日本医療・病院管理学会誌
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51 巻, 1 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
理事長挨拶
巻頭言
研究論文
  • 金川 仁子, 金子 さゆり
    原稿種別: 研究論文
    2014 年 51 巻 1 号 p. 9-20
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/04/11
    ジャーナル フリー
    在宅系リハビリテーションの提供が利用者に及ぼす影響について,訪問リハ,通所リハ,およびこれらの併用によるリハのADLとQOLの経時的変化を分析し,さらに,訪問リハと通所リハをそれぞれ単体で提供した場合と,それらを併用した場合の効果検証を行った。
    FIMは,訪問リハ群,通所リハ群,併用リハ群のいずれでも6ヶ月後にセルフケア・移乗・移動面で改善され,特に,訪問と通所のリハを併用することでセルフケア・移動面でより改善がみられた。
    SF-36は,いずれのリハを利用してもQOLの維持・低下予防に寄与する可能性が高い。その特徴として,通所リハ群と併用リハ群ではRP(日常役割機能・身体)の改善がみられたが,訪問リハ群では変化していなかった。また,訪問リハ群ではSF(社会生活機能)が低下していたが,改善項目は最も多く,特にBP(体の痛み)とGH(全体的健康感)の改善がみられた。
    よって,QOLを高めるには,訪問リハに特化したサービス提供が有効である可能性が高く,一方,機能的自立度を高めるには,訪問リハと通所リハを併用することでより効果的になる可能性があることから,多様なプログラムを組み合わせたリハを提供できる体制を構築していくことが求められる。
  • ——12時間夜勤と16時間夜勤の比較——
    折山 早苗, 宮腰 由紀子, 小林 敏生
    原稿種別: 研究論文
    2014 年 51 巻 1 号 p. 21-31
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/04/11
    ジャーナル フリー
    看護師の夜勤に伴う休息・休憩状況と勤務体制を支持する要因と,疲労回復のための休息方法を明らかにする為,二交代制勤務体制の総合病院に勤務する12時間夜勤者140人と16時間夜勤者681人を対象として,夜勤前・中・後の休息と休憩時間,夜勤のメリット・デメリットについて自記式質問紙調査を行った。12時間夜勤者は夜勤前の仮眠の取得率および仮眠時間が16時間夜勤者より多く,16時間夜勤者は夜勤前日の夜間睡眠時間が長く,夜勤中,夜勤後の仮眠取得率および睡眠時間も多かった。両夜勤群ともに90%以上の看護師が8時間夜勤を伴う三交代制勤務より現在の二交代制勤務を支持していた。16時間夜勤の支持要因として,年齢が低い,三交代制勤務経験が無い,夜勤前の仮眠時間が長い,夜勤中の休憩時間が長い,夜勤中の仮眠がとれる,の5点が明らかになった。さらに,16時間夜勤の場合,勤務中の仮眠取得のためには休憩時間が2.33時間以上必要であることが示唆された。
研究資料
  • 劉 寧, 前田 俊樹, 西 巧, 馬場園 明
    原稿種別: 研究資料
    2014 年 51 巻 1 号 p. 33-39
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/04/11
    ジャーナル フリー
    認知症患者が急増している中で,日本の認知症患者の入院期間が長いことが指摘されている。しかしながら,認知症患者の病床別あるいは地域別の在院日数は定量的に明らかになっていない。そこで,認知症入院患者を研究対象とし,レセプトデータを使って入院病床の種類別に二次医療圏別の在院日数の実態を明らかにすることを本研究の目的とした。
    電子レセプトデータにより,調査期間中に退院した患者は入院日から退院までの日数,入院継続中の場合は入院日から調査終了日までの在院日数を修正平均在院日数とし,病床及び二次医療圏別に比較した。さらに,修正平均在院日数を目的変数とし,性別,年齢と福岡県二次医療圏を説明変数とした重回帰分析を行った。
    福岡県の認知症入院患者の修正平均在院日数に,病床及び二次医療圏で差が認められた。認知症患者の治療の在り方を検討し,受け皿としての介護施設の整備を含めた地域包括ケアシステムの構築が検討されるべきであろう。
  • 横地 将文, 寺下 貴美, 小笠原 克彦
    原稿種別: 研究資料
    2014 年 51 巻 1 号 p. 41-52
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/04/11
    ジャーナル フリー
    近年,普及が進んでいる救急医療用ヘリコプター(以下,ドクターヘリ)は,運用費の多くを公的資金によって賄われており,経済的分析によって価値を確認する必要がある。本研究では仮想評価法を用いてドクターヘリに対する支払意思額を評価した。対象は運航地域の住民(中央: 基地病院から30 km圏内,周辺: 30-70 km圏内)とした。アンケートではドクターヘリが廃止された状態を想像してもらい,継続するには年間いくらまで支払うかをダブルバウンド二項選択方式で尋ねた。調査は北海道道央ドクターヘリ・道北ドクターヘリ・千葉北部ドクターヘリの運航圏を対象とした。3地域の支払意思額は3,393円/年,6,696円/年,2,399円/年となり,有意な違いを認めた。また道北ドクターヘリでは,中央と周辺の比較でも違いを認めた。道北ドクターヘリ運航圏では過疎の地域が多く,ドクターヘリへの期待が高くなったと考えられる。
特別講演(鼎談)
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