日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2434-3056
Print ISSN : 1882-0115
最新号
38巻3号(通巻106号)
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文献紹介
特集 ビデオシンポジウム 「ストーマの造設と管理 ―われわれのやり方―」
  • 船橋 公彦, 山田 陽子
    2022 年 38 巻 3 号 p. 102
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/12/01
    ジャーナル フリー
  • 岡田 大介, 伊藤 貴典, 山名 哲郎, 積 美保子
    2022 年 38 巻 3 号 p. 103-108
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/12/01
    ジャーナル フリー
    電子付録

    【目的】当院のストーマ造設法を動画にて供覧してポイントを解説するとともに、そのストーマ造設法で発生したストーマ合併症に関して検討する。

    【ストーマ造設法の要点】1)必ず術前にストーマサイトマーキングを行う。2)皮下脂肪は原則切除せず、腹直筋前鞘に2横指が通る程度(約4cm)の縦切開を置く。3)ストーマ腸管を腹腔内経路、経腹直筋的に体外に挙上する。4)縫合時筋膜固定は行わない。ストーマの上下左右4方向は腸管の漿膜筋層も拾い、3点固定とする。5)ストーマの高さは1.5~2cmとし、ループストーマでは粘液瘻側も5mm以上の高さを保つ。

    【結果】2016~2020年のストーマ造設患者は563例で、年齢中央値52.3歳、男性370例であった。ストーマ合併症のために12例(2.1%)で再手術を要し、その内訳は傍ストーマヘルニア8例、ストーマ陥没2例、ストーマ脱出1例、ストーマ周囲膿瘍1例であった。

    【結論】手術成績は比較的良好であったが、患者にとってストーマは術後の生活を大きく左右するため、管理しやすいストーマ造設のために外科医は手技向上に努めるべきである。

  • 伊藤 貴典, 岡田 大介, 積 美保子, 山名 哲郎
    2022 年 38 巻 3 号 p. 109-115
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/12/01
    ジャーナル フリー
    電子付録

    【目的】当院におけるストーマサイトマーキング(SSM)の実際を動画で供覧して解説するとともに、その患者背景を検討する。

    【SSMの要点】体型や腹壁の変化を予測し、患者自身で目視とストーマ装具貼付可能な場所を選択する。炎症性腸疾患では、1ヵ所のSSMではストーマ造設が困難な場合があるため複数ヵ所のSSMを行う。腹腔鏡手術では、カメラポート位置を考慮してSSMを工夫する。

    【検討方法】2020年1~12月に当院で消化管ストーマ造設を受けた患者を対象に、診療録からSSMの実施状況と患者背景を後方視的に検討した。

    【検討結果】対象患者は111例で、平均年齢53.1±15.7歳、男性72例(65%)で、全例で術前にSSMを実施していた。原疾患の内訳は悪性腫瘍29例(26%)、非悪性腫瘍82例(74%)で、非悪性腫瘍の方が若年で、緊急手術、開腹手術、複数回手術が多く、右下腹部での小腸ストーマが多かった。

    【結語】医師、病棟看護師、皮膚・排泄ケア認定看護師による協働と、患者の退院後の日常生活を見据えた長期的な視点でのSSMが重要と考える。

  • 川原 大輔, 池田 真弓
    2022 年 38 巻 3 号 p. 116-120
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/12/01
    ジャーナル フリー
    電子付録

    【目的】当院におけるストーマサイトマーキング法とストーマ造設法を動画で供覧するとともに、その方法で造設したストーマにおけるストーマ関連合併症に関して検討する。

    【方法】2012年1月から2016年12月に当科でストーマを造設した患者を対象にストーマ関連合併症に関して、患者因子と手術因子の面から後方視的に検討した。

    【結果】対象患者は77例で、年齢中央値は70歳(範囲44-93)、男性54例(70.1%)であった。そのうち31例(40.3%)にストーマ関連合併症を認め、ストーマ脱出(10.4%)が最も多く、続いてストーマ周囲皮膚障害(9.1%)、傍ストーマヘルニア(9.1%)であった。ストーマ関連合併症の発生率は、結腸ストーマの30.0%に対して回腸ストーマは59.3%と有意に高かった(p=0.016)。

    【結語】回腸ストーマはストーマ関連合併症の危険因子であった。ストーマ関連合併症を減らすには、ストーマ造設手技の工夫やストーマケアチーム介入によるストーマ管理が重要と考える。

  • 秋山 泰樹, 山田 陽子, 三好 綾子, 永田 淳, 鳥越 貴行, 平田 敬治
    2022 年 38 巻 3 号 p. 121-126
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/12/01
    ジャーナル フリー
    電子付録

    【はじめに】ストーマ造設術における周術期の創傷管理は、ストーマからの排泄物による術創への汚染回避が重要である。今回、当院での周術期管理の工夫を報告する。

    【パウチングを重視したストーマサイトマーキングと手術】ストーマサイトマーキング(以下、マーキング)の原則に加え、特製マーキングディスクを用いて、マーキング位置をポート創も含めて手術創予定部から5cm以上離す。ストーマ造設時は、創部を埋没縫合後に皮膚表面接着剤で密閉し、TMPスーチャリング®(東海メディカルプロダクツ社)を用いて、粘膜皮膚移植が生じないよう注意する。

    【まとめ】周術期の創傷管理では、ストーマ創と手術創の位置関係や距離、各創の大きさなどのデザインが重要である。当院での周術期管理の要点は、特製ディスクを用いた創部から5cm以上離したマーキング、腹腔鏡手術でのストーマ・トンネル作成時の気腹解除、ストーマ造設時の創部埋没縫合と皮膚表面接着剤による創部の密閉、TMPスーチャリング®による運針の容易化である。

原著
  • 古川 智恵
    2022 年 38 巻 3 号 p. 127-136
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/12/01
    ジャーナル フリー

    【目的】本研究の目的は、ストーマ保有者の健康関連Quality of Life(以下、QOL)とストーマ関連合併症および睡眠障害との関連を検討することである。

    【方法】大阪府のオストメイト社会適応訓練事業に参加し、大腸がんによりストーマを造設した182名を対象に、その属性、ストーマの現状と合併症、睡眠障害およびQOLを検討した。QOLの関連要因は多変量解析(強制投入法)で分析した。

    【結果】有効回答数は133名(有効回答率:73.1%)で、平均年齢68.5歳、女性79名(59.4%)であった。ストーマ保有者のQOLが高い関連要因は、身体的サマリースコアでは「皮膚障害なし」で、精神的サマリースコアでは「就寝中の排泄物の漏れなし」と「睡眠障害なし」であった。

    【結論】ストーマ保有者のQOLを高めるためには、皮膚障害や就寝中に排泄物の漏れを起こさないストーマの局所ケアを行うことはもちろん、ストーマ保有者が安心して睡眠がとれるように、睡眠障害の関連要因を検討する必要性が示唆された。

  • 若林 久美子, 梶本 徹也, 良元 和久, 坪井 一人, 柏木 秀幸
    2022 年 38 巻 3 号 p. 137-144
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/12/01
    ジャーナル フリー

    【目的】緊急ストーマ造設術におけるストーマ早期合併症の危険因子を抽出し、外科医師のストーマ作成の現状を把握する。

    【方法】2010年7月~2015年6月に緊急消化管ストーマ造設術を施行した症例を対象に、ストーマ早期合併症に関して後方視的に検討した。合併症発生群と非発生群間の比較による多変量解析で独立危険因子を抽出した。外科医師を対象にストーマ作成に関するアンケート調査を実施した。

    【結果】症例は206例(平均年齢71.8歳、男/女:108/98)で、ストーマ早期合併症が80例(38.8%)に発生し、ストーマ粘膜皮膚離開59例(28.6%)、ストーマ壊死21例(10.2%)であった。その独立危険因子は高血圧症と後期レジデント医執刀であった。アンケート調査では、腹壁貫通孔の作成方法や抜糸に関して医師間で相違を認めた。

    【結論】緊急手術におけるストーマ早期合併症を防止するには、高血圧症に注意するとともに、ストーマ造設手技や後期レジデント医への指導方法を外科医師間で統一する必要性が示唆された。

総説
  • 高橋 賢一
    2022 年 38 巻 3 号 p. 145-153
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/12/01
    ジャーナル フリー

    低位前方切除術など直腸疾患に対する括約筋温存手術の際には、しばしば一時的ストーマ造設が行われ、ループ式回腸ストーマかループ式結腸ストーマが選択される。それぞれの適応、問題点や注意点について過去の報告に基づいて検討した。回腸ストーマでは、造設中のhigh output syndromeやそれに伴う脱水、腎障害、ストーマ周囲皮膚障害、閉鎖後の腸閉塞が有意に多いことが報告されており、これら合併症のリスクの高い症例では結腸ストーマの造設を考慮することも選択肢と考えられた。また結腸ストーマでは、造設中のストーマ脱出や傍ストーマヘルニア、閉鎖後の腹壁瘢痕ヘルニアが有意に多いことが報告されており、主な原因である貫通孔の大きさを必要最小限とする工夫や、リスクの高い症例では回腸ストーマの造設を考慮することも選択肢であると考えられた。以上、回腸ストーマ、結腸ストーマにはそれぞれ一長一短があり、それぞれの利点を生かせるような使い分けが重要と考えられた。

研究報告
  • 川村 美紀子, 綿貫 恵美子, 小山 幸代
    2022 年 38 巻 3 号 p. 154-162
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/12/01
    ジャーナル フリー

    【目的】直腸がん切除術後に一時的回腸ストーマ閉鎖術を受けた患者の排便障害の実態と関連要因について検討する。

    【方法】対象は、直腸がん術後に一時的回腸ストーマ閉鎖術を受けた後、2018年4月~2020年9月に初回外来を受診した患者である。排便障害は、「排便障害評価尺度ver.2(12点:排便障害なし~60点:高度排便障害)」を用いて聞き取り調査した。関連要因は、聞き取りおよび診療録にて調査した。

    【結果】解析対象は52名で、年齢中央値65.5歳(範囲:32~86)、男性31名(59.6%)であった。中央値として排便回数は10回、尺度合計は35.5点、下位尺度「便の保持と排泄」が25.0点、「つきまとう便意」が9.0点であった。下位尺度「便の保持と排泄」は、括約筋間直腸切除術(ISR)の28.0点が超低位前方切除術(vLAR)の21.5点より有意に高く、「つきまとう便意」では、低位前方切除術(LAR)の11.0点がvLARの7.0点よりも有意に高かった。

    【結論】初回外来受診までの期間には、ISRでは便の貯留や保持、我慢が難しいなどの排便障害があり、LARでは排便のリズムや残便感などの知覚の変化による苦痛が明らかになった。術式により、排便回数、便貯留機能、肛門収縮機能、知覚機能などの変化に伴う症状を把握しつつ相談にのる工夫が必要である。

実践報告
  • 柴崎 真澄, 熊谷 英子, 舟山 裕士, 大網 さおり, 大内 淑子, 小野 友美, 木幡 真利子, 蛭田 理絵, 村田 博子, 石川 奈津 ...
    2022 年 38 巻 3 号 p. 163-176
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/12/01
    ジャーナル フリー

    【目的】高齢ストーマ保有者の抱える問題に対応できる在宅看護師の育成を目的に開催した「在宅看護師のためのストーマケア講習会」に関して、その意義と今後の課題を検討する。

    【開催概要】在宅看護師用の学習目標とカリキュラムを立案した。対象は宮城県・福島県の在宅看護師。ストーマ造設疾患、晩期合併症、ストーマスキンケア、ストーマ用品、日常生活での問題・支援に関する講義と演習を1日で実施した。

    【方法】受講者を対象に、講習会受講前後にアンケート調査を行った。

    【結果】受講者は54名で、受講前アンケートは51名から回収でき(回収率94.4%)、受講後アンケートは54名から回収できた(回収率100%)。受講理由は「知識・技術の向上」が87%と最多で、ストーマケアで88.9%が困った経験をしていた。講義時間は75.9%が適切、講義内容は87%が理解でき、演習内容は85.2%が理解できた。受講目的を92.6%が達成し、92.6%が講習会に満足していた。

    【結論】受講後の知識・技術の習得と満足度は高く、講習会の必要性が示唆された。カリキュラムと日程、開催地区の検討が今後の課題である。

地方会抄録(地域研究会記録)
編集後記
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