アフリカ研究
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2002 巻, 60 号
選択された号の論文の18件中1~18を表示しています
  • 伊谷 純一郎
    2002 年 2002 巻 60 号 p. 1-33
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • アフリカ音楽研究の視座
    塚田 健一
    2002 年 2002 巻 60 号 p. 35-39
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • ンクルマの文化政策とガーナ宮廷音楽の変容
    塚田 健一
    2002 年 2002 巻 60 号 p. 41-52
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    本論文は, ガーナ南部ファンティ社会の宮廷太鼓合奏フォントムフロムにおけるハイライフ様式の成立過程を独立後のガーナの文化政策との関わりの中で明らかにしようとするものである。ガーナのポピュラー音楽, ハイライフの様式を導入したフォントムフロムは1970年代に三人の音楽関係者の手によって成立・発展した。そしてその過程には, ガーナ独立後のンクルマ政権のネーション・ビルディングに向けた文化政策が深く関わっていた。「アフリカの個性」概念に表れたンクルマの政治理念はきわめて伝統主義的であり, その文化政策は伝統教育を推進するとともに, 伝統的な音楽舞踊に基づいた新しい国民文化を創出するために「国民劇場運動」を展開するというものであった。伝統教育と国民文化創出という独立後の大きな文化運動の流れの中で, 一人は音楽教育者としてフォントムフロム教育の中で伝統の再編を試み, 後の二人は楽師としてそれをさらに発展させ, 宮廷太鼓合奏にポピュラー音楽の要素を取り入れて新しい様式を誕生させた。フォントムフロムにおけるハイライフ様式の成立は, その意味でンクルマ政権の文化政策の所産と見ることができる。
  • タンザニアにおける20世紀を通したダンス・バンドの発展
    鶴田 格
    2002 年 2002 巻 60 号 p. 53-63
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    タンザニア本土部で長く人気を保ってきたダンス音楽を演奏する「ジャズ・バンド」は, 地域における長期的な文化動態とつねに密接に関連しながら発展してきた。
    植民地期に都市部に叢生した初期ジャズ・バンドは, 19世紀半ば以来の沿岸スワヒリ文化の内陸への浸透と, その基盤のもとに20世紀初頭に進展したダンス結社 (beni ngoma) の全国的展開を踏まえて, 各都市の住民による社交クラブとして発展したものである。この「ジャズ・クラブ」は, beni ngoma 結社と同様に, 相互扶助的色彩をもつ超民族的な組織として形成され, 都市コミュニティーの内部では集団間のライバル関係の表現手段となるとともに, 外部においては他都市のクラブとのネットワークを形成した。
    独立後の社会主義政権による政治経済機構の一元化は, 党や軍隊などの政府系機関や公社公団に所属する多数の「公営バンド」を生みだした。公営バンドは, 国営ラジオ放送を通して愛国的な歌を流すとともに, 所属機関の宣伝や国家の政治キャンペーンに頻繁に動員され, 1970年代のジャズ・バンドの主流を形成した。こうした歴史的経緯により, 1980年代以降政治経済の自由化が進展し, 商業的な音楽活動の中心が民間部門へと移行した現在でも, 一部の公営バンドは, いまだに従前の国民的な人気バンドとしての地位を保っている。
  • アフリカに生まれるショウ・ビジネスという経済課程
    鈴木 裕之
    2002 年 2002 巻 60 号 p. 65-73
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    昨今, アフリカ諸都市で生起する音楽。国, 地域, 時代によって猛烈なスピードで変化し続ける様々なポピュラー音楽のすべてに共通するのは, それらがショウ・ビジネス, つまり音楽産業を通して作りだされているということだ。本論は, アビジャンのラップがショウ・ビジネスの中でいかに形成されてきたかを分析することで, ポピュラー音楽とショウ・ビジネスとの関係性を具体的に記述することを目的とする。ラップはアビシャンのストリート・ボーイに支持されている音楽で, 歌詞, ダンスのレベルでストリート文化を直接的に取り入れている。ここではストリート・ボーイ出身の2組のラップ・アーティストがいかにショウ・ビジネスに参入しアルバムを作成していったかを具体的に検証し, そこで観察されたストリート文化の「商品化」について考察を加えながら, 現代アフリカ都市におけるポピュラー音楽どショウ・ビジネスとの関係を明らかにする。そしてその際, 経済過程, 意味伝達過程, 記号消費過程が重層的に錯綜する場としてポピュラー音楽を捉える視点が示される。
  • 池谷 和信
    2002 年 2002 巻 60 号 p. 75-84
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    「親指ピアノ」は, アフリカで生まれ, 現在でもサハラ以南のアフリカ各地に広くみられる楽器である。本稿では, アンゴラ北東部に暮らすチョクウェの音文化のなかで「親指ピアノ」に焦点をおいて, その楽器の形態やそこから演奏される曲の歌詞を分析することから, チョクウェの音文化と生活とのかかわりあいを把握する。調査は, アンゴラ北東部のドュンド町内や近郊に住む9人の演奏者を対象にして, 聞き取り調査や演奏曲を録音する作業をおこなった。
    チョクウェは, アンゴラ東部を中心にして居住するバンツー系の人々である。彼らは, キャッサバ栽培などの農耕を中心として, 狩猟, 漁労, 出稼ぎなどを複合させた生業を営んでいる。まずこの地域では, 各々の形態の違いに応じて独自の名称を持つ8種類の「親指ピアノ」を確認できた。また, 収集された43曲は, 男性によって単独で演奏されるのもので, すべての曲に歌詞がついていた。このうち31曲の歌詞の内容を分析すると, 経済生活, 男女関係や親子関係, 日常生活, 出来事, 割礼儀礼, 植民地時代の歴史などに分類される。さらに, 1960年代の報告と現在のものとを比較すると,「親指ピアノ」は, 娯楽としては使われている点では共通しているものの儀礼の際には用いられなくなっていた。本稿ではこの楽器の機能として, 歌詞のなかに登場していた様々な出来事が次の世代に伝承されていくことから, 当時の生活世界が反映された個人史が伝承される点に注目している。
  • 人口動態, 生業活動, 乳幼児の体重の分析から
    高田 明
    2002 年 2002 巻 60 号 p. 85-103
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    セントラル・カラハリ・サンとよばれる2つの民族, グイとガナにおいて, 近年の社会変容を人口構造, 生業活動, 乳幼児の体重という3つの側面から記述・分析した。1997年の再定住化政策の実施後, グイやガナの人口密度は急増し, 狩猟採集から供給される食料の質や量は低下した。また生後12カ月児の体重が移住前より低下する傾向があった。これらと関連して多くめ不満が語られている。その一方で, 再定住化政策への対応を反映して, 周辺民族であるカラハリと密接な関係をもつガナでは家畜飼養, 農耕, 賃金労働が盛んになり, 財産を蓄積しつつあるものが多くなっている。こうした経済格差の拡大は, 親族関係に基づく居住集団による住み分けや伝統的生活域へのアクセスが困難になったことに由来すると分析できる。こうしたことから再定住化政策は, 政府の大勢を支配するツワナ社会との関係やグイとガナの間の差異を際立たせることで民族アイデンティティを顕著に意識させる方向に機能してきていると考えられる。これらはサンの社会化に関する議論でも, 育児の多様性とその規定因を明確にしていくこと, 国家や他民族との関係を理論的な射程に含めることの必要性を示唆している。
  • スーダン領紅海沿岸ベジャ族の放牧地に関する事例分析から
    縄田 浩志
    2002 年 2002 巻 60 号 p. 105-121
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    これまで, アフリカの乾燥熱帯沿岸域にみられる伝統的な牧畜システムを解明した現地調査はほとんどおこなわれていない。本稿の目的は, 塩生植物やマングローブからなる海岸植生に対する家畜の摂食行動と, 家畜間にみられる放牧地の利用形態の違いに焦点をあてることで, 海岸植生に依存するラクダ牧畜の実態を具体的に浮き彫りにすることにある。
    調査対象とするベジャ族は, ラクダ, ヤギ, ヒツジ, ウシ, ロバを飼養している。スーダン領紅海沿岸のアゲタイ村周辺においてそれらの家畜のために利用される放牧地を (I) 海岸平野にある草地, (II) 洞れ川の地表流の終着地にある灌木地, (III) 塩性湿地の内陸よりの周縁に見られる灌木地, (IV) 海岸線近くの塩性湿地, (V) 潮間帯のマングローブ群落, (VI) 隆起サンゴ礁島にある草地・灌木地, という6つのゾーンに分類した。
    家畜の摂食行動と放牧地利用の季節性を分析した結果, (1) 各ゾーンの主要な植物が属する科やその生活形, 塩生植物か否かといった特性に応じて, 家畜の種ごとに放牧地の利用形態に差異がみられること, (2) ラクダの摂食は, 灌木地に生育するアカザ科を中心とした半灌木の塩生植物と, 常緑のマングローブの枝葉に大きく依存していること, (3) ラクダによってのみ利用可能である草地・灌木地が, 隆起サンゴ礁島に存在すること, の3点が明らかになった。
    以上のような分析から, 乾燥熱帯の沿岸域における人間-家畜-植物関係の特徴として, 塩生植物やマングローブといった海岸植生に依存し, かつ, 他の家畜がアクセスできない隆起サンゴ礁島で摂食することができるラクダを中心にすえた牧畜システムが発達していることが指摘できる。
  • タンザニアの事例から
    三好 皓一, 阪本 公美子, 阿部 亮子
    2002 年 2002 巻 60 号 p. 123-137
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    過去の支援にみられた失敗や政府能力の有限性を背景として, プロジェクト援助からプログラム援助への移行が強調されるようになってきている。特にアフリカ地域では, セクター・ワイド・アプローチ (SWAP) による支援や貧困削減戦略書 (PRSP) の策定とその実施が進展するに伴い, 援助形態の適用は, プログラム援助か, といった二者択一的な議論となってきている。
    本論では, 被援助国の開発における政策体系と援助国の政策体系双方の文脈の中で開発援助を再考することによって, 援助国と被援助国にとってのプログラム援助とプロジェクト援助の概念の再整理を行った。
    事例として, プログラム援助とプロジェクト援助に関する議論が活発なタンザニアをとりあげた。それによると, 援助協調が強化される中でプログラム援助への移行がなされているが, それは漸進的なものであり, 決して画一的プロセスではないことが明らかになった。また, 上記の枠組みに即して分析を行うことにより, 援助形態は現実の援助の場面においては多様性が見られ, それぞれの援助国の政治的な戦略も見ることができた。
    援助国は, 被援助国の政策体系と予算管理への貢献を重視すべきである。しかしその戦略には多様性があり得る。日本のアフリカの援助についていえば, 長期的にはプログラム援助への移行に努めることが必要であるが, プロジェクト援助の実施においても被援助国の政策体系の強化・促進とともに政府予算での位置付けを明確にしていくことが不可欠である。
  • 六辻 彰二
    2002 年 2002 巻 60 号 p. 139-149
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    シエラレオネ内戦は複雑な経緯を辿ったが, それは主に武力行使に関与する国内アクターが離合集散を繰り返したことと, 政権が目まぐるしく交代したことによる。内戦発生以後のほとんどの政権に共通することは, 独自の紛争対応が困難であったため, 民兵や民間軍事企業に依存したことである。これらのアクターは革命統一戦線 (Revolutionary United Front: RUF) との軍事的対決に有効な機能を果たしたが, 必ずしも政権の管理下になかったため, 交渉の推進には消極的で, 内戦を長期化させる一因ともなった。他方, 当初平和維持活動以上の介入をみせたナイジェリアは長期の派兵に耐えきれず, 交渉の進展に積極的な対応をみせた。結果的に2002年1月の内戦終結宣言は, 紛争ダイヤモンド輸出と武器輸入の規制と並行した, 交渉促進のための国際的な取り組みに大きく負っている。しかし主な内戦発生要因のうち, 社会的不満を表明する手段の欠如は民主的政府の設立にともなう異議申し立ての機会の確保により, そしてRUFを支援する紛争支援国の活動は国際的監視により大きく改善されたが, 政治腐敗と結び付いた資源配分や地方の生活環境は未だに深刻であるため, 内戦が再燃する危険性は払拭されていない。
  • 三島 禎子
    2002 年 2002 巻 60 号 p. 151-152
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 都留 泰作
    2002 年 2002 巻 60 号 p. 152-154
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 峯 陽一
    2002 年 2002 巻 60 号 p. 154-156
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 栗本 英世
    2002 年 2002 巻 60 号 p. 156-158
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 栗本 英世
    2002 年 2002 巻 60 号 p. 158-160
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 高橋 基樹
    2002 年 2002 巻 60 号 p. 160-162
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 石原 美奈子
    2002 年 2002 巻 60 号 p. 162-164
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 2002 年 2002 巻 60 号 p. 165-167
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
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