【目的】1998年から2008年にSeldinger法による大量超選択的動注同時併用放射線療法を施行した口腔扁平上皮癌30例に対して一次治療効果, 有害事象について検討を行った.
【方法】対象は40歳~72歳, 男性23例, 女性7例であった. CS IIが2例, IIIが6例, IVaが17例, IVbが5例であった. 治療終了1カ月後に肉眼所見, 画像所見, 病理組織検査所見を参考に効果判定を行った.
【成績】有害事象はGrade 3以上の骨髄抑制が13.3%, 粘膜炎が57% (Grade 4: 16.7%) にみられた. 一次治療効果はCRが80%, PRが20%, SD, NC例はなく奏功率は100%であった. 動注照射後に手術を施行した9例中, 2例は病理組織学的にCRであり病理学的CR率は86.7%であった
【結論】この治療は有害事象も許容される範囲であり, 局所コントロールの面から見ても侵襲の高い手術を回避できる可能性のある治療法と考えられた.
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