日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2434-3056
Print ISSN : 1882-0115
31 巻, 2 号
31巻2号(通巻84号)
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
表紙
学会総会報告
学会賞報告
委員会報告
原著
  • 槌野 正裕, 荒川 広宣, 山下 佳代, 石井 郁江, 山田 一隆, 高野 正博
    2015 年 31 巻 2 号 p. 23-28
    発行日: 2015年
    公開日: 2020/07/17
    ジャーナル フリー

    【目的】排便に適した姿勢に関して、排便姿勢の違いが肛門直腸角(ARA:anorectal angle)と疑似便の排出量に及ぼす影響について検討したので報告する。

    【対象と方法】Defecographyを行った症例の中で、前屈座位と伸展座位によるARA、仙骨の傾きを撮影された静止画像から計測し、排便困難例では疑似便の排出量を比較した。

    【結果】ARAは伸展座位で114.1°±21.0°、前屈座位で134.6°±16.8°、仙骨の傾きは84.9°±10.8°、92.4°±10.7°、排出量は90.1g±82.0g、140.7g±93.3gであり、有意に前屈座位の方がARAと仙骨の傾きが大きく、排出量が多かった。

    【考察】前屈座位は骨盤が後傾し、仙骨はうなずくため、排出時にARAが鈍化し、排出量が多くなるため、排便に適した姿勢であると考えられる。

  • 板橋 道朗, 小林 和世, 船橋 公彦, 大村 裕子, 山田 陽子, 高橋 賢一, 赤木 由人, 相澤 卓, 前田 耕太郎
    2015 年 31 巻 2 号 p. 29-34
    発行日: 2015年
    公開日: 2020/07/17
    ジャーナル フリー

     2012年のマーキングの保険収載前後の臨床現場における変化を明らかにすることを目的とした。2010年から2014年までの認定講習会の受講申込者は、8,225名、修了者数は、6,288名で、1年の受講申込者、修了者数は、収載前と比較して1.35倍、1.16倍に増加していた。修了倍率は、年平均1.28倍で、収載前の1.21倍に比べ収載後は1.41倍に増加していた。認定講習会修了者からのアンケートでは、医師、看護師の協力が得られるようになったのは54%、68%であった。術前のマーキング比率が上がったのは55%、ストーマに関わる機会が増加したのは72%であった。

     講習会参加への職場の理解が得られるようになったのは68%であった。マーキングの保険収載は効果的に臨床現場に影響していた。

症例報告
  • 吉田 和枝, 大川 恵美, 稲垣 磨奈美, 大山 泰代, 林 智世, 林 恵里, 森 美穂子, 川瀬 純子, 薮木 彩子, 大野 佳子, 祖 ...
    2015 年 31 巻 2 号 p. 35-40
    発行日: 2015年
    公開日: 2020/07/17
    ジャーナル フリー

     東日本大震災が起きて4年が経った今、巨大地震が起こると言われている東海地区にあるM県のストーマ保有者の災害対策および課題を明確にすることを目的にアンケート調査を行った。その結果、回収423名(回収率60.4%)であり、対象のストーマ保有者の装具の備蓄については、4割未満であった。また、患者会への入会が少ないこと、かかりつけ医療機関のストーマ外来の受診があるにも関わらず、災害に対しての準備と情報が少ないこと、災害時の装具の調達や装具交換について、トイレ事情などに不安を持っていることが明らかとなった。今後は、県内の皮膚・排泄ケア認定看護師や自治体とも連携してストーマ保有者に視覚に訴えるような情報提供をする必要があることが示唆された。

地方会抄録(地域研究会記録)
編集後記
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