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―「書く力」の育成をめざす取り組みを通して―
荒木 淳一, 寺嶋 浩介
2024 年 2024 巻 1 号 p.
1-8
発行日: 2024/05/11
公開日: 2024/05/14
研究報告書・技術報告書
フリー
小学校における「書く力」の育成を通して,校内授業研究の実施方法を改善し,その取り組みを評価した.まず「校内授業研究の流れ」を設計した.また,「児童の「書く力」を育成する教師の授業力」を設定した.それを基に,授業研究を進めた結果,「校内授業研究の流れ」により,授業研究を円滑に進めることができた.また,「児童の『書く力』を育成する教師の授業力」を明確にすることで,授業計画に有益な情報が得られた.
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稲木 健太郎, 泰山 裕
2024 年 2024 巻 1 号 p.
9-16
発行日: 2024/05/11
公開日: 2024/05/14
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究は,初等教育の授業場面において児童による自己調整学習がどのように行われているかを教師の視点から捉えることを目的とした.教師1名を対象として半構造化インタビューを行い,SCATを用いて分析した結果,主に学習方略の調整により具体的に行動として表出している学習活動を自己調整と捉えていることが示された.また,自己調整には,個人・他者・環境の要素が関係し,これらを複合的に捉える必要性が示された.
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關原 結衣, 伊藤 真紀, 若月 陸央, 佐藤 和紀
2024 年 2024 巻 1 号 p.
17-22
発行日: 2024/05/11
公開日: 2024/05/14
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究は自律性支援を志向する学級において,児童が情報端末を活用した授業の板書に書かれた内容事項の特徴を検討することを目的とした.Y町立A小学校14学級において,2024年2月の板書を対象に,板書事項を学習方法と学習内容の2項目で分析した後,KJ法を用いて作成した8項目で分析した.その結果,1)14学級中9学級において学習内容より学習方法に関する板書事項が多いこと,2)学習方法に分類された項目のうち,89.6%が学習過程に関する板書事項であることが確認された.
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石井 のどか, 若月 陸央, 佐藤 和紀
2024 年 2024 巻 1 号 p.
23-30
発行日: 2024/05/11
公開日: 2024/05/14
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究は,学習者主体の授業を志向する教師の学級において,学習に関する掲示物による足場がけの特徴を検討することを目的とした.そこで本調査では実態把握のため,公立小学校2校25学級において,2024年1月から3月の掲示物を対象に教室内の掲示物を撮影し,その内容に基づき分析を行った.その結果,①両小学校で学習内容よりも学習方法に関する掲示物が多いこと,②学習の足場がけとなる掲示物のうち学習に向けた準備態勢の整備・調整に関する「注意・興味・関心の喚起・活性化」の掲示物が両小学校の第1学年で多いことが確認された.
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久川 慶貴, 草本 明子, 高橋 純
2024 年 2024 巻 1 号 p.
31-36
発行日: 2024/05/11
公開日: 2024/05/14
研究報告書・技術報告書
フリー
1人1台端末を活用し,学習者による学習活動の自己決定が行われている授業における児童の発話から,学習活動の特徴を明らかにすることを目的とした.小学校6年生1名の直接の発話およびクラウドでの発話(クラウドでの文字入力)を分析した.結果,1)授業を通して他者との直接の対話を中心に学習活動が行われること,2)直接の発話とクラウドでの発話が繰り返されること,3)何について読み取るのか,どの場面やどの登場人物に着目して読み取るのかを学習者が自己決定していることの3点が示唆された.
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山崎 智仁, ⽔内 豊和, 山西 潤一
2024 年 2024 巻 1 号 p.
37-44
発行日: 2024/05/11
公開日: 2024/05/14
研究報告書・技術報告書
フリー
知的障害特別支援学校中学部にてScratchJrを用いたプログラミング教育を行った.知能発達レベルや障害特性に配慮し,基礎的なプログラムから段階を踏んで指導を行っていくことで,生徒らは物語やゲームを作成することができた.友達や教師を招いてオリジナルゲームの発表会を開催したところ,ゲームのルールを説明したり,ゲームを評価してもらい,笑顔になったりする生徒の姿がみられた.生徒のプログラミング的思考が高まるとともに,プログラミング教育が生徒の自己肯定感を高めたり,余暇の拡大につながったりする可能性があることが考えられた.
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伊藤 真紀, 佐藤 和紀
2024 年 2024 巻 1 号 p.
45-50
発行日: 2024/05/11
公開日: 2024/05/14
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究は,義務教育学校において,チャットを活用した非同期・分散型の校内研修を経験してきた小学校・中学校の教師を対象に,同僚性に関する意識調査を行うことを目的とした.その結果,同僚性に関する12の質問項目のうち,回答の平均値が3.0を超えた質問項目が10項目あることが確認された.このことから,研修スペースの活用が,教師の同僚性の構築に一定の効果があることが示唆された.
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―自己調整学習の3条件をU理論に組み込んだ授業の構築とその効果―
元澤 倫久
2024 年 2024 巻 1 号 p.
51-58
発行日: 2024/05/11
公開日: 2024/05/14
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究は,生徒の自律的な学習観の醸成,及びICTを自らの学習や課題解決に繋げるICTリテラシーの習得を目的として,「U理論と自己調整学習理論を融合したICTスキルの自律的習得を促す授業モデル」を開発し,授業に落とし込んで実践することにより,生徒の行動変容を測定し効果検証を行うことにある.結果として,生徒の学習観の転換が確認でき,自律的な学習行動への変容が一定程度確認できた.
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松田 稔樹
2024 年 2024 巻 1 号 p.
59-66
発行日: 2024/05/11
公開日: 2024/05/14
研究報告書・技術報告書
フリー
新逆向き設計では,高校の教科カリキュラムを改革するために,「SDGsをテーマにした総合的な探究の時間の活動設計⇒教科の探究活動設計⇒教科の通常授業の単元設計」をする.これを教職課程で指導するために,筆者は仮想授業ゲームを開発してきた.本稿では,その効果を高める対話方略を検討した上で,教科の探究活動の事例データや単元指導計画の内容項目データを設定すれば,自動的に動作するゲーム盤テンプレートを開発する.
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土屋 花琳
2024 年 2024 巻 1 号 p.
67-72
発行日: 2024/05/11
公開日: 2024/05/14
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では,美術教育に携わる教育者の評価に注目し,美術的・技術的・学術的な評価の観点を明らかにする.そこで,絵画教室講師と小学校教諭の2名にインタビューし,解釈的現象学的アプローチの方法に基づいて分析した.両者とも「社会」,とくに「生きる力」を意識しつつも,「学習」と「仕事」の目的達成と技能獲得において相違が見られた.一方で,経験や意欲など共通する評価観も見られ,教育実践者の複雑な実態が明らかになった.
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宮内 健
2024 年 2024 巻 1 号 p.
73-78
発行日: 2024/05/11
公開日: 2024/05/14
研究報告書・技術報告書
フリー
教師力向上を目指した校内研究の取り組みとして,OJT研修会を実施した.OJT研修会では,日々の教育活動の課題を少人数で話し合ったり,これまでの教育活動の成果を全体に紹介し,共有したりした.参加した教員が回答した質問紙調査の結果から,OJT研修会の成果を検証し,今後の校内研究会の在り方を検討した.研究授業及び研究協議会での学びとOJT研修会の学びを比較した結果,OJT研修会の学びが,より満足度が高く,学ぶことが多かったと,回答する教員が多かった.今後の校内研究の在り方について,検討したい.
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堀田 雄大, 八木澤 史子, 三井 一希, 佐藤 和紀, 堀田 龍也
2024 年 2024 巻 1 号 p.
79-85
発行日: 2024/05/11
公開日: 2024/05/14
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では,教職経験の年数やチャットの活用経験といった,教員の属性によって,チャットの活用にどのような違いがみられるのか,教員の実態を把握することを目的とし,授業の事後検討会におけるチャットの活用に対する意識を調査した.1年〜30年の教職経験を有する72名の教員のアンケートの回答を分析した結果,チャットの活用により観察内容の共有ができた,関心事が深化したと捉えている肯定的な回答は教職経験の長短に拠らず,いずれの年代からも確認された.関心事の深化については,普段からチャットの使用頻度が低い場合でも有用性を感じていることが示唆された.
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谷塚 光典, 森下 孟
2024 年 2024 巻 1 号 p.
86-89
発行日: 2024/05/11
公開日: 2024/05/14
研究報告書・技術報告書
フリー
信州大学教育学部では,1年次から4年次までを通して履修する臨床経験科目において,臨床経験活動を記録してリフレクションを行うために,SNS型教職ポートフォリオを開発・運用してきた.そこで本研究では,教職志望学生が感じているSNS型教職ポートフォリオによる相互評価の学修成果を明らかにした.テキストマイニング分析の結果,ワードクラウドおよび共起キーワードから,学年によっては当該学年の臨床活動に関した相互コメントから学ぶことが多い傾向もあることがわかった.
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草本 明子, 長縄 正芳, 水谷 年孝, 高橋 純
2024 年 2024 巻 1 号 p.
90-97
発行日: 2024/05/11
公開日: 2024/05/14
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究は,中学校を対象とし,クラウド環境における1人1台端末活用の促進要因を検討することを目的とする.中学校の数学科教師および当時の管理職に,半構造化インタビューを用いて調査を行った.結果,1)「1人1台端末活用の促進」に影響を及ぼす要因として「環境要因」「信頼性要因」「個人的要因」の3つの要因が存在し,GIGAスクール構想前のICT活用促進要因と共通する要因とGIGAスクール構想後の新たな要因の双方が存在すること,2)「環境要因」の一部と「信頼性要因」は相互に影響し合うことが明らかになった.
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―英語教師とバイリンガリズム―
表 昭浩
2024 年 2024 巻 1 号 p.
98-104
発行日: 2024/05/11
公開日: 2024/05/14
研究報告書・技術報告書
フリー
中高の英語教師のインストラクショナル・スピーチ(IS,教授発話)の英語は増加傾向にある.一方,近年急激に普及するAIを学校教育にどう活用すべきかが議論され始めた.本研究では,6人の日本人英語教師のISデータからAIやNS(英語母語話者)にできない機能を除外し,その特徴を探った.その結果,教師のバイリンガル行動(職業的バイリンガリズム)にはAI的発話や日本語と英語の混和が多く,これらを減らして非AI的な英語の増加をめざすことでより豊かな授業ができる可能性が示された.
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―エンターテインメント機能を付加した練習システムの検討―
中山 洋, 堀端 薫, 藤倉 純子
2024 年 2024 巻 1 号 p.
105-108
発行日: 2024/05/11
公開日: 2024/05/14
研究報告書・技術報告書
フリー
現在,栄養士養成施設では,大量調理実習として作る給食の量も数も充分でないままに,単位を修得できる状況である.そこで,前提研究では,Virtual Reality(以下,VR)を利用し,熟練者のスパテラの軌跡に沿ってスパテラの動かし方を学習するシステムを作成し実験を行なった結果,学習効果があることが示唆された.しかし,学習者の学習に対する動機付けを行う機能が設けられておらず,学習意欲を高めるための工夫が必要であると考えられる.そこで,エンターテインメント機能を付加したシステムは,使用者のモティベーションを向上させることがわかった.
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大島 崇行
2024 年 2024 巻 1 号 p.
109-112
発行日: 2024/05/11
公開日: 2024/05/14
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では,アイトラッキングカメラによる視点抽出により,一斉授業型の授業場面や学習者毎の若手教師の視点配布行動の実態を明らかにすることを目的とした.実践の結果,①学習場面により教師Aの注視対象が異なっていたことが明らかになった.また,②教師Aの学習者毎の視線配布には偏りがあり,意図的な視線配布をする一方,統制しきれていない恣意的な視線配布も行っていることが事例的に明らかになった.
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澤田 亮, 閆 琬新, 中島 平
2024 年 2024 巻 1 号 p.
113-117
発行日: 2024/05/11
公開日: 2024/05/14
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では,大学生のプログラミング授業における教員とAIによるチームティーチングを実践し,その利点と課題を検討した.この授業では,教員が教示や見本を見せ,学生が個別に生成AIを使用してコード理解やアプリ開発を行い,そこへ教員が適宜介入を行った.実践結果より,本授業は自由度の高い個別指導ができるという利点がある一方で,自律的な学びやAIとの効果的な対話に難しさを感じる学生に対し教員による指導が必要であることが示唆された.
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花里 真吾, 柴田 好章
2024 年 2024 巻 1 号 p.
118-125
発行日: 2024/05/11
公開日: 2024/05/14
研究報告書・技術報告書
フリー
教師および研究者の専門性が発揮され,その向上が期待される授業研究では,授業記録の解釈の妥当性を高めることが肝要である.しかし,研究は教師および研究者のコミュニティを基盤として行われ,コミュニティや文脈への依存度が高いため,それは容易ではない.こうした難題に対し,本研究では,ベイズ更新・ベイズ推定の見方・考え方を援用し,観測された事実の背後に隠れている事実の解釈の了解可能性を高める方法を検討する.
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山本 光, 樋口 裕子, 末廣 章介
2024 年 2024 巻 1 号 p.
126-129
発行日: 2024/05/11
公開日: 2024/05/14
研究報告書・技術報告書
フリー
小学校でのプログラミング教育が必須化されて数年経ち,様々な教育実践がなされている.しかし,プログラミング教育を通してどのような能力が育成されているか見えづらいとの指摘があった.そのために本研究では,非認知能力に着目し,学年ごとにプログラミングの授業前後,および学年ごとの推移の調査を行った.その結果,低学年では失敗活用,高学年では意味理解や思考過程重視に差が出ることが明らかになり,発達段階に応じたプログラミングの指導について方針を得ることができた.
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水野 一成, 近藤 勢津子, 吉良 文夫
2024 年 2024 巻 1 号 p.
130-133
発行日: 2024/05/11
公開日: 2024/05/14
研究報告書・技術報告書
フリー
小中学生におけるスマートフォンの利用率が上昇傾向であり,GIGAスクール構想が本格化したことでタブレット・パソコンの利用率が上昇し,ICTスキルも上昇した.多様なICTスキルはどのように類型化できるだろうか.2023年11月に小中学生を対象に行った調査を用い,13項目のICTスキルの結果を基に,数量化理論第III類を用い類型化を行った.その結果,「基本スキル」「応用スマホスキル」「発展パソコンスキル」に類型化できた.本稿ではその類型化の結果と「学年」,「学年とインターネット利用時間」の関係を確認し,考察を行う.
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学習者が身に付けたこと,身に付けたかったこと
登本 洋子, 齋藤 玲, 堀田 龍也
2024 年 2024 巻 1 号 p.
134-137
発行日: 2024/05/11
公開日: 2024/05/14
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では,探究的な学習において,学習者が身に付けたあるいは身に付けたかった資質・能力を明らかにする.2024年3月に高校卒業予定の3年生並びに卒業生19~21歳を対象にしたアンケート調査の結果,身に付けたものの上位五つは,情報収集力,チームワーク力,批判的思考力,自己管理力,公共の精神で,身に付けたかったものの上位五つは,コミュニケーション能力,言語能力,プレゼンテーション力,自己管理力,金融知識であった.高校のときの「総合的な探究(学習)の時間」に対して,「とても得意」「どちらかと言えば得意」と回答したのは33.5%であった.
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宇田川 拓雄, 松本 美奈
2024 年 2024 巻 1 号 p.
138-144
発行日: 2024/05/11
公開日: 2024/05/14
研究報告書・技術報告書
フリー
アダルティング101とは米国の大学で2016年ごろから開設が始まった主に1年生を対象とする授業科目である.大人としての生活術,つまり生活のスキルが不足していると考える学生を想定しており履修者がふえている.授業では料理,買物,洗濯,友人知人ネットワーク,スケジューリング,税金,年金,家計,健康,衣服などのテーマについて演習形式で学ぶ.その狙いと現状について紹介し意義を考察する.
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小林 透, 深江 一輝, 戸川 大樹, 中村 典生
2024 年 2024 巻 1 号 p.
145-150
発行日: 2024/05/11
公開日: 2024/05/14
研究報告書・技術報告書
フリー
ITに関する社会人向けリカレント教育と高校教科「情報」教育を融合させた新たな高校教科「情報」実践的教育指導モデルを提案する.著者らは,これまで地域企業に対して大学を核としたリカレント教育の提供,共同研究の実施,社会人ドクターの育成を一貫して行うNagasaki Academic Communityを構築してきた.本教育指導モデルは,この Nagasaki Academic Communityのリソースを高校教科「情報」の問題解決に関する授業に活用することが特徴である.これにより,コミュニケーション力や指導力等の企業人としての資質向上と高校側の指導リソース不足解消を同時に実現する.
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趙 由之, 石川 奈保子, 岩間 徳兼, 池田 文人
2024 年 2024 巻 1 号 p.
151-158
発行日: 2024/05/11
公開日: 2024/05/14
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では,研究者における音楽と科学研究の間の「共通技能・能力」に対しての認識の実態を把握した.具体的に,以下3つの問題を明らかにした.(1)多数の研究者は音楽と科学研究の間に共通能力があると考えている.(2)経験した音楽の種類数は音楽と科学研究の間の「共通技能・能力」に対しての習得の数には影響がある.(3)6つの音楽活動の中で,「作曲」「編曲」「指揮」とい3つの経験があることが音楽と科学研究の間の「共通技能・能力」の習得数に影響を及ぼしていることが示唆された.
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村上 正行, 岡田 玖美子, 松河 秀哉
2024 年 2024 巻 1 号 p.
159-164
発行日: 2024/05/11
公開日: 2024/05/14
研究報告書・技術報告書
フリー
大阪大学では,初年次教育「学問への扉」を全学必修科目として2019年より開講してきた.本発表では,「学問への扉」におけるアンケートの結果とともに,授業評価アンケートの自由記述を自動分類するために開発されたWebシステムを用いて,自由記述の回答を分析した結果について報告する.今回は,fastTextを用いた文章の高速自動分類によってカテゴリによる自動分類を行った.
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上土井 宏太
2024 年 2024 巻 1 号 p.
165-170
発行日: 2024/05/11
公開日: 2024/05/14
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究は,大学生の新聞に対する意識を明らかにするとともに,新聞の利用がメディアリテラシー及び批判的思考力への影響について明らかにした.新聞を定期的に読んでいる学生は29.5%であり,各種調査で報告されている値と近い値であった.メディアリテラシー,批判的思考力については,新聞を定期的に読んでいる,読んでいないに関わらず統計的な有意差は見られなかった.これは,新聞を有効活用できていない可能性や,他の活動によって能力を高めている可能性などが理由として考えられる.
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吉田 圭輔, 三上 貞芳, 濱 克己, 辻 美祝
2024 年 2024 巻 1 号 p.
171-176
発行日: 2024/05/11
公開日: 2024/05/14
研究報告書・技術報告書
フリー
対面型授業では,受講者は聴覚情報と視覚情報を統合し音韻知覚を通じて学習を行っているものと考えられる.これまで我々は,授業中に授業者と受講者の顔が向かい合うことが,受講者の記憶を向上させるという結果を得た.しかし,受講者の視線にかかわらず授業者が受講生側を向きさえすれば,記憶向上が見られるという例が多く観察された.これは教室において発話者の顔の向きにより,音響的な特性が変化することに関係するのではないかと考えた.そこで音声の違いが受講者の記憶にどのような効果を与えるのか,音声の違いから授業者の体の向きを推定することができるのかを調査したので報告する.
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中村 康則, 川上 祐子, 任 和子
2024 年 2024 巻 1 号 p.
177-184
発行日: 2024/05/11
公開日: 2024/05/14
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では,看護教育における新たなアプローチとして,看護アセスメントのための情報収集ゲーム教材『あせすまいる』を開発した.このゲーム教材は,臨床現場を想像することが難しい学生に対し,実践的な学習体験を提供することを目的としている.本ゲーム教材を用いることで,看護アセスメントのために必要とされる情報収集の行為,たとえば,患者のバイタルサイン確認,患者からの主訴,患者をとりまく物理的環境などの状況把握といった基本的なものだけでなく,患者の家族・親族との対話,他職種との対話など,看護アセスメントの実践に不可欠な情報収集スキルを習得できる.
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加地 泉美, 香山 瑞恵, 永井 孝, 舘 伸幸
2024 年 2024 巻 1 号 p.
185-192
発行日: 2024/05/11
公開日: 2024/05/14
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究の目的はSTEAM教育での利用を想定したVR教材の開発である.提案教材では現実空間でイルミネーションの形を自由に創造し,仮想空間上でその発光パターンプログラムを作成する.プログラミング学習とそのスキルを応用した自己表現に取り組むことで教科を横断した知識の獲得を支援する.本稿では提案教材の機能について概観し,教材の評価結果と今後の開発方針について考察する.
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澁谷 菜穂子, 尾澤 重知
2024 年 2024 巻 1 号 p.
193-200
発行日: 2024/05/11
公開日: 2024/05/14
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究の目的は,ポテンシャル採用枠の中途採用者5名を対象に,入社から一人前に至るまでに獲得した職務上の技能とアイデンティティの変容プロセスを,組織社会化の観点から検討することである.半構造化インタビューを実施し,複線径路等至性アプローチ(TEA)にて分析した.その結果,技能獲得に至る行動は,前職で形成されたアイデンティティが影響していた.組織が定める一人前に至った後は,前職と現職を比較し,職場におけるアイデンティティを形成していた.
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稲垣 忠, 平井 聡一郎, 佐藤 雄太
2024 年 2024 巻 1 号 p.
201-208
発行日: 2024/05/11
公開日: 2024/05/14
研究報告書・技術報告書
フリー
児童生徒に共通したゴール設定のもとで個別あるいはグループで探究に従事するプロジェクト型学習を対象に,生成AIと対話しながら授業構想を検討するシミュレーターを開発した.プロンプトとしてPBLをデザインするIDプロセスを組み込むことで対話的に順を追って授業設計ができるよう支援した.探究学習をテーマとした教員対象のワークショップにおいて本シミュレーターを試用する機会を設定した結果,授業アイデアを広げること,PBLに対する実践意欲の高まりとともに,生成AIを利用することに対しても意欲的になったとの評価を得ることができた.
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中川 哲, 池田 伸吾, 辻 慎一郎, 堀田 龍也
2024 年 2024 巻 1 号 p.
209-214
発行日: 2024/05/11
公開日: 2024/05/14
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では,学習者用1人1台情報端末が整備された中学校での英語科定期考査において,CBT(Computer Based Test)の実施実態を探るべく,事例調査を行った.調査分析では,PBT(Paper Based Test)で実施された定期考査とCBTで実施された定期考査との出題形式について比較を行い,テストを作成した教員へのインタビューを通じて,その背景と意図を明らかにした.本研究により,PBTよりCBTにおいて選択式の問題が多く出題されていたことが分かった.また,CBTが実施された定期考査においても,記述問題については,PBTが併用された実態が明らかになった.
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石井 雄隆, 舟山 弘晃, 松林 優一郎, 乾 健太郎
2024 年 2024 巻 1 号 p.
215-222
発行日: 2024/05/11
公開日: 2024/05/14
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では,国語記述式読解問題の自動採点システムを開発し,その評価を行った.このシステムでは,学習者の回答内容をAIが自動で採点し,採点基準と部分点を即時的にフィードバックすることが可能である.システムを用いた学習の効果について検討するために,日本人大学生を対象として,刺激再生法と半構造化インタビューを行い,システムの利点や改善点などを検討した.
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岡本 恭介, 半田 柊斗, 稲垣 忠
2024 年 2024 巻 1 号 p.
223-228
発行日: 2024/05/11
公開日: 2024/05/14
研究報告書・技術報告書
フリー
NHK for schoolの学習者の視聴状況を把握するための視聴可視化システムを開発した.本稿では,学習者ごとの動画視聴における授業改善のために,本システムを利用した授業実践を行い,そこから得た視聴ログによる分析を行った.その結果,教師の指導や指示のタイミングによって視聴ログの変化があり,学習者が視聴するタイミングと思考するタイミングに波がある可能性が示唆された.また,早めに視聴ログを多めに送信した場合,その後に思考を深める活動を進めている可能性が示唆された.
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