芝草研究
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9 巻, 1 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 斎藤 全生
    1980 年 9 巻 1 号 p. 5-12
    発行日: 1980/04/30
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    (1) 森林限界の最高所は山梨県側では前谷沢頭の標高2, 900m, 静岡県側では小沢の標高2, 860mである。
    (2) 森林限界付近の森林はカラマツ林, ダケカンバ林, ミネヤナギ低木林, ミヤマハンノキ低木林の4つに分けることが出来る。侵入当初のカラマツは匍匐して低木林を形成するが後に主軸が立ちはじめカラマツ本来の姿である高木林に移行する。
    (3) 先駆樹として侵入したカラマツ, ダケカンバ, ミヤマハンノキ, ミネヤナギもそのうちにオオシラビソ, シラベ, コメツガなどの森林に移行する。
    (4) ダケカンバ15本, カラマツ74本, シラベ16本, コメツガ4本, ミネヤナギ1本, 計110本について樹齢を測定したところ, 大沢~小御岳間に200年生以上のものが圧倒的に集中していた点から見て, この区間は200年以前に侵入がはじまり各方位中一番古く森林が形成されていた。
    (5) 須走登山道~宝永山噴火口の西側山稜までの間は砂礫の移動がはげしいため侵入が遅れ森林限界が下方にあると言われている。その他に空気の渦が出来て植物の種子が太郎坊付近まで飛ばされて沈着し得ないのも森林限界の低い理由の1つである。
  • 吉田 正義, 藤田 善雄
    1980 年 9 巻 1 号 p. 13-18
    発行日: 1980/04/30
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
  • 廿日出 正美, 広畑 雅巳
    1980 年 9 巻 1 号 p. 21-26
    発行日: 1980/04/30
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
  • 川本 俊一, 吉田 正義
    1980 年 9 巻 1 号 p. 27-34
    発行日: 1980/04/30
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    (1) 1978年度に被害を受けたゴルフ場の比率についてみれば関東・甲信越北陸・東海地区ではそれぞれ58.8・50.0・64.1%であり, 甲信越北陸地区が最も少なく次は関東・東海地区の順であった。また, シバツトガの伝ぱん速度はきわめて迅速であった。
    (2) 1978年度に初めて被害を受けたゴルフ場の数の最も多いのは関東地区で, 栃木県および東京都ではその数は回答を受けたゴルフ場の50%にもおよんだ。1978年度のような高温乾燥な年では, この虫による被害は北関東をはじめ周辺の山地のゴルフ場にもおよび被害が拡大されていることが推察された。
    (3) この虫による被害を受けなかったゴルフ場の標高の分布は0~1000mの間にあり, 被害を受けたゴルフ場の標高は500m似下で, それ以上の所では被害は発生しないものと思われる。
    (4) 1978年に開場した1年目のゴルフ場でも, この虫による被害を被った。このようなゴルフ場ではシバツトガは芝草に付着して伝ぱんすることが推察された。この資料では開場後3年目にこの虫による被害を受けるケースが多かった。
    (5) 開場後10年以上経過したゴルフ場でもこの虫による被害がみられた。この場合のシバツトガは, 芝生地の補植のため搬入された芝草に付着して侵入することが考察される。
  • 山田 英夫, 廿日出 正美, 吉田 正義
    1980 年 9 巻 1 号 p. 35-41
    発行日: 1980/04/30
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    (1) チビサクラコガネの成虫と幼虫に対して, 農薬による防除試験を行い, 成虫防除は幼虫防除に比較して極めて高い防除効果が期待できることを確認した。1974~1976年の間成虫の地上に出現する時期をとらえてスミチオン乳剤1000倍液を散布してこの虫の防除を行い, その翌年の1~4月の間, 幼虫を採集してその密度により防除効果を検討した。
    (2) 農薬散布を行った1975年の幼虫の密度は, 1974年のそれに比較して急激な減少がみられ, 防除効果が顕著にあがった。1976および1977年における幼虫の密度はさらにそれより減少した。
    (3) チビサクラコガネの防除のため, 1974~1976年の間成虫に対して農薬による防除を行ったが, オオサカスジコガネに防除効果はあまりみられなかった。この防除効果のあがらない理由として, 両種の半旬別誘殺曲線を比較すれば, オオサカスジコガネの羽化曲線のピークは, チビサクラコガネのそれより約1週間早いことが考えられる。
    (4) オオサカスジコガネの防除のために1976~1979年の間, 夜間における成虫の群飛に対して薬剤散布を行い極めて高い防除効果をあげることができた。これらの成虫の羽化する時期は梅雨期にあたるため降雨をさけて農薬散布を行う必要がある。
  • 小林 義明
    1980 年 9 巻 1 号 p. 43-51
    発行日: 1980/04/30
    公開日: 2010/12/09
    ジャーナル フリー
  • 小倉 寛典, 大久保 良一, 玉垣 憲爾
    1980 年 9 巻 1 号 p. 53-59
    発行日: 1980/04/30
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    本報告は茨木カンツリークラブの西コース7番のフェアウエイにおいてコウライシバ春はげ症が常時発生する数地点での糸状菌相の変化を1975年より1977年にわたって調査したものである。
    1.芝生土壌は畑土壌に比べて微生物数が少ないがとくに糸状菌および放線菌においてその傾向が顕著である。
    2.発病地の残渣から検出される糸状菌数は健全地の残渣からの検出数と差は認められないが, 明らかに相の構成は異なり, 発病地の糸状菌相は単純化する。また, 過湿地は乾燥地よりも相は単純になり, 藻菌類が増加する。
    3.罹病したシバの根部からはPythium, F.roseum, R.solani, F.oxysporum, Curvularia, Trichodermaが検出されるが, 前3者は秋期からシバを侵す。後3者は寄生性よりも腐生的性格が強い。
    4.3に示す糸状菌は高温活性型であり, 低温条件下ではCurvularia>R.solani, Trichoderma, Fusarium>Pythiumの順に活性が低下する。
    以上の結果より, 春はげ症を起こす糸状菌は強病原菌でなく, 弱病原性を有するPytlzium, F, roseum, R, solaniであり, シバの活性の低下する秋季より侵害が起こる。その場合, 侵害には複合菌群の存在が考えられ, 病原菌相互あるいは腐生力の強いCurvularia, F, oxysporum, Trichodermaなどの関係を検討する必要がある。
  • 細辻 豊二, 徳田 一恵
    1980 年 9 巻 1 号 p. 61-64
    発行日: 1980/04/30
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    (1) Curvularia菌による葉枯病常発地帯の芝生の病原菌の年間消長を調査した。
    (2) その結果, ピークは2月, 6月, 8~9月で, その前後は急減する, 起伏の激しい曲線を画くことがわかった。
    (3) この原因について, 気温, 相対湿度, 土壌pH (Kcl) , 主要肥料成分含量管理作業が考えられたが, いずれも相関はみられず, これら以外の未知の要因が存在していると推定される。
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