季刊地理学
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45 巻, 1 号
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  • 菊地 立
    1993 年 45 巻 1 号 p. 1-12
    発行日: 1993/03/31
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    気温接地逆転層にともなう高濃度大気汚染の形成過程を明らかにする目的で, 1977年から1979年までの3冬に計6回, 千葉県北西部の住宅地区で夜間の鉛直観測を試みたところ, 晴天の場合はいずれも気温逆転層の構造が深夜に変化することが判明した。夜の前半は気温逆転層が地面に接していて, 約50m以下で強い気温傾度を示した。後半は強い逆転層が50~100mの高度になり, 50m以下ではほぼ等温であった。地上付近に発生源のある大気汚染物質の濃度も気温逆転層の構造に密接に対応し, 気温傾度の大きい気層では濃度の鉛直勾配が大きく, 等温の気層では濃度も一様であった。
    気温逆転層の変化は不連続的現象で, 北よりの低温な風の侵入によって発生する。この北風は始め関東西部の山麓に現れ, 次第に東方へ拡大して深夜に千葉県の調査地域に侵入することが明らかとなった。同様の事例を5年間に渡って検索したところ, 12月の晴天日にはその半数近くの夜に出現していた。
  • 関東地方における畑地利用の場合
    菊地 俊夫
    1993 年 45 巻 1 号 p. 13-29
    発行日: 1993/03/31
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 農林水産省が編集した1965年から1985年までの市町村別耕地面積調査を基本的なデータとし, 関東地方の畑地利用の時間的・空間的な変化とその地域的性格を明らかにすることである。関東地方における普通畑面積の時間的・空間的な増減パターンは, 圏構造性と東西性を合わせもつとともに, 面的な減少パターンと点的な増加パターンが並存していた。このようなパターンは土地条件に基づくものであり, 大都市の都市化の直接的な, あるいは間接的な影響を強く反映したものであった。
    結論的には, 畑地利用における空間的な増加パターンは農業の自立化と衰退化の両方向に分化しながら生じる傾向にあるが, 地域環境の変化や都市化に対する農家の評価と姿勢に基づいて相互に可逆的な性格を内在させている。畑地利用の空間的な減少パターンは都市化や過疎化などにより生じる。減少パターンは自立農業の段階では可逆的で増加パターンに転じる可能性もあるが, 農業の衰退段階では一方向的で増加パターンに転じることはない。
  • 地理学専門誌4種の最近6年間の掲載論文を資料として
    戸祭 由美夫
    1993 年 45 巻 1 号 p. 30-41
    発行日: 1993/03/31
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    本稿の目的は, 地理学体系論に寄与すべく, 現代の地理学研究で用いられている地理学の専門用語を, コンピュータを活用した文献情報処理の手法によって整理することにある。そのために, 以下の2つの作業を行なった。第一に, 最近6年間 (1985~1990) に地理学主要4誌 (『地理学評論』『人文地理』『東北地理』『地理科学』) に収録された552論文のデータを地理学文献情報データベース「CHIRI」へ入力し, その論文タイトルと論文要旨を構成する用語のすべてを索引語自動抽出プログラムによりリストアップして, 5種の用語リストを得た。第二に, これらの用語リストを比較するとともに, 地理学の基本用語, とりわけ「地理 (学)」という用語に焦点をあてて, 既刊の地理学用語辞典の索引と対照しつつ, その有効性を検討した。その結果, (1) 上記の5種の用語リストは地理学用語の整理の資料として有効であり, これをもとに精選・補訂して地理学用語集を編集すれば, 本稿の目的に十分添いうること, (2) とくに複合語の形式で表示される索引語 (b) リストは地理学用語収集の資料として優れた特長をもっているとともに, 地理学研究の現状把握にも極めて役立つこと, の2点を明らかにしえた。
  • 三浦 修
    1993 年 45 巻 1 号 p. 42-44
    発行日: 1993/03/31
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 1993 年 45 巻 1 号 p. 45-77
    発行日: 1993/03/31
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
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