マテリアルライフ学会誌
Online ISSN : 2185-7016
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22 巻, 2 号
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解説
  • 猿山 靖夫
    2010 年 22 巻 2 号 p. 43-47
    発行日: 2010/05/31
    公開日: 2021/05/08
    ジャーナル フリー

    温度変調DSCは,従来から使われている定速昇降温のDSCに比較して,多くの新しい機能を実現している.これまでの多くの研究によりその有用性は明らかになっているが,実際の研究に用いる場合には,測定条件の設定,データ解釈など,いろいろな点で困難に直面する.本稿では,温度変調DSCにより新たに可能になった熱分析手法について,そのような方法が可能となった理由の説明と共に,実例を示しながら紹介する.

  • 斎藤 拓
    2010 年 22 巻 2 号 p. 48-53
    発行日: 2010/05/31
    公開日: 2021/05/08
    ジャーナル フリー
  • 皆川 雅朋
    2010 年 22 巻 2 号 p. 54-58
    発行日: 2010/05/31
    公開日: 2021/05/08
    ジャーナル フリー

    Degradation occurs at different temperature when the heating rate is changed.  This heating rate depend-ence of the degradation temperature (Td) is quite natural from a point of view of physical chemistry.  When the Td was plotted again the heating rate in a semi-logarithmic scale, a linear straight line was generally obtained.  (1) This straight line shifted toward downward, when oxygen existed in an atmosphere.  The ex-tent of the shift was closely related to the type of degradation pattern (random scission, depolymerization) of each polymer.  It was in the following order : isotactic PP>PE>PSt>PMMA>P (aM) St.  Thus, oxygen showed a degradation promoting effect, the extent of which was larger in the former than in the latter polymer.  (2) In the case of elimination type of polymers (PVC, PVA), however, two lines crossed over in this temperature region.  (3) In the case of reaction of side groups (PAN), further, the latter line shifted toward upward di-rection.  That is, oxygen showed a remarkable retarding effect.  We can designate these oxidative degrada-tion pattern : parallel (−), cross-over type, and parallel (+) type-relationship.

報文
  • 東 泰, 渡辺 真, 中谷 久之, 竹田 英俊
    2010 年 22 巻 2 号 p. 59-63
    発行日: 2010/05/31
    公開日: 2021/05/08
    ジャーナル フリー

    長期の屋外暴露試験による劣化が衝撃強度に与える影響を評価するため,耐候剤を添加したポリプロピレン(PP)と添加しないPPを3年間にわたる屋外暴露試験により劣化させ,高速引張試験に供すると同時に,その破面観察と表面観察およびSAICASによる板厚方向の強度分布測定を行った.その結果,耐候剤を添加したPPは3年間の屋外暴露でも衝撃強度が低下しないのに対し,耐候剤を添加しないPPはいずれの試験・観察においても暴露期間の早期のうちに劣化が生じていた.また,特にSAICASによる斜め切削試験が劣化を最も早く検出することが明らかになった.

  • 宮原 康弘, 渡邉 佑典, 上野 智永, 山下 武彦, 水野 孝志郎, 石川 朝之, 武田 邦彦
    2010 年 22 巻 2 号 p. 64-71
    発行日: 2010/05/31
    公開日: 2021/05/08
    ジャーナル フリー

    建築材料として使用されるポリウレタン発泡体およびスギ材を対象として燃焼性および熱分解特性について検討を行った.ポリウレタン発泡体は急速に燃焼するのに対して,スギ材では燃焼継続時間が極めて長いことが見られた.また燃焼試験時の燃焼速度を測定した結果,理想的に同一質量のポリウレタン発泡体と木材が燃えた場合,ポリウレタン発泡体の方が発熱量は大きな材料であることが示唆された.熱分解特性についてみると,熱重量測定ではポリウレタンの原料であるイソシアネート,ポリオールの種類によって重量減少曲線が非常に大きく異なっており,スギ材はそれらの中間の挙動を示した.熱分解生成物については,ポリウレタン発泡体の場合には原材料であるポリオールやポリエーテルに由来した分解生成物が同定され,またイソシアネート末端がアミンに置換された生成物なども多く観測された.一方,スギ材では木材の主成分を占めるセルロースやリグニン由来の分解生成物が観測され,特にアセトアルデヒドヒドロオキシの生成量が多く見られた.

  • 吉本 克彦, 吉村 治, 加納 重義
    2010 年 22 巻 2 号 p. 72-76
    発行日: 2010/05/31
    公開日: 2021/05/08
    ジャーナル フリー

    ポリビニルピロリドンを含む透明なインク受容層をポリエステルフィルム上に調製した.この被記録材の350~800nmにおける吸光度は0.01未満であり,ほとんど吸収がみられなかった.被記録材を水に14日間浸漬したところ印刷したカラーパターンに大きな変化はなく,塗膜の剥離ならびに白化は見られなかった.また,促進耐候試験144時間でマゼンタを除くブラック,シアン,イエローの色保持率は50%以上であった.これらの耐性はメラミン-ホルムアルデヒド樹脂の自己縮合反応によるセミ相互貫入高分子網目構造(SIPN)の形成とカルボキシル基を有するモノマーのテンプレート重合によるポリマーコンプレックス形成による親水的かつ緻密なインク受容層の形成を示唆している.

技術報文
  • 数馬 安男, 稲垣 穣
    2010 年 22 巻 2 号 p. 77-85
    発行日: 2010/05/31
    公開日: 2021/05/08
    ジャーナル フリー

    飲料用産業機器は,アルコール含有飲料,コーヒー,果汁飲料,清涼飲料等多様な飲料を製造販売している.これら機器は多くの接液機能部品で構成され,用途に応じて多様な材料が使われている.また,これら部品の多くは耐圧容器として使われることが多く,各種環境下での樹脂材料の劣化による割れの発生,変色,膨潤等により種々の問題が生ずることがある.本研究では,まず,過去に多用されていたポリカーボネートに対するシロップによる影響を調べ,つぎに,近年多く使われ始めた疎水性ナイロンについて,シロップによる着色度合いと物性変化を調べた.また,飲料用産業機器は焼酎やウオッカ等のアルコール飲料にも使われているため,これらアルコール含有飲料による樹脂材料の膨潤や物性変化について調べた.

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