【目的】産科出血症例において,クリオプレシピテート製剤の臨床効果を検証する.
【方法】当院への初診形態の違いから3群(1群:他の医療機関からの分娩前母体搬送,2群:他の医療機関からの分娩後母体搬送,3群:院内発症)に分け,患者背景(年齢,ショックインデックス,産科DICスコア,ヘモグロビン値,フィブリノーゲン値,FDP値,AT値),治療成績(輸血量,容量負荷,子宮動脈塞栓術,子宮全摘術,DIC治療薬,入院期間)について,クリオ製剤使用群(CRYO)と非使用群(non-CRYO)の間でそれぞれ比較した.
【結果】CRYOでは,non-CRYOと比較して,赤血球液輸血量(1,2,3群),新鮮凍結血漿輸血量(1群),容量負荷の発症率(3群),DIC治療薬使用率(2群)が有意に減少し,入院期間が有意に短縮していた(1,3群).
【結語】産科出血症例を3群に分類し,それぞれの病態におけるクリオ製剤の臨床効果を示すことができた.
抄録全体を表示