日本放射線技術学会雑誌
Online ISSN : 1881-4883
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78 巻, 9 号
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巻頭言
臨床技術
  • 川東 祐太, 髙尾 友也, 廣瀬 慎一郎, 松澤 博明, 冨田 哲也
    2022 年 78 巻 9 号 p. 953-959
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/09/20
    [早期公開] 公開日: 2022/08/12
    ジャーナル フリー

    【目的】下肢長尺立位撮影において膝蓋骨を膝の正面にして撮影していたが(膝正面位法),より自然に立った状態での下肢アライメント評価ができるような撮影方法に見直した(自然位法).本研究では,自然位法と膝正面位法の下肢アライメントの比較を行った.【方法】画像上でMikulicz line(大腿骨頭中心と足関節中心を結ぶ下肢機能軸)を引き,脛骨近位関節面のどこを通るかの割合をpercentage of mechanical axis (%MA)で表し,人工膝関節置換術を行った患者84名を対象に自然位法と膝正面位法の%MAを比較した.【結果】自然位法の方が膝正面位法に比べて%MAが小さくなる傾向があり,両者に相関があることがわかった.体位変化が下肢アライメントに大きく影響を与える症例もあり,その要因の一つとして伸展制限が考えられた.【結語】自然位法と膝正面位法には相関があり,自然位法は膝正面位法に比べて%MAが小さくなる傾向が示唆された.

  • 八巻 伸
    2022 年 78 巻 9 号 p. 960-968
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/09/20
    [早期公開] 公開日: 2022/08/03
    ジャーナル フリー

    肺区域切除術の手術支援画像として肺動静脈を分離したthree-dimensional computed tomography(3D-CT)を撮影している.SYNAPSE VINCENT(富士フイルム)は通常の造影1相撮影で肺動静脈を分離することが可能であるが,肺動静脈の自動抽出には限界があり,抽出間違いや抽出できない場合が多くみられた.そこで胸部が撮影範囲に含まれる造影プロトコルを用い,CT値および肺動静脈の描出能の違いを後ろ向きに検討した.その結果,肺動脈(pulmonary artery: PA)と肺静脈(pulmonary vein: PV)のCT値が200 Hounsfield unit(HU)以上,PAとPVのCT値差が50 HU以上となる台形クロス注入法を用いた新法が望ましいと考えられた.新法を用いることで造影剤量を従来法の約6割に減量することができた.また肺動静脈に必要なCT値,CT値差が得られた.SYNAPSE VINCENTの肺動静脈の自動抽出は新法の方が描出能は高い傾向にあり,新法は有用であることが示唆された.

  • 小畠 巧也, 山崎 達也, 大森 圭悟, 小川 和郎
    2022 年 78 巻 9 号 p. 969-977
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/09/20
    [早期公開] 公開日: 2022/08/04
    ジャーナル フリー

    【目的】本研究では,二次元収集のpulsed arterial spin labeling(PASL-2D)法と三次元螺旋型収集のpseudo-continuous-ASL(pCASL-3D spiral)法で取得したregional cerebral blood flow(rCBF)画像を比較し,二つの撮像方法におけるrCBF値の特性を明らかにすることを目的とする.【方法】健常ボランティア5名を対象とし,venderの異なる静磁場強度が3.0 TのMR装置を2台使用した.二つの撮像方法で初回検査時に2回(1回目,2回目),1時間後および1週間後に1回ずつ合計3 sessionのrCBF画像と三次元T1強調画像を取得した.SPM12を用いて,各装置で算出されたrCBF画像の解剖学的標準化を行い,前大脳動脈(ACA),中大脳動脈(MCA),後大脳動脈(PCA)の支配領域,すべての領域を合成した大脳全体の動脈支配下領域に関心領域を設定した.各領域のrCBF値と,1回目scanと2回目以降scanのrCBF値の関係をBland-Altman解析し,算出されたrCBF値の再現性(RI)を評価した.【結果】PASL 2Dの平均rCBF値は全sessionでPCAが最も高値を示した.pCASL 3D-spiralの平均rCBF値は全sessionでMCAが最も高値を示した.RIはpCASL 3D-spiralがPASL-2Dよりもすべての動脈支配領域で低値を示した.【結語】PASL 2D法とpCASL 3D-spiral法によるASLでは,撮像方法の違いが各動脈支配領域のrCBF値の平均値と再現性に影響を与えることが示唆された.

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