マテリアルライフ学会誌
Online ISSN : 2185-7016
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ISSN-L : 1346-0633
22 巻, 3 号
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解説
報文
  • 池田 俊之, 伊藤 秀己, 島根 則明, 梅崎 直人, 今井 秀秋
    2010 年 22 巻 3 号 p. 123-132
    発行日: 2010/09/30
    公開日: 2021/05/08
    ジャーナル フリー

    建築用ポリウレタン系シーリング材の耐候性評価技術に関し,化学組成に基づく劣化評価法の検討を行った.屋外の劣化現象を再現できる促進劣化条件を検討した結果,80℃,相対湿度5%RHの条件が最適であり,その促進劣化倍率は屋外暴露の約16倍であることが分かった.架橋構造を有するポリエーテル系ポリウレタンシーリング材の化学的な劣化評価を行うために,可塑剤,未架橋ポリウレタンおよび架橋ポリウレタンの組成の定量的な分析フローを確立し,屋外暴露試料と促進劣化試料の劣化状態を評価した.その結果,ポリエーテル系ポリウレタンシーリング材の劣化は,主に可塑剤の減少と架橋構造が分解した未架橋ポリウレタンの増加であることを明らかにした.さらに,劣化が進んだ試料をPy-GC/MS測定すると,ジイソプロピルエーテルの生成量が増加することが分かり,ポリエーテル部の酸化開裂が進行することにより架橋構造が分解することが示唆された.

  • 星村 義一
    2010 年 22 巻 3 号 p. 133-137
    発行日: 2010/09/30
    公開日: 2021/05/08
    ジャーナル フリー

    ポリエチレン樹脂(PE)は,電気的特性に優れ,絶縁材料などに広く利用されている.このPEに炭酸リチウム(Li2CO3)を添加したLi2CO3添加PEは,分子鎖のトランス鎖がゴーシュ鎖に変化してマルタの十字が消滅していることが確認された.このゴーシュ鎖に変化することによるPE の耐酸化性について,熱分解ガスクロマトグラフィー(Py-GC)法により熱分解発生ガスを調べた.このことから,Li2CO3の添加によるPEのCOガス発生量は無添加PEより減少し,酸化抑制効果がわかった.さらに,加熱処理(110℃,1~5時間)においても,Li2CO3添加試料はCOガスの発生量が無添加PEより減少し,酸化抑制効果があることが推測される.今回の研究で検討したPE試料の中では1.0phr添加したPEはCOのガス発生量が最も少なく,酸化抑制に大きな効果があることが確認された.Li2CO3を添加したPEは,PEの分子鎖などの変化による耐酸化性などの改善効果が期待される.

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