季刊地理学
Online ISSN : 1884-1252
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74 巻, 4 号
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論説
  • 清水 遼, 中谷 友樹, 埴淵 知哉, 磯田 弦
    原稿種別: 論説
    2022 年 74 巻 4 号 p. 159-178
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/11/30
    ジャーナル フリー

     近年,都市における居住者の生活意識や生活行動の地域差が,様々な指標を用いた近隣環境との関連から議論されてきた。しかし,様々な指標との組み合わせによって把握できる総合的な「街の形」の特性は十分に把握できていない。そこで,本研究では仙台都市圏を対象に,居住地域を複数の都市形態指標に基づいて類型化し,近隣の物的形態から日本の居住地域で特徴的な型を抽出した。その上で,社会調査資料により得られた居住地域毎の諸評価の差は個人属性を統制してもなおみられることを確認した。その結果,近隣の物的形態が居住地域の住みやすさに関連していることが明らかとなり,特に高い密度,接続性,アクセス性によって他地域と区別される地区類型,すなわち都心部周辺での居住が地域に対する多面的な高評価と結び付いていることが示唆された。

短報
  • 横山 由奈, 埴淵 知哉, 磯田 弦, 松田 茂樹, 中谷 友樹
    原稿種別: 短報
    2022 年 74 巻 4 号 p. 179-188
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/11/30
    ジャーナル フリー

     「地方創生」が叫ばれるなか,大都市圏からの還流移動(Uターン)者は人口増および地域活性化の担い手として期待されている。しかし,還流移動を促進する出身地の地域特性,つまり,どのような地域であれば戻りたいのかという点についての量的調査は限られている。そこで本研究は,全国の大都市居住者を対象としたインターネット調査データを用いて,将来的な還流移動意思が出身地の地域特性(利便性や子育て環境など)によって異なるのかどうかを定量的に分析した。その結果,利便性や所得水準が高い出身地に対しては還流移動意思が生じやすく,特に女性の場合は都市的地域を強く志向していることが明らかになった。他方で,子育て環境や移住支援制度は正の関連を示さなかったことから,地方への還流移動促進にはより多面的な議論が必要であることが示唆された。

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