現在市販されている皮膚保護剤は皮膚からの汗や分泌物を吸収し生理機能を阻害しないで貼付固定することが可能なハイドロコロイド材である。しかし、装具交換時の剥離刺激由来の角層ダメージにより、皮膚バリア機能低下に対する防止策は講じられていない。そこで角質細胞間脂質の構成成分であるセラミドを皮膚保護剤に配合することで角層の健全化を図り、バリア機能の改善を目的として、健常人における一ヶ月間の腹部貼付試験及びオストメイトによる1年間の貼付試験を実施した。
その結果、皮膚保護剤中にセラミドを配合することにより、健常人試験及びオストメイト試験のいずれにおいても皮膚バリア機能の指標であるTEWL値の改善を認めた。このことから、セラミド含有皮膚保護剤はストーマ装具貼付部皮膚のバリア機能の保持・向上において有用であることが判明した。
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