アンサンブル
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15 巻, 2 号
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特集「観測量と分子シミュレーション」
特別寄稿
最近の研究から
  • 小串 典子
    2013 年 15 巻 2 号 p. 111-115
    発行日: 2013/04/30
    公開日: 2014/04/30
    ジャーナル フリー
    生体膜における脂質分子の特徴的な運動の一つが二重膜の上下層を行き来する垂直拡散(flip-flop)運動であり,脂質分子により非常に大きく拡散係数が異なる.こうした脂質分子の運動は膜融合や小胞輸送などの膜の変形や,膜上でのタンパク質の活性などに関与している.本研究では,粗視化モデルをもちいてコレステロール(CHOL),ジアシルグリセロール(PODAG),セラミド(SCER)の3種類の脂質分子のflip-flop 運動について分子動力学計算を用いて調べた.その結果,flip-flop 運動では脂質分子と水の相互作用が本質的に重要であり,同一のリン脂質二重膜中では膜表面における滞在時間の長さに反比例してCHOL >> PODAG > SCER の順にflip-flop 率が高いことが分かった.また,膜の種類によっても異なり,膜の不飽和度が高く流動性が高い膜中ほど高いflip-flop 率を示すことが分かった.
連載
  • V
    志賀 基之
    2013 年 15 巻 2 号 p. 116-119
    発行日: 2013/04/30
    公開日: 2014/04/30
    ジャーナル フリー
    近年の大型並列計算機の発展とともに分子シミュレーションと電子状態計算を統合した第一原理シミュレーションが普及し,国際標準になりつつある.これを用いて,従来では扱えなかった複雑な化学反応動力学や,光吸収や電磁場応答のような電子状態由来の物性などを対象に,さまざまな応用研究が広まっている.本稿では,電子状態理論の基礎をなすHartree-Fock 法について,分子シミュレーションとの接点を少し意識しながら再考したい
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