陽イオン界面活性剤は古くから抗菌剤として利用されており,近年ではジェミニ型のものが多く開発されている.しかし,それらは耐熱性および抗菌力の持続性が低いことにより,抗菌剤としての用途が限られてしまう.そこで本研究では,ジェミニ型陽イオン界面活性剤をリン酸ジルコニウムと複合化することで,これら性能の向上を図った.その結果,複合体はE. coliに対して優れた抗菌活性を保持していた.また,ジェミニ型陽イオン界面活性剤がリン酸ジルコニウムの層間に保持されることにより,耐熱性が向上することが分かった.さらに,リン酸ジルコニウムにインターカレートされたことでジェミニ型陽イオン界面活性剤に徐放性が付与され,抗菌性能の持続性も向上した.したがって,ジェミニ型陽イオン界面活性剤の抗菌剤としての用途拡大が期待される.
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