低線量CT・スパースビューCT・インテリアCT(ローカルCT)の3つの新方式CTが考案され,現在おのおのに対応する画像再構成法の研究が進められている.本論文では,X線を心臓や乳房など小さな検査の関心領域(ROI: region of interest)のみに照射した不完全な投影データからROIの画像再構成を行い,低被曝や測定簡略化を実現するインテリアCTの画像再構成を取りあげ,特に2000年代後半に発見されブレークスルーとなった2種類の厳密解法(非圧縮センシング厳密解法と圧縮センシング厳密解法)について解説する.
一般的なMRI撮像ではほとんどの場合で逆フーリエ変換を基本とした画像再構成が行われるが,圧縮センシングを導入する場合は,画像をスパース化する関数やL1ノルム最小化問題を解くアルゴリズムなど選択肢が多く,再生像の品質は再構成手法に左右される.本論文では,位相を含んだMR画像に圧縮センシングを応用する問題において反復的閾値法と交互方向乗数法(alternating direction method of multipliers; ADMM)の比較,ならびに画像のスパース化変換をマルチスケール化する効果について検討を行った.再構成シミュレーションの結果,交互方向乗数法を使用し,かつスパース化変換をマルチスケール化する方法において最も高い信号対雑音比が得られることを確認した.