Medical Imaging Technology
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32 巻, 4 号
MEDICAL IMAGING TECHNOLOGY
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
特集/ CT の被曝低減化
  • 縄野 繁
    2014 年 32 巻 4 号 p. 237-238
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/09/18
    ジャーナル フリー
  • ―統計的画像再構成,逐次近似画像再構成,圧縮センシングの基礎―
    工藤 博幸
    2014 年 32 巻 4 号 p. 239-248
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/09/18
    ジャーナル フリー
    低被曝を実現するCTの構成方式として低線量CT・スパースビューCT・インテリアCTの3つが考案され,現在おのおのに対応した画像再構成法の研究開発が進められている.本論文では,線量を小さくして投影データ測定を行う低線量CTにおいて採用され始めている統計的画像再構成法(逐次近似画像再構成法ともよばれる),方向数を削減して投影データ測定を行うスパースビューCTの画像再構成法として期待されている圧縮センシング,の2つについて基礎を解説する.
  • 石原 陽太郎
    2014 年 32 巻 4 号 p. 249-254
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/09/18
    ジャーナル フリー
    X線CTを用いた画像診断は臨床上非常に有用であるが,原理上放射線被曝による人体への悪影響は避けられない.本稿では最近導入されたGE Healthcare社における被曝低減技術の機能を2つ解説する.1つ目の機能は,高い放射線感受性をもち,かつ,体の表面に位置する部位における被曝を選択的に低減する「Organ Dose Modulation」とよばれる機能である.この機能は自動露出機構の一種であり,操作者が設定した放射線高感受性の部位において,管電流を低減することで実現される.2つ目の機能は,心臓を撮像する際の設定を補助する,「Snapshot Assist」とよばれる技術である.この機能は被験者のbody mass index(BMI)と撮像前の心拍を用いて,撮像時における適切な撮像条件を自動的に設定する機能である.この機能により,BMIが小さい場合は自動的に管電圧や管電流を小さく設定することが可能であり,被曝低減が可能である.
  • 村松 禎久, 石垣 陸太, 篠崎 雅史, 花井 耕造
    2014 年 32 巻 4 号 p. 255-260
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/09/18
    ジャーナル フリー
    本稿は,CTの線量管理として,米国で先駆的に実施されているACR-DIR(American College of Radiology-Dose Index Registry)の概略を述べた.また,本邦におけるDIRの現況について,ACR-DIRソフトウェアの試用経験からその有効的な活用方法と問題点,そして肺がんCT検診の精度管理にDIRを応用し,開発を進めているCADIシステムについて述べた.CADIは,CTの線量管理機能だけでなく,画質管理機能も有していることが特徴の一つである.東日本大震災を通じて,多くの国民が放射線を,そして放射能を怖がり不安を募らせている.ビッグデータの解析は,さまざまな場面で有効的に活用されている.しかし,ビックデータつまり医療被曝の履歴がなければ何も始まらない.国際社会の枠組みに同調し,本邦によるDIRシステム,ひいては国家的な放射線のデータ管理の確立に期待したい.
  • 西村 仁, 金子 将, 廣戸 春樹, 田仲 隆, 縄野 繁
    2014 年 32 巻 4 号 p. 261-266
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/09/18
    ジャーナル フリー
    逐次近似応用再構成(Adaptive Iterative Dose Reduction 3D: AIDR 3D)によるX線被曝低減が期待されるが,効果をどの程度にするかは各施設でさまざまである.本稿では320列CTとファントムを使用し,CT値と空間分解能とノイズ特性を,フィルタ補正逆投影法(filtered back projection: FBP)とAIDR 3Dで評価し,同等画質となる設定を検討した.実験結果ではAIDR 3D Mild・指定SD 15が限界値であることが判明したが,運用では画質に余裕をもたせて指定SD 14を採用した.なお,これによるX線被曝はCTDIvol換算で50%低減した.
  • 桂 正樹, 大友 邦
    2014 年 32 巻 4 号 p. 267-271
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/09/18
    ジャーナル フリー
    CTの画像再構成は,被写体で吸収され検出器へ届いたX線の測定データから正解(被写体の吸収値分布)を求める,という逆問題を解くことである.近年,逐次近似再構成法やその類縁技術が画期的な被曝低減手法として注目され,急速に臨床現場で普及しつつある.本稿では各種再構成法の特徴やその臨床的有用性について,従来のフィルター補正逆投影法との比較を交えつつ概説する.
研究論文
  • 菅沼 雅徳, 長尾 智晴, 田村 学, 村垣 善浩, 伊関 洋
    2014 年 32 巻 4 号 p. 272-281
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/09/18
    ジャーナル フリー
    近年,手術室から得られる動画像記録やセンサ情報を用いた手術工程解析の研究が,手術の洗練化や術者の技術評価などの目的で注目されている.本研究では,覚醒下脳腫瘍摘出術の皮質マッピング工程を対象に解析を行うことを目的とする.覚醒下脳腫瘍摘出術では,皮質マッピング工程が患者の術後障害リスクに大きな影響を与えるため,その工程の解析が求められているが,電気刺激位置などの工程解析に重要な情報を動画像記録から人手で抽出することは大きな労力を必要とする.そこで本論文では,皮質マッピング工程の動画像記録から解析に必要な電気刺激位置を自動検出する手法を提案する.提案手法は,電気刺激を行う電極先端位置の検出と,どのフレームで電気刺激を行ったかを判定する電気刺激終了タイミング検出の2段階から構成されている.本論文では提案手法を6症例の皮質マッピング工程の動画像記録に適用し,提案手法の有効性を示す.
  • 近藤 敏志, 大宮 淳, 遠間 正真, 松本 悠希, 早田 啓介, 田路 文平
    2014 年 32 巻 4 号 p. 282-301
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/09/18
    ジャーナル フリー
    動脈硬化の診断に,頸動脈エコー検査が広く用いられている.本論文では,頸動脈エコー検査を想定し,従来の一次元プローブを用いて頸動脈全体を走査して得た超音波画像から,頸動脈壁の三次元構造を再構成するシステムを提案する.本システムではプローブに光学マーカを装着し,マーカを単眼カメラで撮影することによりプローブの三次元位置姿勢を推定する.得られたプローブの三次元位置姿勢と超音波画像から抽出した頸動脈輪郭とを関連付けることで,頸動脈の三次元構造を構築する.実験により,プローブの三次元位置推定は1mm以内の誤差に収まること,頸動脈の三次元像の再現性は中心線および外膜輪郭が1mm以内の誤差に収まることを確認している.さらに提案システムを用いた診断支援方法として,IMT(intima-media thickness: 内膜中膜複合体厚)計測ナビゲーション機能を提案する.
講座
  • 稲井 邦博, 法木 左近, 西島 昭彦
    2014 年 32 巻 4 号 p. 302-306
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/09/18
    ジャーナル フリー
    本邦における遺体の観察は奈良時代に始まり,西洋医学の発展に伴うマクロ解剖学を経て,現在のオートプシー・イメージング(autopsy imaging: Ai)に繋がっている.Aiの歴史は10年あまりにすぎないが,数年後には解剖総数を上回るような勢いで普及しつつある.Aiの実施形態は,死亡全例にAiを行い,死因究明された症例を除いて解剖を実施するAi学会方式,病理解剖・法医解剖の補助として活用されるケース,そしてAiと解剖をパッケージとして実施し,解剖が承諾されない症例にAiを実施する「福井大学方式」が知られるが,解剖医が常駐する施設が少ないため,Aiは施設の実情に合わせて施行されており標準化されていない.今後,解剖件数が劇的に回復することが期待できない中,欧州ではminimally invasive autopsy(MIA: 低侵襲解剖)が模索されており,本邦でも医用画像工学と病理学が連携して新たな解剖技術の創設が求められる可能性がある.
研究室訪問
日本医用画像工学会
編集後記
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