日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
2006年年会講演予稿集
選択された号の論文の652件中201~250を表示しています
  • 明石 孝也, 笠島 美穂, 清野 肇, 嶋田 志郎
    セッションID: 2C24
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    昇温前から酸素ガス(PO2= 2 kPa)を導入すると、昇温過程で重量増加とCO2(またはSiO)ガスの生成が観察され、パッシブ酸化が確認された。一方、Ar雰囲気中で昇温し、一定温度に達してから酸素ガスを導入した場合、昇温過程で重量減少とCO2(またはSiO)ガスの生成が観察され、アクティブ酸化が確認された。高温保持過程において、Ar雰囲気中で昇温後に酸素導入した場合の酸化速度は、昇温前から酸素ガスを導入した場合の酸化速度に比べて遅かった。この酸化速度の減少は、アクティブ酸化後のパッシブ酸化によって形成された凹凸の多いSiC/SiO2界面に起因していると考えられる。
  • 木村 禎一, 山下 満好, 後藤 孝
    セッションID: 2C25
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    CVD-SiCは高温強度に優れ、さまざまな高温環境で使用されている。SiCは高温で酸化するが、その酸化挙動には、保護性のSiO2が生成するPassive酸化と、SiOガスが生成して激しく損耗するActive酸化がある。active-passive境界を明らかにすることは、実用上極めて重要である。本研究では、1600℃付近の超高温領域におけるSiCの酸化挙動について、雰囲気全圧による酸化挙動の変化を調べた。その結果、ある全圧下では、passive酸化とactive酸化の境界付近に、二つの酸化が同時に進行して、試料が局部的に損耗する酸化領域があることがわかった。酸化による微細構造の変化と酸化速度について、SiCの酸化に関する熱力学的考察を加えながら、発表する。
  • 田口 富嗣, 井川 直樹, 実川 資朗, 山本 博之, 社本 真一
    セッションID: 2C26
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    SiC/SiC複合材料は、高温において高強度を有し、中性子照射後の誘導放射能が低いという理由から核融合炉材料用構造材料への応用が期待されている。核融合炉材料用構造材料としては、熱交換率及び耐熱衝撃性の向上のために熱伝導率の向上が望まれている。そこで、本研究では高熱伝導率を有するカーボンナノファイバー(CNF)を新たに分散させることにより、高熱伝導率性を有するSiC/SiC複合材料を作製することを目的とした。その結果、約4%と非常に小さい体積分率でCNFを分散させることにより、室温において90W/mK、800℃において40W/mKという高熱伝導率のSiC/SiC複合材料の作製に成功した。
  • 佐藤 仁俊, 李 継光, 石垣 隆正, 神谷 秀博
    セッションID: 2D01
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    酸化チタン/水系スラリーを対象に、分子量の異なるポリアクリル酸(PAA)系高分子分散剤を用い、酸化チタンナノ粒子の液中分散性と凝集サイズに及ぼす超音波照射の影響と分散剤分子量の関係を検討した。粒子濃度15vol%の濃厚系でも、分子量2,000_から_30,000と広い範囲で見掛け粘度が5mPas以下となり、又、液中の平均凝集サイズが比表面積径とほぼ一致した。ナノ粒子の水中スラリーにおいて、超音波照射が粘度と液中凝集サイズ低下に著しく作用することを確認した。
  • 佐藤 仁俊, 李 継光, 石垣 隆正, 神谷 秀博
    セッションID: 2D02
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    熱プラズマプロセスによる球状酸化チタンナノ粒子を対象に、エタノール及びプロピルアルコール中分散における超音波照射とポリエチレンイミン(PEI)系高分子分散剤添加の凝集サイズに及ぼす影響を調べた。その結果、いずれも粘度とアルコール中凝集サイズの低下に著しく作用した。異なった製法で合成されたナノ粒子のアルコール中平均凝集サイズを測定し、固結凝集の少ない熱プラズマプロセスで合成された球状ナノ粒子で、最も比表面積径に近い値を得ることが確認された。
  • Xinwen Zhu, Tetsuo Uchikoshi, Yoshio Sakka
    セッションID: 2D03
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    The aqueous dispersion of Si3N4 powder with polyethylenimine as a dispersant was studied by zeta-potential, adsorption and viscosity measurements. The hydrolysis behavior of Si3N4 powder in the acidic and basic regions was evaluated by measuring suspension pH and zeta-potential as a function of stirring time. It is shown that in the absence of PEI, the Si3N4 suspensions at initial acidic pH show a continuous increase in the pH from the acidic pH ~ 4 to basic pH ~ 9.3 and a reversal of the zeta-potential sign from the higher positive value to the negative value, indicating that the strong hydrolysis occurs, but the presence of PEI suppresses this hydrolysis to some extent when the amount of PEI exceeds 0.5 dwb%. Though the adsorption of PEI significantly change the electrokinetic behavior of Si3N4 particles, resulting in the shift of the isoelectric point (IEP) from pH ~ 6 to pH 11, the dispersion of Si3N4 can not be predicted in terms of the zeta-potential curves. The stabilization of Si3N4 by PEI can be achieved in the basic region and even at the IEP, depending on the amount of PEI, but the stabilization can not be achieved in the acidic region despite higher positive zeta-potentials of > 40 mV. In addition, the initial ionization treatment of PEI has little effect on the dispersion of Si3N4. The mechanisms of the suppressed hydrolysis and stabilization of Si3N4 by PEI were discussed in detail.
  • 堀田 裕司, 尾村 直紀, 恒川 希代香, 佐藤 公泰, 渡利 広司
    セッションID: 2D04
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    新しいセラミックススラリー作製方法として、Al2O3をモデル材料に遊星ホモジナイザー処理の検討を行った。ボールミル処理したAl2O3スラリーの粘度は時間経過に伴い上昇するのに対して、遊星ホモジナイザー処理したAl2O3スラリーの粘度は長時間にわたって安定で且つ低粘度であった。また、遊星ホモジナイザー処理したAl2O3スラリーから準備した成形体の相対密度はスラリー中の粉体含有量に依らず60%を越え高密度成形体を得ることが可能であることが分かった。焼結実験においては、遊星ホモジナイザー処理したAl2O3スラリーから作製した焼結体の収縮率は13%でスラリー中の粉体含有量に依存しないことがわかった。
  • 佐藤 和好, 近藤 光, 阿部 浩也, 内藤 牧男
    セッションID: 2D05
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    NiO-YSZ複合スラリーの特性が固体酸化物燃料電池(SOFC)のNi-YSZアノード電極の構造と特性に及ぼす影響を検討した。 分散剤の種類や添加量を変化させてNiO-YSZスラリーを作製し、これをテープ成形することによりNiO-YSZ複合圧膜を作製した。スラリーの特性は分散剤の種類や添加量により著しく変化した。これらのスラリーを用いて作製したアノード電極の構造と特性については当日報告する。
  • 田村 彩, 高井 千加, 藤 正督, 高橋 実
    セッションID: 2D06
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    本研究では成形体作製の際に乾燥時間を短縮するため、それぞれ極性の異なる非水系溶媒を用いて非水系セラミックスラリーを調製した。そしてその安定性を評価し、スラリー中粒子が良分散する溶媒を選定した。スラリー中粒子の分散・凝集状態は、従来レオロジー特性面から間接的に評価されてきたが、その場固化法を応用することによって粒子分散状態を擬似的に固定化し直接観察する手法を用いてスラリーの評価を試みた。さらに非水系セラミックススラリーの安定性を向上させるため、水を添加した混合溶液スラリーを調整しスラリー安定性を評価した。
  • 森 隆昌, 金 孝政, 阿藤 賢次郎, 椿 淳一郎
    セッションID: 2D07
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    スラリーの充填、圧密特性を定圧濾過を用いて評価した。分散剤添加量、濾過圧力をパラメータとして定圧濾過実験を行った。濾過挙動は大きく分類して4つのパターンになることが分かった。それぞれの濾過パターンについて濾液量の経時変化から、形成されたケークの充填率分布を推算した。推算したケークの充填率分布とγ線透過型密度測定装置で実測した充填率分布とを比較、検討した結果、推算値と実測値は良く対応していることが示された。
  • 長岡 孝明, 佐藤 公康, 堀田 裕司, 津越 敬寿, 渡利 広司
    セッションID: 2D08
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    焼成過程で自らもセラミックス化する無機バインダーの使用は、加熱過程で環境に負荷を与える恐れのある炭化水素系ガスや炭酸ガスを排出しないことから、セラミックスの環境負荷低減プロセスとして期待されている。演者等は無機バインダーの一つである水硬性アルミナに着目し、水和反応によってバインダー機能が発現するとともに、焼成過程でα_-_アルミナ化してアルミナ基セラミックスを製造することについて検討している。今回は、水和反応の過程で生成するアルミナ水和物が、成形作業性、及び成形体特性に及ぼす影響を報告する。
  • 佐藤 公泰, 堀田 裕司, 長岡 孝明, 渡利 広司, 淺井 道博, 川崎 真司
    セッションID: 2D09
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    電磁波の照射により化学結合する有機分子をバインダーとした新たなセラミックス成形方法を開発した。外部から電磁波(マイクロ波)を照射することで、粒子同士を結合して成形する。セラミックス粒子と有機バインダーが相分離を起こすことなく強固に結合した成形体が得られる。本手法を用いることにより、従来法に比べて有機バインダー量を半分以下に低減できると期待される。
  • 白井 孝, 安岡 正喜, 西村 ゆつき, 杵鞭 義明, 堀田 裕司, 渡利 広司
    セッションID: 2D10
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    鋳込み成形法において必要不可欠である乾燥工程の時間短縮化を目的とし、マイクロ波加熱を用いた鋳込み成形体の急速乾燥を行っている。本研究ではマイクロ波加熱下及び通常加熱下における、鋳込み成形体中の含有水分の蒸発挙動の違いについて考察し、乾燥方法の違いが及ぼす鋳込み成形体への影響について報告する。
  • 赤尾 光一郎, 藤 正督, 高橋 実
    セッションID: 2D22
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    ゲルキャスティング法は、有機モノマー水溶液にセラミックスを分散させ、これを型に流し込み、重合反応を進行させてセラミックス粒子を含んだ湿潤ポリマーゲル状の成型体を得る方法であり、ニアネットシェーピング、少ない偏析およびハンドリングが容易であるなどの利点を持つ。このゲルキャスティング法において用いられるスラリー中に鉄イオンを溶解したものを、成型しさらに還元焼成することにより、鉄が高分散したアルミナおよびカーボンから成るコンポジット材料を作製し、等方的導電性を持つセラミックスの作製を試みた。また、還元焼成温度および時間を変化させることにより導電性を変化させた。
  • 申 ウソク, 田嶌 一樹, 西堀 麻衣子, 伊藤 敏雄, 伊豆 典哉, 松原 一郎
    セッションID: 2D23
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    マイクロ熱電式ガスセンサの触媒パターンは、テルピネオールにセラミックス触媒粒子を分散したペーストをディスペンサで塗布することで集積化される。本研究では、ペーストの分散剤として、テルピネオールにエチルセルロース(商品名:エトセル)10wt%を溶かして粘度を高めたもの(TE10)と、テルピネオール(T)の2種類を用いた。分散剤とセラミックス粉体粒子(粒径が100nmのアルミナ粒子にPtを担持させた触媒)の混合比を変えた幾つかの異なるセラミックスペーストを調製し、粘度のせん断速度依存性に及ぼす高分子・粒子量の影響を調べた。
  • 北 英紀, 近藤 直樹, 日向 秀樹, 吉田 克己
    セッションID: 2D24
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    セラミックス部材を鋳造・溶解の分野で有効に活用していく為には濡れ性を改善する必要がある。一般に固体表面に対する液体の濡れ性は化学的因子ならびに表面の巨視・微視的構造に支配される事が知られている。これらの観点からセラミックスの濡れ性の制御を試みた。金属溶湯に濡れ難い成分して知られるBNを焼結過程における反応を利用してセラミックス連続相中に形成できることを明らかにした。また高精度スリップキャスト法により、微細突起のパターニング技術を開発し、溶湯属金属の難濡れ性改善に対する効果を検証した。
  • 横山 久範, 尾畑 成造, 細野 幸太, 高橋 誠治, 堀田 禎, 熊谷 勝, 菊田 浩一
    セッションID: 2D25
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    インクジェット法は基板に直接印刷が可能であるため、工程や材料使用量が少ないことに加えマスクパターンが不要であり、大面積印刷や多品種少量生産に適している。本研究ではインクジェット印刷を利用し、ガラス基板への透明電極のパターン形成を行った。透明電極材料としてアンチモン添加酸化錫を用い、インク特性、基板表面処理方法及び印刷条件によるパターン形成への影響を検討した。その結果、パターンは基板の濡れ性や印刷条件に影響され、適切な条件設定が微細パターン印刷には重要であることが示された。
  • 今須 淳子, 不動寺 浩, 目 義雄
    セッションID: 2D26
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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     シリコンエラストマー(PDMS)のマイクロモールドに毛管現象を利用してパターニングを行うMicromolding in Capillary (MIMIC)法で、酸化スズナノ粒子のエタノールサスペンションのパターニングを行った。その際、モールド内部でのサスペンションの濃縮および粒子の凝集現象が見られた。これらの現象により、2 vol%の低濃度のサスペンションを使って、モールドの溝の深さの3分の1程度の一様な厚みの酸化スズのストライプ状のマイクロパターンを、幅1cm、長さ4mmの範囲に簡単に作製することができた。作製された酸化スズのパターンは高密度であり、300℃で熱処理をすることによって固まることが確認されたので、今後、デバイスとしての応用が可能であると考えられる。
  • 山田 貴之, 相澤 啓祐, 新 大軌, 坂井 悦郎, 大門 正機
    セッションID: 2E01
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    近年、100 N/mm2を超える超高強度のコンクリートが利用されており、低水セメント比の系において、シリカフュームを混和したセメントが使われている。しかし、この系における流動モデルや超微粒子を含む系への高分子系分散剤の吸着挙動についてはまだ充分に解明されていない。本研究では、高分子系分散剤を添加したシリカフューム_-_セメント系バイモーダル分散系の流動性に及ぼす、特に練混ぜの方法による影響について明らかにし、その結果をもとに、この系の流動モデルについて検討を行う。
  • 野崎 隆人, 坂井 悦郎, 佐野 奨, 大門 正機
    セッションID: 2E02
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    セメント産業では2010年までに廃棄物・副産物の使用原単位を現在の350kg/tから410kg/tに引き上げる数値目標を掲げている。廃棄物由来の原料成分にはAl2O3が多く含まれており、その結果多量のC3Aを生成し流動性は低下する。流動性保持のために分散剤を添加するが、吸着した分散剤の一部は水和生成物へ収着してしまい分散性能は失われてしまう。セメント中のSO3はC3Aの水和を抑制するが、SO3量および添加する石膏の種類に対する分散剤の収着量の議論はなされていない。本研究ではC3A量を増加させニ水・半水石膏を加え調整したセメントへ分散剤を添加して流動性の評価を行い、その吸着挙動について検討を加えた。
  • 小泉 公志郎, 露木 尚光
    セッションID: 2E03
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    ポリカルボン酸系やナフタレンスルホン酸系をはじめとするコンクリート用の高性能AE減水剤は,その性質上必要不可欠のものとなっている。 セメントの水和反応における減水剤の作用機構は諸説あるが,水和時に形成されるカルシウムシリケート水和物への影響については,ほとんど言及されていない。演者らは,セメントの水和反応の際に混和剤が及ぼすケイ酸構造への影響を,トリメチルシリル化法を用いることにより検討した。
  • 斎藤 豪, 坂井 悦郎, 三田 卓, スクリブナー カレン, 大門 正機
    セッションID: 2E04
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    The long-term stability and durability of autoclaved cementitious building materials such as walls and roofs are very important in connection with the quality assurance systems of houses. For that purpose, production of crystal 1.1nm-tobermorite in the materials by autoclaved curing is indispensable and focus on its crystallinity in the various water-to-powder-ratio is important when they’re really used as building materials. This paper describes the effect of water-to-powder-ratio on crystallinity of autoclaved calcium silicate hydrates such as 1.1nm-tobermorite in Portland Cement -α-quartz-water systems with water-to-powder-ratio from 0.2 to 0.9 at 180℃.
  • 西川 真, 加藤 真嗣, 斎藤 豪, 坂井 悦郎, 大門 正機
    セッションID: 2E05
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    トバモライトやゾノライトなどのケイ酸カルシウム水和物は、住宅の外壁材をはじめ、断熱材、保温材、耐火被覆材や人造木材などに利用され、また調湿材としての検討もなされている。以上のような各種のケイ酸カルシウム水和物を利用した材料、特に炭酸化による調湿機能の向上を期待した研究は、毛細管凝縮の起こるゲル空隙に着目したものである。また、トバモライトの生成によって生ずる毛細管空隙は、それ自体を構造体として利用する場合、貫通細孔としての機能を有するため、壁材全体のゲル空隙を有効に利用し調湿機能を向上させると考えられる。本研究は、最適なトバモライト系調湿材とするために、主に空隙構造に着目し検討を行った。
  • 時津 総一郎, 坂井 悦郎, 斉藤 豪, 大門 正機
    セッションID: 2E06
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    珪酸カルシウム水和物の一つであるトバモライトを炭酸化することによってリサイクルの可能性があることは既報の通りである。トバモライトは炭酸化によってカルサイトとゲル状のシリカを生成する。これを焼成することによってビーライトが得られる。ビーライトは通常1300℃程度の高温で生成する物質であるが、炭酸化を経由した場合、反応性の高いゲル状のシリカを含むために、通常よりも低温である750℃程度で生成した。本研究ではこの研究を一般の系に近づけるため、OPC‐シリカ系のシリカセメントを水熱養生して得られたトバモライトを中心とする材料について、リサイクルの可能性及び材料としての使用可能性についての検討を行った。
  • 坂本 昌史, 浅賀 喜与志, 川瀬 拓馬, 久我 比呂氏
    セッションID: 2E07
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    石灰石,石英,岩石粉など本来はポゾラン性をほとんど有しないが,安価で,入手しやすく,生産量も多い各種の無機質の微粉末は,その粒度分布特性などを利用して主にレオロジカルな性質の向上を目的とする混合材として使用されている。本研究は無機質微粉末を添加し、10年間養生したセメントペースト硬化体の特性を調べた。ポルトランドセメントに無機質微粉末をセメントに対して外割で20%加え,W/C=0.4で混練して、20℃の水中で10年間養生した資料の圧縮強度、強熱減量,DSCによる水酸化カルシウムの定量,XRDによる水和物の同定、水銀圧入法による細孔径分布の測定を行った結果について報告する。
  • 高宮 陽一
    セッションID: 2E08L
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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  • 石田 積
    セッションID: 2E09F
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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  • 山下 弘樹, 平尾 宙, 星野 清一, 山田 一夫
    セッションID: 2E22
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    普通セメントの組成と比較すると多くの廃棄物の組成はAl2O3量が多い傾向にある。このため、セメント原料としての廃棄物増加のためには、セメント中のC3A量を増加させることが有効である。一方で、セメントの鉱物組成が変化した場合には、主にC3Aの水和制御の目的で粉砕工程にて加えられる石膏の最適量も変化すると考えられる。ここでは、セメントのC3A量に注目して、セメントの鉱物組成が変化した場合の石膏量とモルタル強さの関係を評価し、リートベルトによる水和物解析結果からその機構を検討した。
  • 福田 峻也, 羽原 俊祐, 小山田 哲也, 藤原 忠司
    セッションID: 2E23
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    DEFとは蒸気養生した硬化コンクリートに、局所的に多量のエトリンガイトが生成し、数ヶ月から数年で起こる膨張破壊する現象である。本報告では、3種のセメント(普通、早強、エコ)、添加する硫酸塩の種類及び量、蒸気養生及びその後の養生温度、水中・湿空などの条件が、DEFによる硬化体の膨張に及ぼす影響について検討した。これらの条件からDEFを生起させる材料・養生条件の把握を行った。
  • 浅賀 喜与志, 宮下 真由美, 菅井 咲子
    セッションID: 2E24
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    一般に作製されている水セメント比0.3-0.5程度の硬化体を用いて、透水性を測定すると、透水量が少ないため、硬化体の不均質などの影響で誤差が大きく、再現性のある透水係数を得るのは難しい。本研究では、均質で気孔率の大きなセメント硬化体を作製し、細孔構造と透水性および透過水の特性について検討した。高機能特殊増粘剤と高性能減水剤を併用してポルトランドセメントおよびセメントにスラグを添加し、水固体比1のペーストを1-6ヶ月養生して硬化体を作製した。2-3MPaの水圧をかけて透水試験を行い、透水量を測定して透水係数を得た。透過水のpH、電気伝導度、溶損している各種のイオン濃度を測定した。また、試験前後における硬化体の水和物、細孔構造を、XRD,SEM、水銀圧入法で測定し、透水前後の水和物の形態変化と細孔構造の変化などを検討した結果を報告する。
  • 神山 亮, 大宅 淳一, 大場 陽子, 坂井 悦郎, 大門 正機
    セッションID: 2E25
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    有害金属であるヒ素のセメントや粘土鉱物への固定などが多くの研究者により検討されている。一方、既に筆者らは、AFm相がCrO42-やSeO42-などを層間に取り込むことを既に明らかにしてきている。本研究ではAFm相のヒ素の固定に関して、イオン形態とその収着挙動について明らかにすることを目的とした。そこで、C3Aに対するNa2HAsO4とCaSO4・2H2Oの置換率を変化させ、水和生成物について検討を加えた。
  • 井上 悟, 褚 松竹, 和田 健二, 礒貝 雅文, 安盛 敦雄
    セッションID: 2F01L
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    陽極酸化アルミナの細孔配列規則性を向上する方法について研究した。硫酸水溶液中におけるアルミニウム金属薄膜の高電位印可陽極酸化により、高度に細孔が規則配列した多孔質陽極酸化アルミナを作製した。 処理に要する時間は数時間であり、非常に短時間で作製可能であった。アルミナナノ細孔メンブレンを大面積で作製する画期的かつ経済的な方法であり、ナノテクノロジ_-_の様々な分野で応用可能な方法である。
  • 東 耕平, 三浦 清貴, 藤田 晃司, 浜辺 理史, 平尾 一之
    セッションID: 2F02L
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    ガラス構成イオンと金属アルミニウム(Al)との酸化還元電位差に着目し、SiやGeのナノ微粒子が分散したガラスを溶融急冷法により作製することを試みた。今回、得られた様々なガラスを用いて可視域全域において、幅広く発光する白色蛍光を観測したので報告する。
  • 澁谷 吉紀, 田部 勢津久
    セッションID: 2F03L
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    Er3+イオンをドープしたCeO2結晶は、光通信においてUバンド帯といわれる波長1625_から_1675nmの範囲にて強い蛍光を示す。この波長域にてEr3+イオンが強い蛍光をしめしうるホスト材料は、ほとんどない。したがって、CeO2を基にした蛍石構造を有する結晶材料は、Uバンド帯におけるEr3+イオンドープ光増幅器への応用が期待できる数少ない材料であると考えられる。XRD測定により、得られた(Ce1-xYx)0.995Er0.005O2-δ結晶(x=0.0∼0.3)は、Ce4+イオンサイトにY3+イオンが置換固溶した蛍石構造を有していることが確かめられた。さらに、Y3+イオンの置換固容量が増加するにつれ、アップコンバージョン発光の強度が減少し、光通信波長帯域における発光強度と発光スペクトル半値幅が増加した。
  • 成毛 治朗, 森 亨, 山瀬 利博
    セッションID: 2F04
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    我々は,希土類6核を含むヘテロポリニオブ酸クラスターの焼成により,希土類がドープされたNaNbO3が比較的低温で生成することを見い出し,特にErとYbの共ドープでは励起光(近赤外光)のパルス幅で発光色を緑から黄に制御できるアップコンバージョン蛍光体が得られることを報告してきた.本研究では,この蛍光体のYb→Erエネルギー移動効率と発光強度の最適化を目指し,前駆体である希土類ポリニオブ酸クラスターの調製方法を変えることによりNaNbO3格子内の希土類イオン分散状態の制御を試みた.その結果,同じ希土類組成でも前駆体調製プロセスにより発光強度やスペクトルが大きく異なることを見い出した.
  • 早川 知克, 早川 雅彦, 野上 正行
    セッションID: 2F05
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    近年、我々はTeO2ガラス中に添加したEr3+のアップコンバージョン蛍光を用いて、フェムト秒レーザー照射によるガラスの部分加熱の定量化に成功した。本研究では、ガラスの非線形吸収とEu3+の非輻射緩和についての検討を進め、フェムト秒レーザーによる局所加熱について詳しく調べた。
  • 山下 達弥, 鈴木 健伸, 大石 泰丈
    セッションID: 2F06
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    可視域光通信用光増幅器を実現を目的として、Tb3+を添加した光増幅媒体の検討を行っている。本研究では、Tb3+添加シリケートガラスを溶融急冷法により試作し、これらの熱力学特性及びガラス中のTb3+の吸収・発光特性について明らかにした。検討したガラスはTb3+の高濃度添加が可能であり、Tb3+の波長0.54μmの輻射遷移(5D47F5)の蛍光寿命は約2.6msec、誘導放出断面積は約0.8×10-21cm2であった。添加イオン濃度が15wt%以下において濃度消光は観測されなかった。本ガラスは、0.54μm帯の光増幅媒体として期待できる。
  • 近藤 裕己
    セッションID: 2F07F
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    光通信メトロネットワーク向けの光アンプ用超小型導波路を作製した。1cm2サイズのErドープ光導波路は通信波長Cバンド全域において15dBを超える利得、12dBmを超える光出力を有する。多成分ビスマス系ガラスを用い、成膜とドライエッチングにより導波路を作製する。励起波長1480nmと980nmでの増幅特性を比較する。
  • Rajan Jose, Madoka Takemura, Takenobu Suzuki, Yasutake Ohishi
    セッションID: 2F09
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    Raman gain spectra in a series of phospho-tellurite samples have been investigated using Raman scattering technique. Glasses considered in the present study were synthesized using conventional melting and quenching of oxides and/or carbonates at identical conditions. Thermal and optical properties of these glasses were also determined. Effects of NbO6, WO3, and P2O5 on the resultant Raman gain spectra of the phospho-tellurite glasses considered here are discussed.
  • 鈴木 健伸, 岡田 佳貴, 大石 泰丈
    セッションID: 2F10
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    近年、ビスマスとアルミニウムを共添加したシリカガラスが1.3ミクロンを中心とするブロードな発光を示すことが報告され、光通信などへの応用が期待されている。今回、組成および励起波長を適切に選択することで更なる広帯域化を目指し、半値幅が400nmを超える超広帯域な発光を示すことを見いだした。この波長領域でこれほど広帯域な発光を示す材料は私たちの知る限り報告されていない。この発光は低温と室温の発光寿命に大きな変化はなく、非輻射遷移による発光効率の減少がほとんどないことを示唆している。以上の結果から今回報告するビスマス添加シリケートガラスは光通信用の高効率超広帯域光増幅媒体として非常に有望であると考えられる。
  • 田中 滋, 石川 由加里, 伊藤 博基, 柴田 典義
    セッションID: 2F22
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    JFCCでは、ZnOを母体にしたEr添加ZnO薄膜を検討し、ポストアニール工程を導入することでAs-depo試料よりも近赤外発光効率が上昇することを示した。しかし実用上は更なる発光強度の向上を目指す必要がある。薄膜のような非平衡反応ではプロセス条件が結晶そのものに影響を与える。そこで本研究では、発光強度向上を第1目標とし、薄膜作製時のプロセスと発光強度との関係を明らかにすることを目指した。結果は2つに大別された。すなわち(1)As depo試料で比較すると、スパッタ終了後にヒータoffするクエンチに近い状態の方が発光強度は強く、平衡条件に近いゆっくりとした降温速度では大きく減少した。また(2)アニール条件に関しては、酸素濃度が多くするにしたがい、発光強度が増加していく傾向を示した。アニールすることにより強度の向上は認められるが、さらに酸素富化条件ではAsdepo試料に比べて約10倍に達している。
  • 桑原  誠, 福田 大輔, 藤原 礼
    セッションID: 2F23
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    高濃度アルコキシドゾル_-_ゲル法を用いて作製したBaTiO3:Pr 蛍光体のフォトルミネッセンス特性に及ぼすMgの添加濃度および熱処理温度の影響についての総括的な報告をする。
  • 稲熊 宜之, 土谷 武史
    セッションID: 2F24
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    ペロブスカイト型酸化物R1/2Na1/2TiO3: Pr ( R = La, Gd, LuおよびY)の結晶構造と発光特性の関係について調べた。すべての試料において強い赤色発光が観測された。Rのイオン半径が小さくなるにつれて発光ピーク波長は増加した。これは格子サイズの減少に伴い、Pr-O間距離が減少し、共有結合性が増加したことに対応すると考えられる。また、励起過程は母体のバンドギャップの電子遷移に対応し、Rのイオン半径が小さくなるにつれて吸収端が短波長側にシフトすることに伴い励起ピークも同様に短波長側にシフトすることがわかった。
  • 町田 憲一, 張 宏川, 堀川 高志, 半沢 弘昌
    セッションID: 2F25
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    3価のセリウムイオンを付活したY2Si4N6C:Ce3+を炭素還元窒化法で合成し、その構造と蛍光特性を調べた。その結果、Y2Si4N6Cには2種類のYサイトが存在し、これらをCe3+イオンが占有することで、420nmおよび560nm付近にピークをもつ励起および発光スペクトルを与えることが明らかになった。これらの結果をもとに、Ce3+イオンを同様に付活した酸窒化物との蛍光特性を対比し、これらの白色LED用黄色蛍光体としての可能性を検討した。
  • 戸田 健司, 細梅 雅史, 上松 和義, 佐藤 峰夫
    セッションID: 2F26
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    紫外線を長残光で発する蛍光体を合成しこれを励起源として、既存の蛍光体を発光させることを試みた。本研究では、Sr-Ln-Si-O系化合物(Ln = 希土類)に発光イオンとしてCeを付活し、蓄紫外線蛍光体の合成を行った。蓄紫外線蛍光体Sr-Ln-Si-O:Ceを用いる事により、既存の紫外線励起蛍光体を長残光蛍光体として利用できるだけでなく、夜間に光源なしに働く光触媒を実現することができる。
  • 安藤 大介, 山口 奈緒子, 忠永 清治, 辰巳砂 昌弘
    セッションID: 2G01
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    本研究室では、これまでに温水処理を伴うゾル-ゲル法を用いることで亜鉛‐アルミニウムおよび、マグネシウム‐アルミニウム層状複水酸化物薄膜を作製している。そこで本研究では、電気化学的な応用が期待されるニッケルに注目し、ニッケル‐アルミニウム層状複水酸化物を同様に作製した。 Al(O- sec -C4H9)3とNi(NO3)2から調製したゾルを用い、ソーダライムガラス基板への空気中でのディップコーティングを行った後、400℃での焼成によってNi-Al酸化物系非晶質薄膜を作製した。この薄膜を100℃のNaOH水溶液(pH8)で温水処理することによってニッケル‐アルミニウム層状複水酸化物が薄膜表面に析出した。
  • 萩原 快朗, 境田 広明, 望月 大, 下嶋 敦, 黒田 一幸
    セッションID: 2G02
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    二重四員環構造のケイ酸八量体(Si_8O _2O)^8-の頂点をアルコキシ基を有するクロロシランでシリル化することによって、新規ケイ酸オリゴマーを合成した。このオリゴマーの界面活性剤存在下での加水分解・縮重合反応によってメソ構造体を合成した。得られた生成物はXRDパターンにおいてメソスケールの構造規則性に由来するピークが確認された。また、生成物の固体29Si MAS NMRスペクトルより二重四員環構造が開裂せず大部分が保持されていることが強く示唆された。
  • 藤本 泰弘, 下嶋 敦, 黒田 一幸
    セッションID: 2G03
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    我々は、1-ヘキサデシニルトリメトキシシランとテトラメトキシシラン(TMOS)の共加水分解・縮重合によって得られるハイブリッドを化学処理することで、wormhole-like構造のメソポーラスシリカが得られることを既に報告した。本報告では、出発分子のアルキル炭素数の変化および出発分子に対するTMOSのモル比を変化させることによって、得られるメソ構造体の細孔パラメータの制御を試みた。アルキル炭素数10の1-アルキニルトリメトキシシランを用いた結果、アルキル炭素数16の系よりも細孔径が小さくなることがわかった。一方、出発分子に対するTMOSのモル比を増加させると、細孔径は変化せずにシリカ細孔壁の厚みが増大し、細孔容積が減少することがわかった。
  • 稲田 幹, 西之園 晃, 鎌田 海, 榎本 尚也, 北條 純一
    セッションID: 2G04
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    マイクロ波照射下、W/Oエマルションを用い、ゾル-ゲル法により球状メソポーラスシリカを合成した。部分加水分解したTEOSとテンプレートである界面活性剤(C18TAC)を含む水溶液と、テトラグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを溶解したヘキサンを混合・撹拌することにより、良好なW/Oエマルションを得た。このエマルションをマイクロ波加熱することにより、比表面積約840m2/g、細孔径1.64nmの球状メソポーラスシリカを得ることができ、マイクロ波照射中の水相においてもC18TACがテンプレートとして機能したことがわかった。
  • 犬丸 啓, 前川 祥一, 山中 昭司
    セッションID: 2G05
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    Mo, Nbなどの遷移金属のハライドは、直径約1nmの6核クラスター分子を形成することが知られている.これらの分子は、無機化合物でありながら、明確な分子構造をもつ、配位可能なサイトをもつ、などの特徴をもつ.我々はこの特徴に着目し、これら遷移金属ハライドクラスタを部品として用い、ナノメートルサイズの高次構造を構築する研究を進めている.今回は、直線状のナノ細孔をもつメソポーラスシリカのチャネル内に、配位子で連結したMoハライドクラスタ分子ワイヤを合成した.窒素吸着による細孔解析、TEM, IRなどにより、キャラクタリゼーションを行った.この分子ワイヤの機能はまだ不明である.しかし、このような無機分子を用いた1次元分子ワイヤ合成へのアプローチは、ボトムアップ型ナノテクノロジーの基本技術として発展する可能性がある.
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