日本医療・病院管理学会誌
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最新号
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巻頭言
研究論文
  • 柿谷 幸子, 山蔦 圭輔
    2024 年 61 巻 3 号 p. 48-59
    発行日: 2024/07/31
    公開日: 2024/10/02
    ジャーナル フリー

    本研究は,回リハ病棟に勤務する看護師のストレスとバーンアウトとの関連性から,回リハ看護師特有のストレッサーを把握することを目的とした。看護師410名に対するweb調査による有効回答者268名のデータを分析した。

    調査は,看護師の職業的アイデンティティ尺度,チームアプローチ評価尺度改訂版,臨床看護職者の仕事ストレッサー測定尺度,新しい心理的ストレス反応尺度,日本語版バーンアウト尺度を用い実施された。分析の結果,職業的アイデンティティとチームアプローチ評価が低い場合,ストレス反応に負の影響を与えていたこと,ストレス反応が高いほど情緒的消耗感および脱人格化が高いことが示された。加えて,回リハ病棟勤務看護師特有のストレスとして,退院支援,転倒対策,専門職間の関係,患者の状況に関するものが認められた。回リハ病棟の病床機能に関連した職務内容が,多くの回リハ看護師のストレス要因となり得ることが推測された。

研究資料
  • 工藤 みき子, 渡邉 彩, 塚本 尚子
    2024 年 61 巻 3 号 p. 60-67
    発行日: 2024/07/31
    公開日: 2024/10/02
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は,病棟に勤務する看護師を対象として,病棟の組織風土がどのように看護師の組織同一視に影響を与えているのかを検討することである。対象者274名に質問紙を配布し,返送は121名(44.1%)であった。重回帰分析の結果,「組織同一視」は,病棟の組織風土尺度の「親密さ」(β=.27, p<.05)と「コントロール感」(β=.33, p<.01), この病棟の経験年数(β=.18, p<.05)によって有意に説明されていた(R2=.40, p<.001)。「メンバーへの同一視」は,「親密」さ(β=.32, p<.01),看護師長の「スタッフへの配慮」(β=.30, p<.01)によって有意に説明されていた(R2=.49, p<.001)。組織風土の「親密さ」は「組織同一視」,「メンバーへの同一視」それぞれに欠かせない要件であることが示され,より良い組織風土の土壌が組織同一視を高めることが示唆された。

編集後記
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