童と共に行われる学習の調整は,同学年同士の学びより意識が低くなる可能性が示唆された.
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泰山 裕, 佐藤 和紀, 登本 洋子, 堀田 龍也
2025 年2025 巻2 号 p.
161-167
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究は,探究的な学習における1人1台端末の活用が,教師の視点から見て,学習にどのような影響を与えるのかを検討した.探究的な学習における学習活動に対する端末活用の効果を,「効率」と「学習の質」の2つの側面から評価する調査を実施した.その結果,多くの教師が1人1台端末の活用が探究的な学習の効率化と質の向上に貢献すると捉えていることが示唆された.さらに,これらの評価は,教師の日常的な端末活用頻度等によって差異が見られることも明らかになった.
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谷塚 光典, 森下 孟
2025 年2025 巻2 号 p.
168-173
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では,教職志望学生のリフレクション支援における生成AI活用の可能性を検討した.教職ポートフォリオのリフレクション記録を用いて,プロンプトに含める情報の粒度(目指す教師像のみ,現在の状況を追加,リフレクション記述を追加)を変えることで,生成AIからのアドバイスがどのように変化するかを分析した.その結果,プロンプトに学生の「現在の状況」や「リフレクションの記述」を追加することで,実践可能な具体的な活動提案が得られた.
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―多母集団分析による小中比較―
倉島 七海, 真鍋 誠司, 山岡 徹, 佐々木 秀綱, 結城 菜摘, 町支 大祐, 脇本 健弘
2025 年2025 巻2 号 p.
174-178
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では,小学校と中学校それぞれにおいて,ミドル教師のリーダーシップ行動が学年チームの文化資本に与える影響について調べるために,A市の教員から得たデータを用いて共分散構造分析を行った.結果として,学年の文化資本を形成するミドル教師の個人の行動には,校種間で異なる傾向が多く見られた.また,小学校・中学校のいずれにおいても,学年の集団省察の文化が授業改善に有意に関連することが示唆された.
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藤井 美沙希, 八木澤 史子
2025 年2025 巻2 号 p.
179-184
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
研究報告書・技術報告書
フリー
授業における児童の参加行動に影響する要因を明らかにするため,児童の参加行動を時系列で測定し,学習形態,教師の教授行動,児童の学習活動との対応について分析した.結果,学習形態の違いにかかわらず教師から提示された課題の達成後に参加行動の数値が下ること,一斉学習でも教師の具体的な指示がない場合には,児童が異なる学習活動を行う可能性が考えられた.
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八木澤 史子, 中尾 教子, 堀田 龍也
2025 年2025 巻2 号 p.
185-191
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では,教員養成課程の学生が学習者用デジタル教科書を活用した模擬授業を実施する際に必要となる支援を検討した.11名の学生にアンケートを実施した結果,以下の点が明らかになった.1)学生は,自身の経験の不足,学習者側のスキル等の不足,使用環境の制約など,複数の観点から模擬授業に取り組むことの困難さを感じていた.2)学生は,体験的なデジタル教科書活用の学習,デジタル教科書の活用事例の紹介等の支援を求めていた.
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山﨑 哲平, 堀田 龍也
2025 年2025 巻2 号 p.
192-197
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
研究報告書・技術報告書
フリー
小学校第2学年生活科における児童の振り返りの特徴を把握することを目的に,振り返り記述を芳賀・桐生(2022)の分類に基づき5項目に整理した.より細かな違いを明らかにするため,次回に向けた方向性についての記述の内容を分析した結果,単元後半では前半と比べ,友達との情報共有や交流,作品や発表の質の向上を望む記述が増加していた.めあてに即した振り返り活動の繰り返しが,自他を関係付ける意識や課題意識の向上につながることが示唆された.
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堀田 雄大, 八木澤 史子, 三井 一希, 佐藤 和紀, 堀田 龍也
2025 年2025 巻2 号 p.
198-203
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
研究報告書・技術報告書
フリー
授業中に児童の学習や教師の指導の様子について観察した内容を,教師間でチャットを用いて即時共有することが,授業観察に与える影響を把握することを目的とし,公開研究会に参加した教員を対象にアンケートを実施した.分析の結果,視点の拡張・補完,他者との比較・共感,授業理解の深化,教師の指導技術の理解,観察の共有感,情報処理の困難さの6つのカテゴリが生成され,チャットの閲覧は授業の多様な事実や解釈の共有を促す一方,認知的負荷も確認された.
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笠原 秀浩, 高橋 純
2025 年2025 巻2 号 p.
204-209
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究は,小学校理科教育研究団体の教職員25名による1年間のチャットログ(総発話数 3,705件)を対象に,ネットワーク分析を通じて組織構造を可視化し,組織改善への実用的価値を検討した.発話の前後関係から有向グラフを構築し中心性指標を算出した結果,2名の中心的人物による「複数ハブ型構造」が明らかになった.デジタルログを活用した新たな分析手法の有効性が示され,組織改善への新たな可能性が示唆された.
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仲西 佑香, 藤村 裕一
2025 年2025 巻2 号 p.
210-217
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究は,体験や活動を重視した児童主体の授業設計を行い,教員が柔軟な発想でアナログとデジタルを使い分けながら授業を創り上げる重要性を明らかにした.モデルを示すことやICTの活用で技術を補完することで,どの児童も楽しめる小学校音楽の授業が可能となった.児童の主体性を大事にし,児童自身が個人・グループ・集団等の学ぶ集団,学ぶ方法等,児童把握を活かし個々の興味や特性に応じ多様な選択肢や環境を提供する効果が実証された.
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遠藤 みなみ, 八木澤 史子, 佐藤 和紀, 堀田 龍也, 姫野 完治
2025 年2025 巻2 号 p.
218-223
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究の目的は,授業観察研究のレビューにより,授業観察の視点を整理し,1人1台環境に応じた授業観察の視点の検討を行うことである.その結果,従来の授業観察の視点について,【A 授業の構成・展開】,【B 教師】,【C 子供】,【D 教師と子供】,【E 教材・環境】の5つのカテゴリーが得られた.今後,クラウド上の学習活動やそれに応じた教師や子供の言動に関する授業観察の視点が求められることが示唆された.
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岡野 由美子, 増本 利信, 大城 尚紀
2025 年2025 巻2 号 p.
224-231
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
研究報告書・技術報告書
フリー
英語科におけるデジタル教科書の導入に始まり,各教科についても段階的導入が進んでいる.そこで,学習者用端末におけるデジタル教科書導入の効果や課題について教員を対象に質問紙調査を行なった.結果,約25%の教員が学習者用端末にインストールしていると回答した.しかし,活用ができていない,教員によって活用頻度が異なるなどの状況が見られ,効果的な活用には導入後の活用方法や事例の提供など,支援システムの構築が必要であることが示唆された.
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江添 光城, 後藤 正樹, 高木 正則
2025 年2025 巻2 号 p.
232-239
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究は,学習指導要領の構造化として,国際標準規格CASEの適用可能性を検討したものである.大規模言語モデルを用いて学習指導要領の各項目の関係性を推定したうえで学習指導要領をCASEに変換した.その後,教科書単元との紐づけを行い,関係性を基にした学習支援の可能性を検証した.結果として,学習指導要領の構造的な整理と系統性の向上が実現され,個別最適な学習支援への展望が示された.
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―自由記述テーマ分析を通じた若手教員支援の考察―
池田 修
2025 年2025 巻2 号 p.
240-247
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
研究報告書・技術報告書
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本研究は,北海道A町で実施した「AI野中信行先生GPT」の実証実験を通じて,若手教員や一人職教員への支援効果を検証した.事前・中間アンケート(n=41, n=22)およびインタビュー調査から,教員の孤独感軽減,業務効率化,専門性向上などの効果を確認した.特に「退職を踏みとどまった」という記述に代表される精神的支援効果や,時短効果(業務時間が2-5割減少)など,投資対効果(ROI)の高さが明らかになった.本GPTは教員のQOL向上と離職防止に有効なツールであることが示唆された.
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―T-SEDAを用いた教育対話分析から―
山田 晋作
2025 年2025 巻2 号 p.
248-255
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
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本研究では,T-SEDA(Toolkit for Systematic Educational Dialogue Analysis)に基づく教育対話の分析に対し,AI(ChatGPT)を用いた自動コーディングを試行し,人的コーディングとの比較を通してその有効性と課題を検討した.分析結果における一致・不一致の傾向を踏まえ,出力の再現性,対話文脈の把握,日本語環境における処理精度といった観点から,AI分析の特性と限界を明らかにした.今後は,人的分析との補完的な協働による実践的な活用方法の模索や,言語の特性への対応精度の向上等が重要な課題となる.
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齊藤 貴浩
2025 年2025 巻2 号 p.
256-259
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
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自己調整学習とは,自らの学習活動を内省しながら自ら調整し,目的の達成に向けて進めていく学び方である.一方で自己点検・評価や内部質保証体制の構築は,活動や組織を評価し,改善を進める方策だが,現在は形式的な取組にとどまり,大学評価でも学校評価でも十分に機能していない.本研究では自己調整学習と学習する組織の概念を学校組織の評価に適用することで,学校組織評価の阻害要因について検討を行う.
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遠藤 信一, 杉浦 雄策, 中城 康彦
2025 年2025 巻2 号 p.
260-265
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
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高校における金融教育は,学習指導要領により拡充が求められている.しかし,授業時間の制約や教材不足などにより,基本的な金融リテラシーの範囲に留まり,不動産の購入や債権化・投資など人生に不可欠な内容は扱われない.本稿では,大学のデータサイエンス科目と不動産学部の科目を連携させ,高校生向けの不動産投資教材を制作する.また,この教材を活用した授業設計を提案し,高大連携による授業の可能性を探る.
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武田 俊之
2025 年2025 巻2 号 p.
266-273
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
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性能向上が著しいAIによって学習者の成果物を評価することは今後増加する.AIによる評価においても人間が理解できるルーブリックが使用されるであろう.この報告では文献研究等に基づいて,AI評価で使用するルーブリックの基準と規準とについて検討する.
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―レポート執筆における生成AI利用経験の有無による比較―
福山 佑樹
2025 年2025 巻2 号 p.
274-278
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
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本研究ではアカデミックライティング科目の受講学生111名を対象に,生成AIのリポート執筆への利用経験の有無による授業開始時の認識の差を調査した.経験者は生成AIを文章添削や情報収集など補助的に利用していたことがわかった.未経験者は「自分で考えたことにならない」,「能力が身につかない」などの事項に対して強い懸念を示し,経験者が生成AIを補完ツールとして捉えるのと対照的な結果が得られた.
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中原 久志, 杉山 昇太郎
2025 年2025 巻2 号 p.
279-282
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
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本研究の目的は,大学生の持つデータガバナンス力の実態,およびその構造的特徴を探索的に把握することである.大学初年次学生を対象に,学習に対する自己調整力を測定するASRSと,データガバナンス力を評価する20項目からなる質問紙調査を実施し,その構造的特徴および両者の関連性を把握したところ,ASRSの「自己計画」因子,「自己モニタリング」因子,「自己評価」因子といった認知的要素が,データガバナンス力の特定因子と有意に関連することが明らかになった.特に,学習状況を能動的に把握しようとする態度がデータの信頼性や活用価値の理解に重要な役割を果たしていることが示唆された.
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村上 唯斗, 久川 慶貴, 草本 明子, 高橋 純
2025 年2025 巻2 号 p.
283-290
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
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クラウドベースの複線型授業において,児童が自発的に行った学習活動の基盤にある技能を明らかにし,クラウドベースの複線型授業に求められる情報活用能力を探索的に検討することを目的とした.児童1名を対象とした学習過程の分析の結果,「課題の明確化」,「情報の収集・整理」,「思考の方向づけ」,「発表」,「協働」のカテゴリが生成された.既存の情報活用能力の枠組みを逸脱するものではなかったが,クラウドベースの複線型授業の特徴を踏まえた情報活用能力の育成が求められると考えられた.
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小松﨑 晴菜, 八木澤 史子
2025 年2025 巻2 号 p.
291-298
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
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授業外における児童生徒の援助要請と情報端末の活用の実態を明らかにすることを目的とし,X県内の小中学校に勤務する教員に,児童生徒の授業外での援助要請に対する情報端末の活用有無およびその理由について質問紙調査を実施した.その結果,悩み相談時に情報端末を活用していると回答した教員は全体の19.4%であり,「相談のハードルが低下する」「対面での相談が重要」といった情報端末の活用に対する促進や阻害に関する意識が観察された.
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有川 なの, 山本 朋弘
2025 年2025 巻2 号 p.
299-304
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
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本研究では,総合的な学習の時間において,ドローンとフロアマッピングを用いた授業を実施し,身近な現代的な課題を主体的に捉え,解決しようとする児童の育成につながるかを検証した.授業の前後に実施した児童向けの意識調査を分析した結果,ドローンの活用方法の知識や地域社会の問題を解決したりボランティアに参加したりすることに対する意欲の面で授業の前後で有意な差が見られ,ドローンとフロアマッピングの有効性を明らかにした.
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田原 憲和, 南谷 真紀, 阪上 彩子
2025 年2025 巻2 号 p.
305-312
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
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報告者らは,プロジェクト授業でドイツ語を学習した高校生に対して,ドイツ語学習と社会とのつながりに関する半構造化インタビューを実施した.これのSCAT分析から見えてきた学習意欲の変遷や社会とのつながりの意識の変化を抽出することで,外的な要因が学習機会の獲得や学習意欲の維持,学習の継続に関わっていることが判明した.本報告では,とりわけ学習意欲と社会とのつながりに関する発言を示しつつ,その背景にある要因を探ることを目的としている.
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梅澤 克之, トーン アキラ, 中澤 真, 中野 美知子, 平澤 茂一
2025 年2025 巻2 号 p.
313-318
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
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近年,生成AI技術を活用した学習支援ツールが注目を集めている.本研究では,カンボジア語学習において,対人学習と生成AIを活用した学習を比較した場合の緊張度の違いについて,脳波計測による評価を行う.その結果,対人学習では特に初期段階で緊張が高まりやすく,回数を重ねることで緊張が低減した.一方で,対ChatGPT学習では初期段階から緊張が抑えられる傾向があることが確かめられた.ChatGPTの活用が第二言語学習での初期段階の緊張軽減策として有効であることが示された.
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海野 裕晃, 神武 直彦
2025 年2025 巻2 号 p.
319-324
発行日: 2025/07/05
公開日: 2025/07/11
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本研究では,ソフトスキルの研修転移を促進するため,研修受講者が研修と業務の構造的類似性に気づき転移機会を想起するための生成AIを用いた対話システムを設計・実装した.事前に設定したプロンプトと研修受講者からインプットされる情報をあわせ,研修受講者の思考を深めるコメントを生成する仕組みを構築した.動作検証の結果,研修受講者の思考の状況を踏まえたコメントが得られ,転移促進の可能性が示された.
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