学校保健の立場から, 児童生徒に対する健康増進と学校医を含む学校教育関係者に対する啓発を行う基礎資料を得ることを目的に, 睡眠時無呼吸症候群の可能性のある小児についての実態調査を行った. アンケートは全国21小学校に配布し, 1年生835名, 5年生703名, 6年生168名の計1,764名から有効回答を得た. アンケートは保護者が記入する子どもの症状と, 担任あるいは養護教諭が記入する耳鼻咽喉科学校医の健診結果からなる. 「イビキを時々かく」, 「いつもかいている」が, 小学1年生ではそれぞれ45.7%, 4.0%, 5年生では40.6%, 3.2%, 6年では35.9%, 2.4%であった. 小学5年, 6年では「いびきをかく群」では「いびきはかかない群」と比較し, 「学習意欲が低下」, 「落ち着きがない」がともにχ
2 検定により, P<0.005で有意差が見られた. また「鼻がよくつまる群」は「鼻のつまりはない群」と比較すると「落ち着きがない」のはp<0.005で有意差が見られた. 小学1年生では有意差は見られなかった. この結果をもとに日本学校保健会では教育関係者に対する啓発資料を作成した.
抄録全体を表示