シバオサゾウムシの幼虫および成虫を対象に, 昆虫生育制御剤, テフルベンズロンの致死効果および増殖抑制効果を室内試験により検討した。
2令幼虫に対しては, 本剤50ppm液に1分間浸漬したノシバの投与で, 顕著な致死効果が認められた。
成虫に対しては, 本剤50ppm液に10分間浸漬した餌の投与によって顕著な増殖抑制効果のあることが, 3回行ったいずれの試験においても認められた。
玄米を餌として用いた春期および夏期試験においては, 処理区の成虫の産下卵のふ化率は, 無処理区成虫の産下卵のふ化率に比較して顕著に低下した。さらに, ふ化した少数の幼虫も, 死亡率が極端に高かった。
メヒシバを餌として用いた秋期試験においても, 処理区卵のふ化率は著しく低下した。
毒餌を2週間に4回与えた春期試験に例をとると, 処理の影響は35日間にわたって顕著に認められた。
そして, 同期間に得られた卵による次世代成虫密度は, 無処理区の16.2%に減少した。
本剤処理によって多発したふ化不全卵は, 胚子の発育は認められたが, 幼虫が卵殻から脱出することができなかった。また, 脱出した若干の幼虫も, 索餌, 摂食などの活動力に欠くため, ふ化後間もなく死亡した。
なお, 本剤の成虫に対する致死作用は, 供試した薬量の範囲においては認められなかった。
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