北関東医学
Online ISSN : 1883-6135
Print ISSN : 0023-1908
ISSN-L : 0023-1908
最新号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 渡邊 正人
    1996 年 46 巻 6 号 p. 457-469
    発行日: 1996/11/01
    公開日: 2010/02/09
    ジャーナル フリー
    最少発育阻止濃度 (minimum inhibitory concentration, MIC) が12.5μg/ml以上のimi-penem耐性の臨床分離Pseudomonas aeruginosa 70株のceftazidime, cefsulodin, cefotaxime, lata-moxef, piperacillin, aztreonamに対する感受性を調べた.70株はimipenem耐性と調べた他のβ-lactam剤耐性により3種に分類された.imipenem以外のβ-lactam剤耐性の中でceftazidime耐性を分類のための代表として用いた.A群20株はimipenem耐性 (12.5μg/ml), ceftazidime感受性 (≦1.56μg/ml), B群49株はimipenem耐性 (12.5μg/ml~25μg/ml), ceftazidime中等度耐性 (12.5μg/ml~100μg/ml), C群1株はimipenem耐性 (25μg/ml), ceftazidime高度耐性 (200μg/ml以上) であった.すべての株でβ-lactamaseを産生していた.その産生量はA群は0.05U/mg protein以下, B群は0.01U/mg protein以下から0.85U/mg proteinと種々の値を示し, C群は0.61U/mg proteinであった.β-lactam剤の誘導によるβ-lactamaseの産生はA群はimipenemで顕著に誘導されたが他のβ-lactam剤では誘導されなかった.B群は, imipenemと他のβ-lactam剤の誘導で高い値のβ-lactamaseが産生された.C群 (GN17203) は唯一imipenemを加水分解するβ-lactamaseを産生する株であった.この株が生産するβ-lactamaseは, 不和合群P-9に属するプラスミドpMS350 (31-Mdalon) により賦与されていた.このプラスミドはβ-lactam剤, gentamicin, sulfonamide剤に対する耐性を賦与し, 接合によりP.aeruginosaに伝達し, Escherichia coliに伝達しなかった.精製酵素の分子量は28,000になり等電点は9.0であった.本酵素は広域の基質性を示し, β-lactam剤の中でimipenem, oxyiminocephalosporins剤, cephamycin剤, penicillin剤を加水分解した.本酵素の活性はEDTA, pchloromercuribenzoate, CuSO4, HgCl2によって阻害されるが, 一般的なβ-lactamaseであるセリン酵素に対する阻害剤のclavulanic acidあるいはsulbactamによっては阻害されなかった.
  • 飯島 美砂
    1996 年 46 巻 6 号 p. 471-482
    発行日: 1996/11/01
    公開日: 2009/10/15
    ジャーナル フリー
    髄芽腫は小児の小脳虫部に好発する未分化な脳腫瘍である.髄芽腫の病理学的特性を検討する目的で, 28症例 (35検体) の髄芽腫を検索した.組織学的にはHomer Wright rosette, pale island, 明暗の領域が混在するlight and dark areaが特徴的であったが, これらの見られない症例もあった.dark areaはlight areaよりも腫瘍細胞密度が高く, また毛細血管や反応性astrocyteなどが含まれており, dark areaが暗く見える一因と考えられた.免疫組織化学的には, 約1/3の症例で神経細胞系マーカーが陽性となったが, glia系マーカーは2例のみが陽性であった.PCNA, MIB-1は高値であったが, light areaはdark areaよりも低値で, 増殖能に差があることが示された.また, Homer Wright rosetteとlight and dark areaの双方あるいは一方を持つ症例に長期生存例が多く, 予後との関連が示唆された.
  • 第1報 理学療法による脳血管障害患者のリンパ球サブセット及びリンパ球反応性の変化
    倉林 均, 久保田 一雄, 町田 泉, 白倉 卓夫
    1996 年 46 巻 6 号 p. 483-486
    発行日: 1996/11/01
    公開日: 2009/10/15
    ジャーナル フリー
    急性期を脱し病状の比較的安定した脳血管障害患者10例 (男性7例, 女性3例; 66.5±8.1歳;Brunnstrom法II-III段階) について血清免疫グロブリン (IgG, A, M) 濃度, 末梢血液リンパ球数, T, B細胞比率, リンパ球サブセット及びリンパ球反応性を, 2か月間の理学療法開始2週後と終了直後で測定し, 理学療法を中断した同疾患4例 (対照群) (男性3例, 女性1例;71.8±13.2歳; Brunnstrom法II-III段階) と比較検討した.理学療法群では対照群に比しCD4陽性細胞が増加しCD8陽性細胞が低下した結果CD4/8比は有意に増加し, concanavalin A及びphytohemagglutininに対するリンパ球反応性も有意に増加したが, 免疫グロブリン, リンパ球数, T, B細胞比率, HLA-DR陽性細胞, CD3陽性細胞は両群間で有意な差異はなかった.脳血管障害患者では理学療法を継続することにより免疫機能は亢進し, 理学療法を中断すれば免疫機能は低下することが示唆された.
  • 小野 芳啓, 古作 望, 栗田 誠, 中野 勝也, 大貫 隆久, 黒川 公平, 今井 強一, 鈴木 慶二, 山中 英壽
    1996 年 46 巻 6 号 p. 487-491
    発行日: 1996/11/01
    公開日: 2009/10/15
    ジャーナル フリー
    1995年5月初旬に, 頻尿, 排尿終末時痛を主訴に当院を受診した31歳女性.精査にて石灰化を伴う尿管ポリープと診断した.同年6月27日に脊椎麻酔下に内視鏡的ポリープ切除術を施行した.術後症状は消失し, 経過良好である.病理組織学的には好酸球浸潤を伴う肉芽腫性ポリープであり, 尿管ポリープとしては比較的稀な組織像であった.
  • 金子 達夫, 大林 民幸, 長澤 城幸, 宮崎 瑞穂, 井上 洋, 小西 敏雄
    1996 年 46 巻 6 号 p. 493-497
    発行日: 1996/11/01
    公開日: 2009/10/15
    ジャーナル フリー
    冠状動脈の左主幹部狭窄をともなう三枝病変と頸動脈狭窄を合併した77歳の男性に, 冠状動脈バイパス術 (CABG) 4本と左頸動脈内膜剥離術 (CEA) の同時手術を行い良好な結果を得た.CABGはグラフトとして左内胸動脈1本と, 3本の静脈を中枢一か所の吻合で行い, またCEAは体外循環中に脳潅流を併用しながら静脈パッチ形成術を併用した.術後合併症は見られず, 自己血輸血のみで経過した.高齢者のCABGでは全身動脈硬化を合併する割合が高く, 個々の例において慎重な対応が必要とされる.
  • 中田 誠司, 加藤 雄一, 佐藤 仁, 高橋 満弘
    1996 年 46 巻 6 号 p. 499-503
    発行日: 1996/11/01
    公開日: 2009/10/15
    ジャーナル フリー
    過剰腎は, 尿路奇形の中でも最もまれなもののうちの一つである.今回, われわれは膀胱尿管逆流を伴った62歳, 男の過剰腎と思われる1例を経験した.静脈性腎盂尿管造影では, 左の尿管は膀胱まで完全に2本存在した.腹部CTでは, 左のメインの腎の尾腹側に小さい萎縮性の過剰腎と思われる組織が描出された.膀胱造影では, 左の過剰腎への膀胱尿管逆流がみられ, 腎盂は腎盂-尿管移行部狭窄のため水腎症を呈していた.発熱は経口抗菌剤でコントロールされており, 今後難治性の尿路感染を繰り返せば過剰腎の摘出予定ということで外来での経過観察とした.
  • 1996 年 46 巻 6 号 p. 505-507
    発行日: 1996/11/01
    公開日: 2009/10/15
    ジャーナル フリー
  • 1996 年 46 巻 6 号 p. 509-516
    発行日: 1996/11/01
    公開日: 2009/10/15
    ジャーナル フリー
feedback
Top