目的:頭頸部癌に対する咽喉頭全摘術(TPL)後の遠隔転移予測因子を検討した.
対象と方法:2010年から2019年にTPLを行った43例(中咽頭癌4例,下咽頭癌34例,喉頭癌5例)を対象にpT分類,pN分類,節外浸潤の有無,組織分化度,喫煙(Brinkman Index)を評価項目として無遠隔転移生存期間(DMFS)を比較検討した.術後補助療法を行った症例では全治療期間による差についても検討した.
結果:43例中11例に遠隔転移を認め,その内10例は初回治療としてTPLを行った症例であった.両側頸部リンパ節転移群,節外浸潤ありにおいてDMFSは有意に短かった.その他の項目では有意差を認めなかった.
結論:両側頸部リンパ節転移と節外浸潤がDMFS不良の予測因子と考えられた.
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