日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2434-3056
Print ISSN : 1882-0115
最新号
38巻2号(通巻105号)
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学会総会報告
学会賞報告
学会総会:会長賞・座長選出優秀演題賞
歴史に学ぶ:先達の回想録 第2回
文献紹介
原著
  • 松原 康美, 小林 和世, 柴﨑 真澄, 宮本 乃ぞみ, 積 美保子, 賀屋 仁, 幸田 圭史
    2022 年 38 巻 2 号 p. 29-38
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/06/01
    ジャーナル フリー

    【目的】訪問看護において看護師がストーマケアで困った内容と、専門知識をもつ看護師への相談および同行訪問の有用性について明らかにすることである。

    【方法】全国の訪問看護ステーション940施設を対象とし、訪問看護師がストーマケアで困った内容と相談先、および専門知識をもつ看護師の同行訪問の有用性に関する質問紙調査を実施した。

    【結果】250施設から回答が得られた(有効回答率26.6%)。ストーマケアで困った内容は、ストーマ周囲皮膚障害66.0%、排泄物の漏れ53.6%、ストーマ装具の選択42.0%、ストーマ脱出32.0%、ストーマ部出血30.8%であった。困った時の相談先は、利用者が退院した病院で専門知識をもつ看護師が66.0%で最も多かった。専門知識をもつ看護師の同行訪問は62施設(24.8%)が実施し、ストーマケアでは92.6%が役に立ったと回答した。

    【結論】訪問看護において、ストーマケアの専門知識をもつ看護師への相談および同行訪問の有用性が明らかになった。

  • 本間 祐子, 味村 俊樹, 田口 深雪, 堀江 久永
    2022 年 38 巻 2 号 p. 39-49
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/06/01
    ジャーナル フリー

    【目的】肛門温存手術に伴って造設した一時的ストーマの転帰とストーマ閉鎖前の直腸肛門機能検査・排便造影検査(以下、検査)の有用性を検討する。

    【方法】2014~2019年に肛門温存手術に伴って一時的ストーマを造設した患者を対象に、その転帰と検査結果に関して後方視的に検討した。

    【結果】解析対象は97例(年齢中央値62歳、男72例)で、一時的ストーマは91例(94%)で閉鎖された。検査は11例に施行され、全例で新直腸容量低下を認めた。非閉鎖6例のうち4例(67%)は原病悪化や吻合部狭窄、縫合不全が理由であったが、2例(33%)は閉鎖を希望しなかった。その2例のうち検査結果が比較的良好であった1例は検査結果を非閉鎖の理由に挙げ、検査結果が不良であった1例は検査結果以外の理由で非閉鎖を希望した。

    【結論】検査は、その結果だけにしたがってストーマ閉鎖の意思決定がなされるわけではないが、閉鎖後の排便障害に関する患者との話し合いの契機になることで、ストーマ閉鎖に関するShared Decision Makingに役立つと考える。

総説
  • 船橋 公彦, 甲田 貴丸, 長嶋 康雄, 保刈 伸代, 斎藤 容子, 守口 淳子, 山西 由里子, 小椋 遼治, 古田 雅
    2022 年 38 巻 2 号 p. 50-59
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/06/01
    ジャーナル フリー

    直腸癌に対する括約筋温存術(SPO)の低位吻合では、術後に頻便・便失禁、分割便、便意切迫などの排便障害としての低位前方切除後症候群(LARS)をきたす。その発生頻度は80-90%で、生活の質(Quality of life:QOL)に影響を与える重症LARSにおいては約40%と高い。中には術後10年以上経過した患者にも認められたとする報告もあり、長期にわたって患者のQOLに影響を与えている。重症LARSの危険因子には、術前化学放射線療法、直腸間膜全切除、縫合不全、一時的ストーマ、吻合部の高さがある。LARSの治療には食事指導、薬物療法、骨盤底筋訓練、バイオフィードバック療法、経肛門的洗腸療法、仙骨神経刺激療法があり、これらに効果が期待できない場合には最終的に永久的ストーマ造設が選択される。今後下部直腸癌に対するSPOがますます積極的に行われる中で、長期にわたって患者のQOLに直接影響を与え続けるLARSに対する対応は急務で、複数の医療者が協働して集学的に対応していくことが必要である。

症例報告
  • 立花 由紀子, 永吉 絹子
    2022 年 38 巻 2 号 p. 60-67
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/06/01
    ジャーナル フリー

    【背景】ストーマ閉鎖創周囲に広範な感染性漿液腫を発症した症例に対して、持続吸引療法から陰圧閉鎖療法へ移行して合併症なく上皮化を得た症例を経験したので報告する。

    【症例】59歳男性、C型肝硬変の加療中。直腸癌に対するハルトマン手術後のストーマ閉鎖と腹壁瘢痕ヘルニア修復術を同時に行った。正中創周囲皮下の剥離範囲に皮下ドレーンを留置し、ストーマ閉鎖部は環状縫合の開放創とした。術後、皮下ドレーン留置部位とは別に、ストーマ閉鎖創周囲に広範な感染性漿液腫を生じた。環状縫合部から漿液腫内にドレーンを留置した上で局所持続吸引療法を開始した。ドレーンからの排液が消失した後に、ドレーンを滅菌スポンジに置換してNPWTへと移行したところ、術後30日目に上皮化して治癒した。

    【考察と結論】ストーマ閉鎖創に漿液腫を合併した複雑な創部には、持続吸引療法からNPWTへ移行する本療法が有用と考えられ、本症例でも良好な創治癒が得られた。

研究報告
  • 石久保 雪江, 神村 啓恵, 影山 葉子
    2022 年 38 巻 2 号 p. 68-77
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/06/01
    ジャーナル フリー

    【目的】本研究の目的は、傍ストーマヘルニアを併発した高齢男性患者の悩みとその対処を明らかにすることである。

    【方法】傍ストーマヘルニアを併発した高齢男性患者5人に半構造的面接を行い、質的帰納的にカテゴリ化した。

    【結果】患者の悩みは【腹部膨らみへの戸惑い】、【ストーマ管理の困難さ】、【食欲に伴う体重コントロールの大変さ】、その対処は【傍ストーマヘルニアを隠すための洋服の工夫】、【ストーマ外来の活用】、【食事・運動の工夫】が抽出された。患者は腹部の膨らみに驚き医師に相談し、病気でないことを知り安心するが、膨らみは改善しないこと、手術しても再発リスクがあり、傍ストーマヘルニアを抱えた生活を余儀なくされ、対処として洋服の工夫や体重コントロールを図っていた。またストーマ管理の困難さが、傍ストーマヘルニアの受け入れに影響していた。

    【結論】傍ストーマヘルニア発症の可能性を念頭においた患者教育・支援を実施していくことの重要性が示唆された。

地方会抄録(地域研究会記録)
編集後記
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