日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
2006年年会講演予稿集
選択された号の論文の652件中151~200を表示しています
  • 村松 大樹, 林 克郎, 松石 聡, 神谷 利夫, 細野 秀雄
    セッションID: 1J24
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    ナノ構造を有する12CaO・7Al2O3を置換した、Ca12Al14-xSixO32Cl2 + x (0 ≦ x ≦ 3.4) の焼結体において、その室温付近の電気伝導度が、実用的な高い湿度感受性を持つことを報告する。x = 3.4の組成が最も高い電気伝導度を示し、相対湿度(RH)に伴って、4桁程度の伝導度の増加を示すことが分かった(RH10-90の範囲で3.88×10-4_から_6×10-8 S/cm)。電気伝導度は焼結密度と、温度の上昇に伴い低下することから、表面の吸着水により伝導が起きていると考えられる。
  • 加藤 純雄, 小佐川 健也, 横山 公宏, 吉澤 卓也, 小笠原 正剛, 中田 真一, 若林 誉, 中原 祐之輔
    セッションID: 1J25
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    格子中の酸素が出入りしやすい構造上の特性を持つSn含有パイロクロア型酸化物La2Sn2O7に注目し、これを担体とした触媒の調製を行った。また、触媒性能の向上を目的としてSnサイトに遷移金属Mnを置換した触媒を調製し、その排ガス浄化活性の検討を行った。その結果、Mnを置換したLa2Sn2O7にRhを担持した触媒は、従来のRh/CeO2-ZrO2触媒よりも高いNO浄化活性を示すことがわかった。また、Mn置換量を増加させると、ペロブスカイト型酸化物LaMnO3が生成し、NO浄化活性が低下した。このことは、触媒中におけるMnの存在状態が活性に影響することを示している。
  • 内山 弘章, 奥村 明史, 森 一史, 徳永 悠, 今井 宏明
    セッションID: 1J26L
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    二酸化チタン、メソ多孔質シリカのナノレベルでの複合体を作製し、吸着剤による気相中の有機物質の速やかな吸着とその後の光触媒による完全な分解を検討した。試料はメソ多孔質シリカの前駆溶液に二酸化チタンナノ粒子を加えた後に重合させることで作製した。二酸化チタン、メソ多孔質シリカのナノ粒子はナノレベルで均一に混合されており、0.05 mol%の二酸化チタンを含有する試料は1000 m2/gの高比表面積を有していることが確認された。この複合体は1500ppmのアセトアルデヒドを30分以内に吸着すると共に、その後の光照射により吸着された分子を90%以上分解することができた。この手法では添加する二酸化チタンを選択することで光源や対象とする物質に応じた効果が期待される。
  • 鈴村 禎崇, 金森 主祥, 中西 和樹, 平尾 一之, 山道 淳太
    セッションID: 1J27L
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    相分離を伴うゾルゲル法と微小空間が与える影響を組み合わせることで、2次元制限空間中に異方性を有するシロキサンゲルを作製できることが知られている。この材料は主に新規HPLCカラムとしての応用が期待されるが、さらに気孔率を増加させることや骨格内に小さな細孔を排除することなど、まだ課題が残されている。出発組成を変えることでこのピラー構造のモルフォロジー制御は狭い範囲で可能であることが現在分かっているが、本研究では外場を加えることでさらに広い範囲でもモルフォロジー制御を目指している。
  • 鈴木 俊介, 酒井 宗寿, 宗 政桓, 橋本 綾子, 吉田 直哉, 亀島 欣一, 中島 章, 岡田 清
    セッションID: 1J29
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    ガラス等親水的な材料を撥水化するコーティング技術は工学的ニーズが高い。しかし水滴除去能力を示す転落加速度など、「動的撥水性」をその表面組成や構造と結びつけた例は少ない。本研究ではSi表面に様々な有機シランをコーティングし、その上での水滴の転落加速度を議論している。今回はSi基板に異なる2種類の疎水鎖をもつ有機シランをライン状にパターニング処理した。この試料上で、濃度の異なる各水溶液製の液滴をそれぞれ転落させ、その様子をハイスピードカメラで観察した。また、転落方向に対しライン方向を傾斜させることで、液滴の転落方向を制御することを試み、パターニング化した撥水膜での液滴自動選別の可能性を議論する。
  • 酒井 宗寿, 宋 政桓, 橋本 綾子, 阿久津 洋介, 鈴木 俊介, 吉田 直哉, 亀島 欣一, 杉淵 美穂, 中島 章
    セッションID: 1J30
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    近年各種の工学分野で、撥水性固体表面の「液滴の除去性能」を示す「動的」な濡れの重要性が認識され始めている。実際の工業材料では大きさや機能などから、表面の傾斜角度が決まっているので、どれくらいの時間で液滴が落ちるかという、液滴除去性の情報が必要である。超平滑表面(Ra 1 nm 未満)の撥水処理を施された基板上では、一定の傾斜角で水液滴を転落させた時、その転落挙動は「等加速度運動」をとる。高速度カメラを用いて転落時の映像を動画処理することから、液滴の転落挙動(転落(加)速度と形態変化)を評価した。また、粒子画像速流速測定法により内部流動を可視化し、固体表面が流体(液滴)に及ぼす相互作用を評価した。
  • 小林 敬, 高橋 亮治, 佐藤 智司, 袖澤 利昭
    セッションID: 1J31
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    相分離を利用したゾル-ゲル法により水ガラスをシリカ源としてマイクロメートルサイズの相互連続貫通孔構造をもつシリカゲルの作製が可能である。ゾル作製段階において加える有機添加物の量を変えることで連続性の無い孤立細孔、または粒子凝集体となることが知られている。そこで本研究では有機添加物に低分子量の界面活性剤であるドデシル硫酸ナトリウムを用い、その量を調節することにより意図的に粒子凝集体とすることでマイクロメートルサイズの球状シリカの作製を試みた。
  • 島津 めぐみ, 亀島 欣一, 中島 章, 岡田 清
    セッションID: 1J32
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    CaO-Al2O3-SiO2系試料は、重金属イオンとPO43-、NH4+を水中から同時に除去する、という複合吸着特性を持つ。これはCaO-Al2O3-SiO2系試料に特有の性質であり、効率の良い水質浄化に非常に有効である。組成を系統的に変えた試料を共沈法によって作製し、Ni2+、PO43-、NH4+が含まれた水溶液を用いて二種類の除去実験(バッチ実験とカラム実験)を行った。除去能と組成の関係、除去メカニズムについて考察を行った。どちらの除去実験においてもAl2O3 richの試料が高い除去能を示し、そのメカニズムはイオン置換と沈殿生成、吸着であることが分かった。 
  • 渡邊 修, 石田 秀輝
    セッションID: 1J33
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    水熱固化法は建材の製造方法の一つとして重要な役割を担っている。主な製品はトバモライトを主構成成分としているためかなり純粋なシリカ源を必要とするが、不純物を少なからず含有する原料を用いることができれば原料の選択範囲が大きく広がりより有用性が増すことが期待される。そこで粘土鉱物などアルミナ成分を多く含有する鉱物を含むシリカ源を用いて水熱固化したときの反応について検討した。反応生成物として珪酸カルシウム水和物の他にハイドロガーネットが認められた。反応速度は純粋なシリカを用いた場合よりも遅いが、成形体の充填を上げることにより建材として利用可能な強度が得られることがわかった。
  • 古川 慎也, 増井 敏行, 今中 信人
    セッションID: 1J34
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
     無機顔料の大部分はその構成元素として遷移金属や重金属を含んでおり、中でもCd、Pb、Crといった元素を含む顔料は優れた彩度を有しているため多く用いられてきた。しかし、これら有害元素を含む顔料化合物の使用が制限、または廃止される傾向があり、人体や環境に対して無害な代替顔料の開発が求められている。本研究では無害な元素のみから構成される新規な優環境型無機顔料を開発し、その特性を調べた。
  • 脇谷 尚樹, 門脇 貞子, 長宗 豊和, 木口 賢紀, 水谷 惟恭, 篠崎 和夫
    セッションID: 2A01
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    PLDチャンバー内のターゲットと基板間に空芯のソレノイドコイルを挿入した『ダイナミックオーロラPLD』装置を試作した。ソレノイドコイルには900Aの直流電流を流すことが可能で、この場合2000Gの均一な磁場をターゲットと基板間で発生させることができる。試作した装置を用いてエピタキシャル成長YSZ薄膜をシリコン基板上に作製した。磁場の印加によりYSZ薄膜の成膜速度は直線的に増加し、磁場を印加しない場合と比べて、2000Gの磁場を印加すると成膜速度は約3倍に増加し、結晶性も向上した。成膜時の磁場印加がYSZ薄膜の誘電特性に及ぼす影響についても検討を行った。
  • 木口 賢紀, 脇谷 尚樹, 水谷 惟恭, 篠崎 和夫
    セッションID: 2A02
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    SiO2膜に代わる高誘電率ゲート絶縁膜として非晶質ジルコニウムシリケート,非晶質ジルコニウムアルミネートが注目されているが,poly-Siゲートプロセスにおける熱処理過程でZrO2相が分相し,組織・組成の空間的変動や見かけの誘電率の低下,リーク電流密度増加などの問題が起こっている.本研究では,高温で安定なLa-Ta-Zr-O系の非シリケート型非晶質ゲート絶縁膜の組成の最適化を行い,高温での非晶質ナノ構造安定性評価,電子構造評価を行った.
  • 金原 弘幸, 張替 貴聖, 南 ソンミン, 掛本 博文, 和田 智志, 鶴見 敬章
    セッションID: 2A03
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    BaTiO3/SrTiO3系人工超格子を分子線エピタキシー法によりSrTiO3基板上に作製した。各成分を交互に10層ずつ計80単位格子分積層させた[BT10/ST10]4をはじめ、[BT12/ST8]4、[BT15/ST5]4という3つの試料を作製した。成膜中のRHEED観察、また試料のXRD測定から所望の超格子が得られたことを確認した。フォトリソグラフィーを用いて試料上に微小平面電極を形成し、複素アドミッタンスの周波数依存性を-50℃から150℃の範囲で測定した。得られた測定結果を電磁界解析することで超格子の誘電率を算出した。これらの実験結果から、積層周期の違いが誘電特性の温度依存性に与える影響を考察したので報告する。
  • 松尾 孝敏, 寺西 貴志, 張替 貴聖, 南 ソンミン, 掛本 博文, 和田 智志, 鶴見 敬章
    セッションID: 2A04
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    BaTiO3とSrTiO3を10単位格子ずつ交互に積層したペロブスカイト型人工超格子が、比誘電率30,000以上という極めて高い誘電性を示すことを、これまでに報告してきた。人工超格子の示す物性は既存材料の限界を破る可能性を秘めているが、成膜法として使用される分子線ビームエピタキシー(MBE)法は、制御性に優れ逐次蒸着による原子層エピタキシーを可能にするものの、成膜速度が極端に遅いという欠点を有している。そのためMBE法を用いる限り、人工超格子の優れた物性を実用材料で得ることは困難になる。そこで本研究では、実用プロセスとして既に確立しているスパッタ法でペロブスカイト型人工超格子の作製を試み、得られた薄膜についてマイクロ帯域での誘電特性を測定した。
  • 林 聖悟, 木口 賢紀, 脇谷 尚樹, 水谷 惟恭, 篠崎 和夫, 佐藤 桂輔, 近藤 正雄, 栗原 和明
    セッションID: 2A05
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    近年、強誘電体材料の光学特性に関する研究が盛んに行われており、その中でもPMN-PTは高い電気光学効果を持っており光学材料としての応用が期待されている。LSCO/CeO2/YSZをバッファー層として導入することでPMN-PTをSi基板上にエピタキシャル成長させることを試みた。その結果、LSCOと同じ成膜温度でPMN-PTを成膜することでエピタキシャル薄膜を作製できた。さらにマスクなどを用いることで、成膜速度は非常に低下するがドロップレットのない薄膜を作製した。また、導波路として面内に光を通すためには2μm以上の膜厚が必要であり、より厚く平滑な膜を作製することが可能な方法を現在検討中である。
  • 文 志原, 脇谷 尚樹, 水谷 惟雄, 篠崎 和夫
    セッションID: 2A06
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    The Pb(Zr,Ti)O3 (PZT) thin films were prepared on SrTiO3 seeds using (111)Pt/IrOx/SiO2/(100)Si substrates by cold-wall type metalorganic chemical vapor deposition method (MOCVD). The SrTiO3 seed layers were prepared by pulsed laser deposition (PLD) method at 400-600oC with various deposition time. The crystalline phases of SrTiO3 seed layers were (100) and (110) mixed-oriented phases. About 100nm thickness of PZT thin films were crystallized at 290oC on 5min deposited SrTiO3 seed layers. In the two-step growth process, the SrTiO3 seed layer played the important role of providing nuclei in the succeeding growth of PZT thin films. The electrical property of PZT film prepared at 290oC on 5min deposited SrTiO3 seeds showed 22uC/cm2 of remanent polarization (Pr) and 165kV of coercive field (Ec). The influences of source supply conditions for low-temperature PZT thin film growth are still investigated.
  • 三輪 崇, 安達 直己, 尾畑 成造, 櫻田 修, 橋場 稔, 高橋 康隆
    セッションID: 2A07
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    大矢らはチタンテトライソプロポキシド(TIP)等のアルコキシドと乳酸(Lac)等の有機酸、水を混合すると無色透明なチタン酸水溶液(TIP-Lac)が得られ、これを用いたゾル-ゲル法で酸化チタン薄膜を作製できることを報告した。本研究では、強誘電体であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT、PbZrO3-PbTiO3) を合成するための前駆体水溶液にこのTIP-Lac水溶液を使用することを検討した。このTIP-Lac溶液とジルコニウムと鉛の有機酸塩を混合したところ、ほぼ無色の透明な水溶液が得られることを見出した。この水溶液はハロゲン、窒素、硫黄を含まないので、環境負荷の低い合成プロセスが期待できる。
  • 中垣内 亮, 幸塚 広光
    セッションID: 2A08
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    ポリビニルピロリドン(PVP)を含有するアルコキシド溶液をコーティング液とすることにより、サブミクロンの厚さをもつ単一相Ba(Sn,Ti)O3薄膜を1回のゾル-ゲル成膜操作で作製できることを明らかにした。作製条件が薄膜の微細構造と誘電的性質に及ぼす効果を系統的に調べた。
  • 津田 弘樹, 明渡 純, 中田 正文, 大橋 啓之
    セッションID: 2A09
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    エアロゾルデポジション(AD)法は、超微粒子材料の常温衝撃固化現象を利用した膜形成法であり、幅広い用途・分野で各種デバイスへ応用開発されている。紫外から近赤外(UV-NIR)領域における分光測定により、バンド間遷移に関係した構造の情報が得られることから、本報告では、AD法で膜を形成したPb(Zr,Ti)O3(PZT)薄膜のUV-NIR領域の分光測定を行った。PZT薄膜試料をAD法によりガラス基板上に形成した。作製した試料の反射率と透過率を検出部に積分球を用いたUV-NIR波長領域用分光器で測定した。測定した反射率と透過率を、光学モデルを用い、フィッティングにより誘電関数を算出した。アニール前後で消衰係数の波長依存性は変化しており、アニールによるバンド構造の変化が予想される。フィッティングした光学モデルのパラメータより算出したアニール膜のバンドギャップの値は、ゾルゲル法により形成したエピタキシャル膜で報告されている値とほぼ同等であった。as-deposited膜の消衰係数はアニール膜の消衰係数より大きく、as-deposited膜ではアニール膜よりも小さいバンドギャップの値が得られている。XAFS測定では、AD_-_as-deposited膜において局所構造の乱れが観測されていることから、バンド構造の変化の要因としてAD膜形成時に生じる局所構造の乱れが考えられる。謝辞:本研究は、経済産業省ナノテクノロジープログラム「ナノ電子セラミックス材料低温成形・集積化技術プロジェクト」による助成のもとに実施された。
  • 呉 世雄, 朴 載赫, 明渡 純, 森 正和
    セッションID: 2A10
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    BaxSr1-xTiO3(BST)薄膜は強誘電率や低誘電損失などの特性を持つため、DRAM,高周波デバイスなどの応用に関心が高まっている。それで、本研究では常温でセラミックス成形が可能なエアロゾルデポジション(AD)法を用いてBaxSr1-xTiO3(x=1.0、0.6、0.4)の薄膜をCu電極に成膜し、熱処理前後の誘電特性をしらべた。Baの含有量の変化により、常温成膜したBST薄膜の誘電率(ε)は100から200まで増加し、誘電損失(tanδ)は3%から1%まで減少する傾向が見られた。特に400℃で熱処理したBa0.4Sr0.6TiO3 薄膜の誘電率は約400の結果を得た。
  • 水野 洋一
    セッションID: 2A22F
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    超薄層のNi電極積層セラミックコンデンサ(Ni-MLCC)に求められる、微粉、且つ高結晶なBaTiO3(BT)原料を得ることを目的として、TEM、SEM、TG-DTA、XRDを用いて、固相反応に於けるBT合成メカニズムについて解析した。Ni-MLCCに於ける焼結後の誘電体微細構造、及び電気特性は、粒子サイズ、結晶性など出発原料のBT粉体物性に大きく依存した。結晶性の高い微粉BT原料を用いると、結晶性の低い原料と比較して、粒成長が抑制され、高誘電率を得る事ができた。
  • 西村 ゆつき, 安岡 正喜, 長岡 孝明, 杵鞭 義明, 渡利 広司
    セッションID: 2A24
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    BaTiO3を低出力のマイクロ波で焼成するために,従来から低温での緻密化に利用される液相焼結と組み合わせることで緻密な焼結体を作製した.液相成分の添加方法としてBaCO3+2H3BO3 として添加する場合と予めBaB2O4を作製して添加する場合とで,その電気的特性に相違が見られた.前者は誘電体的特性を示し,後者は半導体的特性であった.その時の両者における添加物方法の違いによる差がどのように電気的特性に影響を与えているかについて検討を行った.
  • 西尾 政徳, 樋口 昌史, 淺香 隆, 東 保男, 片山 恵一
    セッションID: 2A25
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    Ba1-XSrXTiO3は、Ba/Sr比によってキュリー温度が変化し、キュリー点において極めて大きな誘電率を有する強誘電体である。本研究では、組成制御が容易、かつ低温合成が可能な溶融塩法を用いて、各種組成のBa1-XSrXTiO3単相粉末の焼結性および誘電特性について評価した。まず、出発原料を各種組成比に混合し、さらにKClを混合して700~1100℃に加熱して合成を試みた。得られた溶融物を熱水洗浄してKClを除去し、得られた粉末の生成相をXRDによって同定した。本研究で得られた単相のBSTの粒径は、0.25~0.8μmであった。焼成温度1300℃以上で相対密度93%を示した。
  • Xinyan Yue, Rong Tu, Takashi Goto
    セッションID: 2A26
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    b軸配向、微量Sr置換したBaTi2O5多結晶体をアーク溶解法により作製し、b軸配向、微量Sr置換したBaTi2O5単結晶体をFZ溶解法により作製し、BaTi2O5の誘電特性に及ぼす微量Sr添加の影響を調べた。3mol%以下微量SrOを添加し、それぞれの試料の最適合成条件および結晶配向、格子定数、誘電特性の変化を調べる。SrOを添加したBaTi2O5多結晶体と単結晶は、いずれも(020)に強く配向した。3mol%以上のSrOの添加量より、0.5mol%までのSrOを添加の誘電率は増大した。同じ成分のBaTi2O5多結晶と比べ、BaTi2O5単結晶体の誘電率は大きく増大した。
  • 塗 溶, 後藤 孝
    セッションID: 2A27
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    b軸配向したBaTi2O5多結晶体をアーク溶解法により作製し、BaTi2O5の誘電特性に及ぼす希土類元素(La, Ce, Nd, Eu, Y)添加の影響を調べた。0-5mol%希土類元素を添加したBaTi2O5多結晶体は、いずれも(020)に強く配向した。希土類元素添加量の上昇につれてBaTi2O5の格子定数が減少し、誘電率およびキュリー温度が減少した。希土類元素のイオン半径が小さいほど誘電率が小さくなり、イオン半径が大きいほどキュリー温度の減少が大きかった。
  • 吉田 雅, 大場 友則, 勝又 哲裕, 稲熊 宜之
    セッションID: 2B01
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    ペロブスカイト型酸化物HgMO3(M=Pb, Sn)を高圧下で合成し、電気伝導性の測定および電子構造計算を行い、電気伝導性とHgとの関係を調べた。その結果、HgPbO3は擬金属的であり、HgSnO3は金属的であると考えられた。APbO3(A=Ba, Sr, Ca)では、Pb(s)とO(p)が伝導経路となっているとされており、PbO6八面体の回転角度が電気伝導性に大きく影響することが知られている。しかし、HgPbO3はCaPbO3とPbO6八面体の回転がほぼ同じであるにもかかわらず、電気抵抗率はHgPbO3のほうが小さい値である。これはAサイトのHgの軌道が電気伝導にかかわっているためである考えられ、このことは電子構造計算の結果と一致する。
  • 辻 泰章, 小川 宏隆, 菅 章紀, 横井 敦史
    セッションID: 2B02
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    層状ペロブスカイトLa2BaIn2O7セラミックス及びLaサイトにSrを部分置換した試料を固相反応法により作成した。粉末X線回折の結果より試料はRuddlesden Popper相を示す事が確認された。この組成はIn八面体を中心としたペロブスカイト層とLa蛍石層からなる層状化合物である。導電率の測定にはインピーダンスアナライザーを用いた。酸素欠陥を導入するため、3価のLaサイトに2価のSrを部分置換したところ、導電率の向上が見られた。電気伝導率は750℃でLa2BaIn2O7が3.2×10-4S/cm、(La1.9Sr0.1)BaIn2O7が7.9×10-3S/cmである。
  • 大橋 良, 小川 宏隆, 菅 章紀, 横井 敦史
    セッションID: 2B03
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    (Bi,Pb)-2223超伝導体を固相反応法により作製し、エタノールと混合させ、本研究で用いる懸濁液を作製した。その懸濁液をNi基板およびNiO基板上に噴霧し、865℃、1hで焼結させ、(Bi,Pb)-2223超伝導皮膜を作製した。本研究では、冷却過程において焼結温度から650℃まで冷却させるときに、冷却速度を0.1°-10℃/minと変化させることで、臨界電流密度(Jc)へおよぼす影響を明らかにする。Ni基板においては、冷却速度が3℃/minのときに最も高いゼロ磁場Jcは77Kにおいて1200A/cm2を得た。またNiO基板においては冷却速度が0.5℃/minのときに1500A/cm2(77K,0T)を得た。
  • 小林 翔太郎, 西山 伸, 服部 豪夫
    セッションID: 2B04
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    熱電変換材料や、透明導電性材料として応用が考えられるAgSbO3薄膜をディップコーティング法により作製した。アンチモンブトキシドおよび酢酸銀を原料、エタノールないし2-メトキシエタノールを溶媒として用いた。作製した溶液をシリカガラス基板に15回ディップコートし、その度に15min自然乾燥または400℃において15min熱処理を施しゲル膜を得た。これを900ないし950℃において焼成して薄膜を得た。得られた薄膜の電気的および光学的性質の評価を行った。得られた膜のXRDによる同定を行ったところ、AgSbO3単相であった。また、熱処理を施した後に950℃で焼成した薄膜の膜厚は、溶媒に2-メトキシエタノールを用いたサンプルで約2.0μm、溶液をエタノールとしたサンプルで約1.0μmの膜が得られた。熱処理温度400℃、焼成条件950℃-0hとして作製したサンプルの900℃における電気伝導度は60 Sm-1だった。また、エタノールを用いたサンプルの可視光透過率の値は2-メトキシエタノールを用いたサンプルよりも高い値をとった。
  • 太田 裕道
    セッションID: 2B05A
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    可視光領域において透明で、金属に匹敵する高導電性を示す透明導電性酸化物(TCO)は、従来液晶ディスプレイ用の透明金属配線として応用されていたに過ぎなかった。我々は、従来多結晶薄膜として用いられてきたTCOを半導体並みに高品質化した“透明酸化物半導体(TOS)”を開発し、それらを組み合わせた紫外発光ダイオード、透明紫外線センサーや透明トランジスタなど、透明酸化物半導体の特長を活かしたオプトエレクトロニクスデバイスを開発した。
  • 両見 春樹, 坂口 勲, 大橋 直樹, 安達 裕, 菱田 俊一, 羽田 肇
    セッションID: 2B07
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    酸化亜鉛基薄膜はマグネシウムを置換することでバンドギャップの制御が可能である.さらに,不純物を添加することでキャリア濃度の制御も可能である.これにより,酸化亜鉛基変調構造の作製が期待される.本実験では,マグネシウム,不純物の濃度を変化させ,変調構造の応用を検討した.
  • 藤田 章雄, 芦田 淳, 中平 敦
    セッションID: 2B08
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    電気化学的手法による水溶液からのZnO薄膜の作製は、低コスト、簡便かつ大面積化が容易である。しかし、電解電流やpH等の電解条件が成長時間とともに変化するために成長速度が一定しない。従って、結晶性向上のための成長条件の最適化が困難である。この原因の一つとして、成長に伴う膜厚方向の電気抵抗の増大が考えられる。本研究ではこれを回避するために、成膜中の試料に紫外線を照射することによって生じる光励起キャリアを利用して膜を低抵抗化し、電解条件の安定化を試みた。その結果、電解条件ならびに成長速度の変動を抑制することに成功し、さらに成長速度の最適化による結晶性の向上を実現した。
  • 松嶋 雄太, 山崎 務, 前田 和之, 鈴木 健之
    セッションID: 2B09
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    塩化物を原料とする塩化物熱分解法を用いて管状炉内で酸化スズ膜を作製すると、黒色導電性の酸化スズ(SnO2)が得られる。合成時に酸素供給が不足することが原因であると考えられる。本研究では、X線回折法、EPMA、TG、SEM、ホール効果測定を用いて析出膜の特性を評価し、合成条件との関係を明らかにした。ガラス基板上に析出した酸化スズ膜は、高い<110>配向性を示した。黒色の原因は主に酸素空孔であり、材料中に原料由来の塩素が含まれていることがわかった。
  • 田崎 智子, 多々見 純一, 脇原 徹, 米屋 勝利, 目黒 竹司, 水谷  眞
    セッションID: 2B10
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    近年,産業界では焼結挙動の精密な制御が強く望まれている.酸化亜鉛ZnOにCeO2を添加すると電気特性が向上することがわかってきており,ZnO-CeO2焼結体は熱電変換への応用が期待されている.本研究ではCeO2添加系ZnOセラミックスの焼結過程を解析することにより,焼結挙動と微構造の関係を明らかにすることを目的とした.CeO2添加・無添加のZnOの収縮率は約15.5%で,CeO2添加系のものは収縮の開始が遅かった.これは,CeO2がZnO粒界の移動を阻害したためと考えられる.
  • 神谷 利夫, 柳 博, 植田 和茂, 平松 秀典, 平野 正浩, 細野 秀雄
    セッションID: 2B22
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    LaCuOSeに代表される、一般化学式LnMAB (Ln:ランタニドイオン、M:金属イオン、A,B: アニオン)を有する化合物には、LnA層とMB層が交互に積層した層状結晶構造を持つものがある。われわれは、これら化合物が、このような層状構造に起因する特異な物性を有することを報告してきた。たとえば、LaCuOCh (Ch: カルコゲンイオン)では、室温でも安定な励起子があること、バンドギャップが単純カルコゲナイドよりもはるかに大きいこと、高濃度ドーピングにおいても移動度の低下が小さいことなどが、このような層状構造に起因することがわかってきた。本講演では、LaCuOChに加え、(Eu,Sr)CuOF, LaMnOPといった一連の混合アニオン層状結晶の電子構造を光電子分光および第一原理計算によって検討した結果について、電気・光・磁気物性と関連付けて報告する。
  • 本光 英治, 平野 正浩, 柳 博, 神谷 利夫, 細野 秀雄
    セッションID: 2B23
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    LaMnOPn (Pn: P, As)はLa-O層とMn-Pn層がc軸方向に交互に積層した層状構造を有する。この結晶構造は、非磁性のLa-O障壁層と強磁性でキャリア輸送を担うMn-Pn層からなる超格子構造とみなすことができ、おもしろい磁気‐電気特性を示すことが期待できる。このような発想から、LaMnOPnに着目し、半導性・磁気特性の検討を行った。その結果、これらの物質がp型、n型の両極性を有し、かつ室温で強磁性を示す磁性半導体である事が明らかとなった。またこれらの物質は室温下でも大きな磁気抵抗効果を示し、スピンエレクトロニクスデバイスに有望な材料となると期待される。
  • 川村 竜登, 本光 英治, 柳 博, 神谷 利夫, 平野 正浩, 細野 秀雄
    セッションID: 2B24
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    層状オキシリン化物LaCoOPは、非磁性層であるLa-O層と磁性イオンを含み電気伝導層となることが期待されるCo-P層とがc軸に沿って交互に積層した結晶構造を持っている。本研究では、LaCoOP焼結体をLaPおよびCoOを原料とした固相反応法によって合成し、電気・磁気特性を評価した。XRD測定により得られた試料が単相であることを確認した。得られた試料の電気抵抗率を四端子法で、磁気特性を試料振動型磁力計(VSM)で測定した。電気抵抗率は10_から_350 K の範囲で金属的な挙動を示し、室温で1.1×10-4 Ω・cmであった。磁化測定の結果、得られた試料はキュリー温度40 K の強磁性体であることがわかった。
  • 崔 京九
    セッションID: 2B25A
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    磁気デバイスは電源回路および高周波インピーダンスマッチング回路のコンポーネントとして多く使われているが、近年、電子部品の高密度実装への要求による薄膜デバイス化が進められている。このような集積化磁気デバイスへ用いられる薄膜磁性材料の基本特性として、使用周波数帯域における高透磁率および高Q (=μ'/μ")値が求められる。本研究では、軟磁気特性が優れているCoZrNbアモルファス層と高飽和磁化を持つFe-C層を交互に積層し、その微細構造と高周波透磁率および磁気特性との関係を調べた。
  • 本多 沢雄, 橋本 忍, 淡路 英夫
    セッションID: 2C01
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    高電力システム用電子基板材料として用いられている市販の窒化アルミニウムおよびアルミナについて、赤外線放射加熱法(IRH)により耐熱衝撃試験を行った。これらの材料の熱衝撃破壊靱性は、環境温度を様々に変化させて赤外線放射加熱法を行い、実験および物性値計算により評価された。材料の熱物性値の温度依存性は温度分布および熱応力分布解析に考慮した。熱衝撃破壊靱性の実験値は計算値と良く一致した。2つの材料おいて、環境温度が上昇すると熱衝撃破壊靱性は低下した。窒化アルミニウムの熱衝撃破壊靱性は熱伝導率の急激な低下の影響で、室温付近においても大きな低下が見られた。
  • 柳原 正和, 本多 沢雄, 橋本 忍, 淡路 英夫
    セッションID: 2C02
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    マグネシアは高融点・耐化学薬品性・電気的絶縁性等の優れた性質を持つものの、高い熱膨張係数のために耐熱衝撃性が低く熱衝撃破壊が問題となっている。又、従来の急冷法である水中急冷法において、多孔体は細孔部分への水と水蒸気の浸透により、緻密体に比べると過酷な環境にも耐えられる事が知られている。この性質を利用してマグネシアの弱点である耐熱衝撃性を克服する事を目的とし、緻密体_-_多孔体セラミックスを作製し、それを流水急冷法と言う手法で評価を行う。(流水急冷法の利点は、熱伝達係数が実験から直接求められる事・時間に伴う熱応力を解析できる事にある)実際に評価を行うと、緻密体よりも高い耐熱衝撃特性が示された。
  • 青木 勇士, 杉本 隆之, 橋本 拓也, 森戸 祐幸
    セッションID: 2C03
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    材料の熱膨張制御は光通信素子、固体酸化物型燃料電池の信頼性、耐久性向上のために強く望まれている。特にゼロ膨張を示す材料は光学素子の固定など広範囲な応用が考えられている。光通信素子への応用のためには-50から100℃の範囲でゼロ膨張を示す材料が望ましい。Al2(WO4)3は0から450℃でゼロ膨張に近い負の熱膨張を示す。しかしながら-22℃付近で一次相転移に伴う急膨張を示し、相転移温度以下では正の熱膨張を示す。従って、本物質系の応用のためには本構造相転移を低温側へ制御する必要がある。本研究ではAlサイトにScやGaなど3+のイオンを部分置換する事によって熱膨張及び相転移の制御が可能か否かを検討した。
  • 川原 稔央, 杉山 弘晃, 福田 良平, 木練 透, 安盛 敦雄, 西尾 圭史
    セッションID: 2C04
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    ゾル-ゲル法により負の熱膨張を示すZrW2O8を600℃で合成、さらにゾル-ゲル法で合成したアモルファス粉体を用いて放電プラズマ焼結法によって高密度セラミックスを作製することに成功した。ZrW2O8は580℃付近でβ相として生成することが確認された。圧粉体を大気炉で焼結した低密度のセラミックスは室温から120℃付近まで正の熱膨張を示し、それ以上で負の熱膨張を示した。これに対して放電プラズマ焼結法により得られた高密度セラミックスは測定温度範囲で負の熱膨張を示した。低密度セラミックスの示差走査熱分析、熱膨張測定およびX線回折分析から吸着水が構造に歪みを与えていることが示唆される結果を得た。
  • 杉山 弘晃, 川原 稔央, 福田 良平, 木練 透, 安盛 敦雄, 西尾 圭史
    セッションID: 2C05
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    ゾル−ゲル法により合成したZrW2O8およびNiWO4アモルファス粉体を放電プラズマ焼結装置により加熱処理をすることで600℃と言う低温で結晶化させることに成功した。また、それぞれのアモルファス粉体を所定量混合し、放電プラズマ焼結させることで複合体セラミックスの作製にも成功した。得られたセラミックスは高密度であり、ZrW2O8/NiWO4の混合比を変化させることで熱膨張係数を正から負まで制御(8.95×10-6[K-1]から-9.15×10-6[K-1]:室温から165℃)することが可能となった。
  • 山崎 隼, 丹羽 栄貴, 橋本 拓也, 森戸 祐幸
    セッションID: 2C06
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    熱膨張制御は燃料電池などの高温用デバイス、電子回路のパッケージ、光通信の改良・普及等のために強く望まれている技術である。特に熱膨張・収縮を示さず形状安定性に優れたゼロ膨張材料の要望は大きい。我々は熱収縮材料であるZrW2O8とZrO2の共焼結により熱膨張挙動を制御した試料の合成に成功した。しかしながら本系では高強度の試料が作製しにくいことも明らかとなった。本研究では熱膨張材料としてSnO2を採用し、特に-100℃から100℃においての熱膨張制御の可能性を検討した。SnO2のモル比1:4.5から1:5.5において-100℃から50℃付近でゼロ熱膨張を示し、強度もある材料の作製に成功した。しかしながら50℃以上での急膨張も観測され、この起源および防止方法を現在検討中である。
  • 福田 良平, 杉山 弘晃, 川原 稔央, 西尾 圭史, 安盛 敦雄, 木練 透
    セッションID: 2C07
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    我々はこれまでに、ゾルーゲル法によって低温短時間で単層のZrW2O8焼結体を作製できることを報告した。また、ZrW2O8は負の熱膨張係数を示し‐8.3×10-6/degであった。この負の熱膨張を有するZrW2O8と他の材料を複合化することで熱膨張係数を制御し、より小さくすることが期待できる。本研究ではZrW2O8と同じオーダーで正の熱膨張を示すMgWO4粉体をゾルーゲル法によって作製し、その焼結特性を明らかにすることを試みた。 出発原料としてMgCl2、WCl6を用いたゾルーゲル法によってMgWO4粉体を作製できた。この粉体をペレット成型し800℃、1時間焼成することで単層のMgWO4焼結体を得ることができた。得られた焼結体の評価はXRD、SEM、TMAを用いて行った。
  • 福田 良平, 杉山 弘晃, 川原 稔央, 西尾 圭史, 安盛 敦雄, 木練 透
    セッションID: 2C08
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
     ZrW2O8は広い温度範囲で等方的に負の熱膨張を示し、その熱膨張係数は-8×10-6/degである。一方、MgWO4は正の熱膨張係数を示し、その熱膨張係数は5×10-6/degである。本研究では負の熱膨張を示すZrW2O8と正の熱膨張を示すMgWO4を複合化することで熱膨張係数の制御を試みた。原料にはゾルーゲル法を用いて作製したZrW2O8アモルファス粉体と結晶化させたMgWO4粉体を用いた。この2種類の粉体を任意の割合で混合し、放電プラズマ焼結法を用いて複合焼結体を作製した。得られた焼結体をTMAで評価したところ、組成に応じて負から正まで熱膨張係数を制御できることが明らかとなった。この際、体積比1:1ではそれぞれの熱膨張より1桁小さい10-7オーダーの熱膨張を示した。
  • 楠 美智子, 本庄 千鶴, 加藤 治夫
    セッションID: 2C09
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    カーボンナノチューブ(CNT)の合成法にはアーク放電法、レーザー蒸発法、化学気相成長法の3手法がよく知られているが、我々はSiC表面分解により高密度・高配向CNTの合成法を新たに開発し、その生成メカニズムについて透過型電子顕微鏡を用い解析を行ってきた。今回の報告においては、分解雰囲気を制御することにより、CNTの直径が2nmから10nmと大きく変化することをTEM平面観察法から明らかにする。また、このCNTの今後の応用展開についても報告する。
  • 久保 章, キニ N. S., 倉本 英哲, 山中 昭司
    セッションID: 2C10
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    フラーレンC60を出発物質として、Kawai型2段押しアンビルを用いて、15 GPa, 500-1500℃で超高圧高温処理を行うことにより、3次元ポリマーを合成した。得られた単結晶の構造解析から、重合はトポ化学的に進行することを明らかにした。モノマー結晶、2次元ポリマー結晶、そして新たに得られた3次元ポリマー結晶のマイクロビッカース硬度を測定した。硬度はポリマーの密度と構造に関係し、Hv = 5000の超高ポリマーが得られることが分かった。
  • 小寺 康博, 豊福 直樹, 山本 武志, 大柳 満之
    セッションID: 2C22
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    炭化珪素(SiC)は多くの興味深い特性を有するが、その優れた熱的安定性がゆえに緻密化を行うことは非常に困難であった。しかし、メカニカルアロイングを用いて作製した積層無秩序構造を有するSiCをパルス通電焼結法にて焼結すると、焼結助剤を添加せずとも短時間で相対密度99%以上の緻密体を得られることがわかった。このとき、高密度焼結体は3C-SiC構造を有した。そこで、X線回折法、NMR法、Raman分光法などを用いて構造解析を行い、積層無秩序構造から3C-SiC構造への秩序過程を詳細に検討した。
  • 荒木 美保, 山内 一弘, 小寺 康博, 山本 武志, 大柳 満之
    セッションID: 2C23
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    すでに、Mechanical Alloying(MA)によって積層無秩序構造を有するSiC粉末をSpark Plasma Sintering(SPS)によって焼結することで、99%を越える緻密焼結体の作製に成功している。これまで、このSPS中での構造化過程について詳細に検討しているものの、MA中におけるSiC合成過程を十分に検討していない。そこで、本研究では、C60粉末とSi粉末を用いてSiC粉末を作製し、炭素源の種類がSi-C反応に与える影響について検討した。その結果、C60粉末をSiCの炭素源として用いた場合、SiC合成過程はSi粉末にC60粉末が付着しSiCが合成される一方で、C60粉末同士が重合した場合、黒鉛のような構造を経てSiCが合成されることが解った。
feedback
Top