日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2434-3056
Print ISSN : 1882-0115
35 巻, 3 号
35巻3号(通巻97号)
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
原著
  • 茂野 敬, 伊井 みず穂, 梅村 俊彰, 安田 智美, 印幡 香, 道券 夕紀子
    2019 年 35 巻 3 号 p. 73-84
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/12/05
    ジャーナル フリー

    【目的】ストーマケアに関して、施設間および職種間の相違を明らかにする。

    【方法】富山県内の介護サービス施設・事業所に従事する看護職、介護職を対象に、ストーマケアへの関心・意欲、その理解度・実施状況を、質問紙調査票で調査した。

    【結果】看護職105名と介護職209名から回答が得られた(回答率:35.8%)。ストーマケアへの関心・意欲、その理解度・実施状況のすべてにおいて、看護職、介護職ともに施設間で有意差を認める項目が見られた。また、看護職に比して介護職のストーマケアの理解度は低かった。

    【考察・結論】介護サービス施設や事業所に従事する看護職と介護職のストーマケアへの関心・意欲、その理解度・実施状況が、施設・事業所や職種によって異なることが明らかとなった。看護職、介護職の各々の役割に応じたストーマケアの知識や技術を学習する機会の提供および各施設におけるストーマトラブル発生時の相談窓口の確保・共有が必要と考える。

  • 大垣 聡子, 玉城 洋子, 楠山 明, 山本 真司, 穴澤 貞夫
    2019 年 35 巻 3 号 p. 85-97
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/12/05
    ジャーナル フリー

    【目的】ストーマ早期合併症と社会復帰時のストーマ管理困難性の関係を検討する。

    【方法】消化管ストーマ造設術後症例を対象に、術後2ヵ月の期間で以下3項目の関係を検討した:(1)ストーマ早期合併症、(2)社会復帰時の装具装着部状況、(3)改訂版ストーマ管理度分類(A、B、Cの順に管理が容易)によるストーマ管理困難度。

    【結果】40例中29例(72.5%)に56件の合併症を認めた。合併症が高度な程、装具装着部状況が不良な割合が有意に高かった。管理度A、B、Cの割合は、無合併症群で91%、9%、0%に対して、合併症有り群で45%、31%、24%と、合併症があると管理困難性が有意に高かった(P=0.028)。また合併症の程度による違いに関しては、管理度A、B、Cの割合は、軽度群で83%、17%、0%に対して、高度群で35%、35%、30%と、その差は有意ではないが、合併症高度群の方が、管理困難性が高い傾向を認めた(P=0.089)。

    【結論】ストーマ早期合併症がストーマ管理困難性を高めることを確認した。

  • 清政 一二三, 前川 厚子, 後藤 百万, 中村 千香子
    2019 年 35 巻 3 号 p. 98-109
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/12/05
    ジャーナル フリー

    【目的】骨盤内腫瘍でストーマ造設術を受ける患者の睡眠状態に関する基礎的データを得る。

    【方法】骨盤内腫瘍で手術を予定している入院患者を対象に、手術前日から術後7日目まで睡眠計を用いて睡眠状態を記録した。また不眠の自己評価表、HADS、ICDSCを用いて、不眠感、不安感、せん妄に関しても調査した。

    【結果】対象は13名(年齢中央値69歳、全例男性)でストーマ保有者8名、非保有者5名であった。ストーマ保有者において手術後の睡眠は、術前に比較して延長しており、手術後4日目には、睡眠の前半に深睡眠が出現し、レム睡眠が2~5回程度出現する一般的な睡眠のパターンに近づいた。ストーマ保有者と非保有者との比較では、睡眠時間、睡眠パターンの変化からの回復に差はみられなかったが、中途覚醒については、ストーマ保有者ではストーマケアによる覚醒がみられた。

    【結論】骨盤内腫瘍でストーマ造設術を受ける患者の睡眠状態が、ある程度明らかになった。

地方会抄録(地域研究会記録)
正誤表
編集後記
feedback
Top