日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
2006年年会講演予稿集
選択された号の論文の652件中301~350を表示しています
  • 片岡 邦光, 高橋 靖彦, 木嶋 倫人, 秋本 順二, 井手本 康, 大嶋 建一
    セッションID: 2J10
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    層状岩塩型構造を有するLi2TiO3は、核融合炉ブランケット材料などの機能性無機材料として重要な物質であるが、単結晶による構造、物性に関する研究は非常に少ない。そこで、本研究ではLi2TiO3の単結晶合成法の確立、および正確な結晶構造の解明を目的とした。Li2TiO3の粉末試料を出発原料として、各種フラックスを検討することにより、フラックス法によるLi2TiO3の単結晶に成功した。得られた単結晶試料について、X線プリセッションカメラにより、結晶方位、対称性を決定し、さらに単結晶X線回折データを四軸型単結晶X線回折装置により測定し、構造を精密化し、電子密度分布の詳細を明らかにすることに成功した。
  • 有光 直樹, 中島 章, 大崎 壽, 亀島 欣一, 岡田 清
    セッションID: 2J22
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    無機薄膜の多くはその結晶構造から高度な機能を発現するため一般に結晶であることが必要である。近年、プラズマ照射による低温・短時間での結晶化が可能なプロセスが開発された。これまで酸化チタン(TiO2)薄膜についてはSi基板上での結晶化が確認されている。しかし、窓ガラスへのコーティングなど透明薄膜としての利用を考える場合にはガラス基板上での結晶化が望まれる。
    本研究では前処理としてTiO2前駆体薄膜への真空紫外光の照射、シード粒子の添加を行い、酸素プラズマ照射後の結晶性や屈折率の変化等について検討した。その結果、ゾルーゲル法から得られたTiO2前駆体薄膜のガラス基板上での結晶化に成功した。
  • 勝又 健一, 亀島 欣一, 中島 章, 岡田 清
    セッションID: 2J23
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    近年、多結晶アナターゼ薄膜は適当な強度の紫外線を照射することにより水との接触角がほぼ0°の超親水化状態を示すことが知られているが、その一方で光照射によって膜表面が硬くなることや表面粗さが変化することが報告されている。これは、光照射によって膜の表面微構造が変化したことによって膜表面に応力が働いている可能性を示唆している。しかし、光照射による膜表面の応力変化に関する詳細な調査は行われてない。そこで本研究では、多結晶アナターゼ薄膜の光照射による粗さ変化及び応力変化に関して調査を行った。
  • Ahmed Mohamed El-Toni, Shu Yin, Tsugio Sato
    セッションID: 2J24
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    Titania is of potential interest as an ultraviolet (UV) radiation blocking material in personal care products because of its excellent UV light absorption property. Its high photocatalytic activity, however, facilitates the generation of reactive oxygen species, which can oxidize and degrade other ingredients during its formulation, raising safety concerns. Dense coating of titania nanoparticles with a silica layer could help in depression of their photocatalytic activity by disturbing the formation of radicals produced by the reaction of oxygen and/or water with the electron-hole pair. Depression of high photocatalytic activity of titania necessitates that silica shell has to be thick and with minimum microporosity. Coating parameters were optimized to attain higher precipitated silica wt%, thicker shell and lower microporsity which in turn resulted in great depression of photocatalytic activity. Silica coated titania nanoparticles were characterized by TEM, XPS, FT-IR, EDX and microporsity. The photocatalytic activity was evaluated for the coated powder to investigate the efficiency of silica coating as well.
  • 渡部 俊也, 石田 智子, 長山 悦子, 吉田 直哉, 若村 正人
    セッションID: 2J25
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    光触媒活性を有し、酸化チタンにはないさまざまな性質を持つチタンアパタイトの研究開発について発表する。チタンアパタイトは、比較的波長の短い紫外線を吸収し、その表面にラジカルを生成することでさまざまな物質の酸化反応に寄与する。しかし酸化チタンの場合に比べてラジカルの空気中への拡散は少ないこと、光励起で親水化しないこと、化学吸着力由来の抗菌、抗ウイルスなどの特徴を有することなどの特徴を有する。今回はTi含有量の異なるチタンアパタイト薄膜の活性の変化について研究を行ない、Tiの果たしている役割について考察を行った。これらチタンアパタイトに関連する研究成果は、東大TLOを経由して技術移転が行われている。
  • 平崎 哲郎, 脇原 徹, 目黒 竹司, 多々見 純一, 米屋 勝利
    セッションID: 2P001
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    アルミニウムイソプロポキシド(AIP)を溶解させたフルフリルアルコール(FFA)の重合、炭化によりガラス状炭素+アルミナ複合体を作製した。得られた複合体はガラス状炭素に数nmのアルミナ微粒子が均一に分散していた。また、ガラス状炭素を酸化除去することにより粒径約2nm、最大BET比表面積約500m2/gの非常に微細なアルミナナノ粒子を得た。得られたアルミナナノ粒子の結晶構造はFFAとAIPの混合比に依存することを明らかになった。
  • 井料 博幸, 内田 希, 田中 諭, 植松 敬三
    セッションID: 2P002
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    本研究では古典的分子動力学法(Materials Explorer<富士通>、ポテンシャル関数Matsui)を用いアルミナセラミックスの焼結挙動を解析した。本研究では表面拡散による焼結の初期段階を扱った。粒子接触点の結晶面、結晶軸の違いに着目し、内部エネルギーから求めた表面エネルギーにより焼結を評価した
  • 染谷 千昭, 鈴木 秀輔, 高橋 大輔, 大栗 雅人, 堀田 憲康
    セッションID: 2P003
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    窒化アルミニウム(AlN)は室温から400℃の範囲においての熱膨張係数は4.6×10-6-1であり,シリコンに近い値を示す.またAlNの熱伝導率の理論値は320W/mKと高い値を示す.本研究では,AlN粉末を出発原料とし,Y2O3-CaO-Al2O3系とY2O3のみ焼結助剤として混合し,それをペレット上に成型して窒素雰囲気中,1500_から_1700℃で城圧焼結を行った.結果として三成分系助剤を添加したものは,1600℃で理論密度が96%以上となった.
  • 加藤 公二, 多々見 純一, 脇原 徹, 米屋 勝利, 目黒 竹司
    セッションID: 2P004
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    AlNポリタイポイドは,AlNのAlをSiでNをOで置換した構造をとり,その置換量に応じてc軸方向の積層周期が変化する.さらに,その周期的な積層構造に起因して,焼成時に板状結晶が生成することが知られている.我々は,この結晶成長の異方性を利用することで,AlNポリタイポイド多孔体を作製してきたが,その微構造がどのような因子により影響されるかは明らかとなっていない.今回,AlNポリタイポイド多孔体作製時のプロセス因子である原料粉末,組成及び焼成温度の影響を制御することで,様々な微構造を有するAlNポリタイポイド多孔体を作製できることが分かった.
  • 浅越 啓, 横内 正洋, 多々見 純一, 目黒 竹司, 脇原 徹, 米屋 勝利
    セッションID: 2P005
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    本研究では、β-SiAlON粉末を用いて複合SiAlONセラミックスを生製した。粉末調製、焼結温度などの条件を変えることで構成相、微構造などを制御することが出来た。
  • 堀川 大介, 多々見 純一, 脇原 徹, 米屋 勝利, 目黒 竹司
    セッションID: 2P006
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    本研究では焼結助剤として、HfO2を添加したSi3N4の焼結収縮挙動を調査しHfO2が焼結収縮挙動に与える影響を調査した。その結果広く用いられているAlN-TiNを助剤としたSi3N4とは異なる挙動を示していることがわかった。当日はHfO2添加による焼結挙動について発表する予定である。
  • 関本 祐樹, ワサナーピアンポン タナーゴン, 今井 雅三, 片山 恵一, 矢野 豊彦
    セッションID: 2P008
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    窒化ケイ素は難焼結性であり、通常焼結の際に比較的多量の助剤を用いる。焼結体内でガラス相として残存し、強度及び熱伝導率の低下といった問題を起こす。これを解決するためには焼結後、窒素圧下高温での熱処理(1950℃、8h、N2:0.1MPa/1.0MPa)を行い、粒界相の揮発及び粒成長を促進することで、強度と熱伝導率をともに向上できる可能性がある。そのためには、焼結助剤の選択が重要となってくる。本研究では、低い温度で蒸発し粒成長を起こしやすい酸化マグネシウム・酸化イットリウム・二酸化ケイ素系の焼結助剤を使用した。熱処理前後の熱伝導率酸素含有量と室温及び高温での機械的強度を測定した。
  • 岡田 繁, 山口 瑞紀, 飯泉 清賢, 宍戸 統悦, 工藤 邦男
    セッションID: 2P009
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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     ホウ素過剰ホウ化物は、熱電変換素子、軟X線モノクローメーター用や中性子吸収用などの材料として期待されている。しかし、高ホウ化物は合成が困難な場合が多い。先に、著者らは、リチウム塩を用いてリチウム含有した高ホウ化物LiAlB14結晶を比較的低温度で合成した。また、物理的な性質として硬さと磁化率を測定した。本報告では、LiAlB14と同系の化合物であるNaAlB14結晶の合成を試みた。合成方法は、蒸気圧の比較的高い金属ナトリウムに代わってナトリウム塩(Na2B4O7,Na2CO3,NaF,NaCl,NaI,NaBr)とホウ素を用いて、Al-セルフフラックス中で、加熱温度1300から1400℃、5時間保持して、高ホウ化物NaAlB14結晶を育成した。得られたNaAlB14結晶は、X線回折で相の同定と格子定数を調べ、磁化率、硬さと酸化抵抗性を測定した。それらの結果は他の高ホウ化物と比較したので報告する。
  • 豊田 丈紫, 北川 賀津一, 中村 静夫
    セッションID: 2P010
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    本研究では快削性セラミックスの高密度化と微細加工性能の向上を目的としてガラス溶融法とHIP処理を用いた合成とその機械的特性を評価した。また,HIP法の導入による微細構造・結晶構造と機械的特性との関係について検討した。
  • 谷 淳一, 木戸 博康, 高原 有季, 廣田 健
    セッションID: 2P011
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    幅広い温度範囲で負の熱膨張性を示すZrW2O8は、一般的にZrO2とWO3を出発原料として合成されているが、その合成に高温で長時間必要とする。マイクロカプセル法は、原料A粉末の表面に原料B粉末をコーティングすることにより、原料粉末の混合状態を制御することができる手法であり、同種類の粉末間の凝集を防止し、異種粉末間の距離を短くすることが可能である。本研究では、マイクロカプセル法によるZrW2O8の単一相合成について検討を行った。また、ZrW2O8の生成メカニズムについて検討するために、Johnson-Mehl-Avrami (JMA) 速度式を用いてZrW2O8生成量の温度依存性、時間依存性を詳細に調べたところ、1175℃以上の温度領域では拡散過程が律速であることが明らかになった。また、アクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などのポリマーにZrW2O8粒子を分散した複合材料を作製し、その熱膨張特性を評価した。
  • 松川 梢, 今井 雅三, 矢野 豊彦
    セッションID: 2P012
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    現在、多機能性と安全性を期待できるセラミックス系長繊維強化セラミックス基複合材料(CFCC)がおおいに期待されている。本研究では強化繊維にアルミナ繊維、マトリックスとしてAl2O3とY3Al5O12の混合材料を使用することにより、従来よりも酸化環境において高温での使用が可能な酸化物系CFCCの作製を目的とした。出発原料はAl2O3とY3Al5O12の混合粉末を使用し、グリーンシートをドクターブレード装置により作製、繊維コーティング材としてはLaPO4を採用した。シート、繊維を積層させた成形体を熱処理後ホットプレスにより焼結体を作製し、焼結体の機械的性質について評価した。
  • 亀田 真樹, 篠田 俊介, 板野 真也, 中山 忠親, 末松 久幸, 関野 徹, 楠瀬 尚史, 新原 晧一, 橋本 宏一郎
    セッションID: 2P013
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    本研究グループにおいては、これまでにニッケル基ナノ複合材料上にアルコールもしくはアセチレンと水素の混合ガスを原料としてカーボンナノチューブを合成出来ることを明らかとしている。この研究の中でニッケルの微細構造が形成されるカーボンナノチューブの構造に影響を及ぼしていることが示唆された。 本研究においては、様々な粉末合成手法、焼結手法によるニッケル分散セラミックス基ナノ複合体を合成し、微細構造がカーボンナノチューブ形成に及ぼす影響について考察を行った。
  • 石川 孝典, 水野 洋一, 柿本 健一, 大里 齊, 大沼 健二
    セッションID: 2P014
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    積層セラミックコンデンサ(MLCs)の更なる薄層高容量化が要求される中で、様々な環境下での微構造安定性が重要となっている。コア・シェル構造を形成するBaTiO3系誘電体材料は、BaTiO3シェル相における希土類元素やMg等の固溶が誘電率の温度特性を平坦化し、信頼性の高い積層コンデンサの設計を可能にしている。このため、更にコンデンサ開発を広げていくためには、希土類元素等が固溶しているBaTiO3シェル部における固溶状態解析は非常に重要ある。そこで本研究では、BaTiO3中へ希土類元素を置換した場合の固溶体について、その結晶構造と電気的特性について調査しBaTiO3中での希土類元素の固溶状態を解析した。
  • 田原 孝一, 井本 英夫, 単 躍進, 手塚 慶太郎
    セッションID: 2P015
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    固相反応法によって新規酸化物Ba(1-x)BixCo(1+x)/3Nb(2-x)/3O3(0≦x≦0.3)を単相で得られた。得られた試料は擬立方晶系ペロブスカイト型酸化物であった。誘電率と誘電損失の温度依存性を調べたところ、x=0の試料は500-600Kにおいて誘電率のブロードなピークが見られたが、xの増加とともに誘電率ピークの強度は減少し、誘電損失の増加が見られた。
  • 和田 賢介, 籠宮 功, 柿本 健一, 大里 齊
    セッションID: 2P016
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    高周波誘電体には損失が小さく、かつ温度安定性に優れることが求められる。一般に誘電率(εr)が高い材料は、負に大きな誘電率温度係数(τε)及び正に大きな共振周波数の温度係数(τf)を示すため、その制御が困難となる。擬似タングステンブロンズ型結晶構造に属するBa6-3xR8+2xTi18O54 (R: 希土類元素)固溶体(BRT s.s.)は、温度特性が希土類元素Rと組成xに強く依存し、特にSm系においては高εrでありながら比較的ゼロに近いτfを示す。しかし、この特異的な温度特性のメカニズムについて詳細は未だ明らかとされていない。本研究ではBRT s.s.の温度特性について赤外反射スペクトルの解析によって誘電スペクトルをに算出し、検討を行った。
  • 田中 幸佑, 小川 宏隆, 菅 章紀, 横井 敦史
    セッションID: 2P017
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    コランダム構造をもつMg4Nb2O9セラミックにおいてNbサイトのTaおとびSb置換による固溶体の合成を行い、マイクロ波誘電特性の組成依存性について検討したMg4(Nb2-x-yTaxSby)O9固溶体は通常の固相反応法により合成し、そのマイクロ波誘電特性をHakki and Coleman法により評価した。さらに結晶構造解析には、リートベルト解析を用いた。合成された固溶体はXRDより単相であることが確認され、品質係数はTaの置換量により大きく依存し、1600℃の焼成温度においてQ・f=290000GHzが得られることが明らかとなった。しかしながら、NbのTaおよびSb置換では共振周波数の温度係数の改善は認められなかった。
  • 稲垣 友美, 鈴木 章太郎, 籠宮 功, 柿本 健一, 大里 齊, 佐々木 勝寛, 黒田 光太郎, 島田 武司
    セッションID: 2P018
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    CDMA方式を採用した携帯電話通信では、1.9GHzでの通信に加え、800MHz・1.7GHzの周波数が使用されることになり、益々ハ゛ント゛ハ゜スフィルターの高性能化に対する期待が高まっている。高性能フィルターの一つとしてLaAlO3基板を用いた高温超電導フィルタが知られているが、ストリッフ゜ラインを形成する基板の損失がフィルタ全体の性能を左右するという問題がある。これまでの研究ではLaAlO3に少量のSrTiO3を添加したセラミックスでは誘電損失が大きく改善することが知られており、LaAlO3-SrTiO3系の単結晶材料は高温超伝導フィルタ用基板として非常に有望であると考えられる。本研究では、FZ法によるLaAlO3-SrTiO3系単結晶の育成を行い、得られた結晶の構造解析とマイクロ波誘電特性の測定結果から構造と特性の相関について詳細な考察を行った。
  • 日下 大樹, 天谷 仁, 西尾 圭史, 木練 透
    セッションID: 2P019
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    温度補償用コンデンサ材料であるジルコン酸カルシウムは、高純度化、高誘電率化、微細化を要望されている。本研究では、出発原料として、塩化酸化ジルコニウム8水和物と硝酸カルシウムを用い、ゾルーゲル法でジルコン酸カルシウム微粉体を作製し、その粉体の焼結特性を明らかにすることを試みた。ゾルーゲル法で得られた、ジルコン酸カルシウムは非晶質であり、粒径はnmオーダーであった。この粉体を700℃という低温で6時間焼成すると単相のジルコン酸カルシウム焼結体を得ることができた。また、非晶質粉体の焼結過程をTG-DTAで調べ、通常行われている固相法と比較検討した結果、結晶化は580℃付近で起こっていることを明らかにした。
  • 鈴木 一行, 郭 益平, 西澤 かおり, 三木 健, 加藤 一実
    セッションID: 2P020
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    FET型強誘電体メモリに適用することを目的として、強誘電体としてYMnO3系材料を、絶縁体としてHfO2を用い、MFIS(金属/強誘電体/絶縁体/半導体)構造を作製した。YMnO3系強誘電体およびHfO2絶縁体を化学溶液法によりSi半導体基板上に製膜した。HfO2層を薄層化するために、前駆体溶液濃度、熱処理条件などを検討し、微構造や電気的特性の評価を行った。また、HfO2層上にYMnO3系強誘電体膜を製膜し、HfO2層の作製条件が強誘電体膜の結晶相や配向性、微構造、電気的特性に与える影響を調べ、HfO2層の作製条件の最適化を行った。
  • 石井 啓介, 田代 新二郎
    セッションID: 2P021
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    Si3N4膜付きのSi基板上にレーザアブレーション法を用いて(K0.5Na0.5)NbO3薄膜を堆積した。下部電極には、rfスパッタリング法により堆積されたPt/Ti層、および、レーザアブレーション法により堆積されたSrRuO3層を用いた。シリコン基板の影響を調べるため、(K0.5Na0.5)NbO3薄膜を堆積後、KOH溶液を用いてシリコン基板を裏面よりエッチングした。作製されたSi3N4膜のメンブレン構造で異なる下部電極をもつ試料について、強誘電体特性等を調べた。
  • 西田 貴司, 清水 寛之, 武田 博明, 内山 潔, 塩嵜 忠
    セッションID: 2P022
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    希土類カルシウムオキソボレート結晶(GdCa4O(BO3)3, RCOBと略す、RはLaやGd, Yなどの希土類)結晶は優れた光学特性を有する新しい結晶材料で、SHG素子などへの応用が進められている。この材料は圧電性も有するため、圧電もしくは光音響素子への応用も期待されるが、圧電特性については詳しい評価は最近までなされていなかった。本研究では、特に優れた光学特性を示すR=Gd (GdCOB)に着目し、圧電係数をはじめとした材料定数を計測し、また、その温度依存性についても明らかにした。さらに、計算機解析と実測により圧電素子特性の評価も試み、素子形成の条件やこの材料での最適値について検討する。
  • 山本 勝也, 松本 隆典, 野口 裕二, 宮山 勝
    セッションID: 2P023
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    ビスマス層状構造強誘電体の代表的物質であるチタン酸ビスマス(Bi4Ti3O12:BiT)は、a軸方向に大きい自発分極(Ps)をもつ。しかし、結晶中の酸素空孔やホールが分極反転を阻害し、本来の分極特性が発現できていない。そこで我々は、これらの欠陥をMn-MoコドーピングBiT単結晶を用いて制御することを目的とした。Mn置換はホールの減少を、Mo置換は酸素空孔の減少を期待している。本研究では、様々な組成のMn-MoコドーピングBiT単結晶を育成し、その強誘電分極ヒステリシスおよびリーク電流測定を行った。発表では、Mn量、Mo量の分極特性に与える影響について議論する。
  • 村田 紘一朗, 野口 祐二, 宮山 勝
    セッションID: 2P024
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    タングステン酸ビスマス(Bi2WO6、BW)強誘電体は、大きな自発分極値を持つことが知られている.しかし,試料の漏れ電流が大きいため,BWの分極特性はほとんど報告されていない.現在までに我々は,Mn置換により漏れ電流が劇的に低減し,大きな残留分極値50μC/cm2が得られることを報告している.本研究では,電子スピン共鳴によりMnドープBi2WO6単結晶の欠陥構造を評価し,Mnドープ効果について考察した.BWにおける大きなリーク電流は.W5+に由来するキャリア(電子)の注入に起因するとが明らかになった.また,電子スピン共鳴により,高温からの冷却に伴うMnの価数変化が,漏れ電流の抑制に重要であることが示唆された.
  • 天野 智之, 小川 宏隆, 横井 敦史, 菅 章紀
    セッションID: 2P025
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    近年、交代層構造を有するビスマス層状構造強誘電体は、大きく注目されている。Bi7Ti4NbO21セラミックは、m=2と3の交代層構造を有する材料であり、残留分極Pr=6μC/cm2の値が報告されている。そこで本研究では、NbをTiとWで置換した、Bi7Ti4.375Nb0.25W0.375セラミックに注目し、NbのV置換による結晶構造と分極特性の影響を明らかにする。Bi7Ti4.375(Nb0.25-xVx)W0.375セラミックスにおいて、Pr値は置換量の増加に伴い改善の傾向を示し、x=0から0.005の組成範囲において、12.5_から_23μC/cm2に大きく増加した。
  • 三輪 崇, 安達 直己, 尾畑 成造, 櫻田 修, 橋場 稔, 高橋 康隆
    セッションID: 2P026
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    大矢らはチタンテトライソプロポキシド(TIP)等のアルコキシドと乳酸(Lac)等の有機酸、水を混合すると無色透明なチタン酸水溶液(TIP-Lac)が得られ、これを用いたゾル-ゲル法で酸化チタン薄膜を作製できることを報告した。本研究では、このTIP-Lac水溶液を用いたチタン酸ジルコン酸鉛(PZT、PbZrO3-PbTiO3) 前駆体水溶液によるPZT成形体の作製について検討した。このPZT前駆溶液はハロゲン、窒素、硫黄が含まれないため環境負荷の少ない合成を行うことができる。
  • 朴 載赫 , 明渡 純, 佐藤 治道
    セッションID: 2P027
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    高速の共振型光スキャナーは、バーコードリーダー、レーザーディスプレー装置、各種センサーなどのキーコンポーネントとして幅広く利用されている。構造の単純化、製造コストの低減を意識し、金属基板をエッチングや打ち抜きプレスで加工、スキャナー構造を形成し、この表面にAD法でPZT圧電厚膜を直接形成、スキャナー基板に誘起される板波を用いてミラー部を励振する低コストで高性能な光スキャナーを試作したので報告する。共振周波数(走査速度)23.6kHz、駆動電圧40Vで、ミラー振れ角22°を達成した。静電方式や薄膜圧電方式、磁場駆動方式など従来Si-MEMS光スキャナーの性能遙かに凌ぐデバイス性能を安価な製造技術で実現できることを明らかにした。
  • 池邉     由美子, 坂 えり子, 松岡 是治
    セッションID: 2P028
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
     溶融処理を行なったDy123超伝導体は良好な超伝導特性を示すことが報告されているが、テープあるいは線材に加工したDy123超伝導体についての報告は少ない。本研究では溶液紡糸法で作製した繊維状Dy123超伝導体(φ=80-120μm)を酸素濃度が異なる雰囲気ガス中で部分溶融し、雰囲気ガスが試料のJcに及ぼす影響について調べたので報告する。 前駆体繊維はDy:Ba:Cu=1:2:3の組成比となるように計量・混合した金属酢酸塩水溶液に有機酸およびPVA水溶液を加え紡糸ドープを経て、乾式紡糸により作製した。繊維試料は熱分解の後、酸素濃度の異なるArベースの混合ガスを用いて1000-1070℃の温度範囲で系統的に部分溶融熱処理をした。その結果、いずれの雰囲気ガスを用いた場合も試料のJcは104A/cm2以上の高い値を得ることができ、高いJcが得られる溶融温度は、ガス中の酸素濃度が高くなるにつれ、高温側へシフトした。Jcの最大値は雰囲気ガスの種類に依存することなく約2.5×104A/cm2であった。高いJcを持つこれらの試料は緻密な組織であり、Dy123組織中にDy211が微細分散している様子が観察された。
  • 冨田 仁
    セッションID: 2P029
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    V3O5はマグネリ相化合物の一種として知られているが、この物質群はその特異な構造から強相関電子系特有の物性を示すことが知られている。V3O5は室温では半導体であるが、428Kにおいて金属_-_半導体転移を起こす。今回の研究ではV3O5単結晶に2端子でパルス電圧を加えながら、その時に試料中を流れる電流を測定した。測定の結果、電圧を上げていくと試料の抵抗値は大きく減少し、最終的に金属_-_半導体転移が観測された。この転移はある決まった電圧で起こるものではなく、転移までに加えるパルス電圧や印加時間等に依存することから、試料中を流れる電流によって生じたジュール熱によって試料が転移温度まで加熱されたと考えられる。この性質から、サージアブソーバ等への応用が期待される。
  • 川村 諭史, 小川 宏隆, 菅 章紀, 横井 敦史
    セッションID: 2P030
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    ダブルペロブスカイト構造を持つBa2LaNbO6およびSr2LaNbO6セラミックスにおいて、LaのSr置換とNbのSc置換がBa2LaNbO6およびSr2LaNbO6セラミックスの電気伝導特性および結晶構造に及ぼす影響について検討した。(Ba,Sr)2(La1-xSrx)(Nb1-yScy)O6-zセラミックスは通常の固相反応法により合成し、結晶構造解析には、XRPDおよびリートベルト解析を用いた。さらに電気伝導率は複素インピーダンス法により測定した。XRPDの結果から単相であり、ダブルペロブスカイト構造を持つことが明らかになった。さらに、これらの固溶体において、電気伝導率はSrとScの置換量に大きく依存し、x=0.05で伝導率の改善が認められた。これは、置換した各サイトにおける価数の差により酸素欠陥濃度が増大したためであると考えられ、この系の電気伝導率は、結晶構造に大きく依存するものと考えられる。
  • 田中 智美, 藤本 正克, 前 英雄, 西尾 圭史, 木練 透
    セッションID: 2P031
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    我々は先に、六塩化タングステンとヘキサクロロ白金酸を出発原料とし、ゾル・ゲル法を用いて水素ガスセンサ用Pt微粒子分散WO3(Pt/WO3)薄膜を作製し、その水素ガス応答性を評価した。本研究では薄膜の熱処理温度、膜厚、分散するPt微粒子濃度、水素ガス濃度等の応答特性に及ぼす影響について検討し、特性の向上を試みた。Pt/WO3薄膜の水素ガス特性は、熱処理温度350℃_から_400℃、膜厚500 nm_から_600 nm、Pt微粒子濃度(W:Pt=13:1.2)の条件下で最も高速応答を示すことが分かった。また、水素ガス濃度の違いにより光透過率が変化することも明らかとなった。これらの結果より、広範囲な水素濃度で高速応答する光検知式水素センサへの応用が可能であることが確認された。
  • 木戸 博康, 谷 淳一, 高橋 雅也, 鵜川 純司, 来島 貴彦, 五明 憲一
    セッションID: 2P032
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    ケイ化鉄は、中高温用の熱電材料として注目されているが、熱起電力が熱電対に比べて数十倍大きく、高感度の温度センサとして期待できる。本研究では、スクリーン印刷法等により厚膜を作製し、温度センサ化する技術を開発した。ケイ化鉄温度センサの作製方法や特性について報告する。
  • 王 玉光, 大橋 直樹, 石垣 隆正, 坂口 勲, 和田 芳樹, 羽田 肇
    セッションID: 2P033
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    酸化亜鉛の誘導放出特性に対する不純物添加の効果を検討した。その結果、特に、アルミニウムを添加した酸化亜鉛での劇的な誘導放出閾値の低下を見いだした。
  • さるばたらじ べんかたらじ, 大橋 直樹, 坂口 勲, 羽田 肇
    セッションID: 2P034
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    イオン注入によってmanganeseを添加した酸化亜鉛薄膜の磁気特性について発表する。
  • 佐藤 祐一, 後藤 允, 皆川 祐亮, 佐藤 進
    セッションID: 2P035
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    ZnO薄膜およびZnMgO薄膜に対してAlとCuを同時に添加し、その電気的特性の変化について検討を行った。ZnO系薄膜はRFマグネトロンスパッタリング法によりサファイアC面基板上に基板温度500℃、RF電力130Wで作製した。また、作製した薄膜についてX線回折、ホール効果および抵抗温度特性の測定などを行った。ZnO薄膜およびZnMgO薄膜に対しAl2O3を1-2wt%添加すると抵抗率は10-3Ω・cm程度に低下するが、これに対しCu2Oを数wt%程度まで添加することでキャリア密度および移動度は徐々に減少し、抵抗率は10-3から1Ω・cm程度まで増加した。なお、抵抗温度係数は100ppm/℃以内の値を示す薄膜が得られた。
  • 横田 壮司, 栗林 孝明, 五味 學, 春藤 健志, 榊原 康俊
    セッションID: 2P036
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    我々は室温でわずかな電気磁気効果を示すCr2O3極薄膜を作製し、その電子デバイスへの応用の可能性を探る研究を行っている。これまで、c-Al2O3基板上に作製されたc軸に優先配向したCr2O3薄膜において1~10 Vの印加電圧において電気磁気効果を発現することを確認した。今回我々は、この薄膜上に酸化物強磁性体薄膜を用いたヘテロ接合を作製しこの得られた電界誘起の磁気モーメントがヘテロ界面に及ぼす影響を探った。得られたヘテロ接合を有する試料の磁化測定の結果、印加電圧15Vにおいてわずかではあるが強磁性状態の変調が確認された。当日は、結晶学的、磁気・輸送特性の観点からこのヘテロ接合に関して詳細に議論する。
  • 松田 晃史, 渡辺 貴博, 小山 浩司, 吉本 護, 秋葉 周作, 笠原 正靖
    セッションID: 2P037
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    KrFパルスエキシマレーザー(波長248nm、パルス幅20ns)を、NiOなどの酸化物焼結体ターゲットに照射し、対向位置に設置された原子ステップを有するサファイア基板上へ成膜を行った。成膜条件は基板温度を室温、酸素分圧を1.0×10-5Torr、レーザーパワーを3J/cm2とした。成膜後のエピタキシャル薄膜を水素1atm雰囲気中で熱処理することによりNiOを完全に還元し、多軸X線回折測定により金属Niのエピタキシャル薄膜の形成を確認した。講演では還元された本現象を利領した[強磁性金属/酸化物半導体]ハイブリッド薄膜の作製についても報告する。
  • 藤森 良枝, 古田 明久, 後藤 康夫, 川口 昭夫, 奈倉 正宣, 大越 豊
    セッションID: 2P038
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    ポリヨウ素イオンをドープして得られたナイロン6コンプレックスを銀イオンと反応させることで,ヨウ化銀(AgI)粒子を高分子マトリックス内に生成させた,Nylon6/AgI ナノ複合材料を作製した.その結果,β-AgIからα_-_AgIへの結晶転移温度は大きく低下することを見出した.この原因について,AgIの粒子サイズ・結晶性・配向性などの構造の立場から,検討を行った.また,AgIはイオン伝導性を有することから,本試料の電気伝導特性の検討も行った.
  • 近藤 広規, 佐々木 厳, 奥田 匠昭, 右京 良雄
    セッションID: 2P039
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    オリビン構造を有するLiFePO4は、構造の安定性や鉄を主成分とすることなどから、リチウムイオン二次電池の次世代正極活物質として期待されている。また、本活物質は約3.4V(vs. Li+/Li)に平坦な電位を持ち、有機電解液中のみならず水溶液中でも安定してLiの挿入脱離が行われることから、固-液界面での界面反応を調べる上でも非常に興味深い材料である。本研究では、水溶液中で安定した反応が行われるLiFePO4を合成することを目的として、水熱合成法を用いて合成を行い、その電気化学的特性を評価した。
  • 橋本 典嗣, 山本 佳嗣, 新島 聖治, 橋本 忠範, 那須 弘行
    セッションID: 2P040
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    蒸発凝縮法で発生させた銀微粒子と噴霧熱分解法で発生させたチタニア微粒子を気相中で混合した後,基板上に沈着させることで薄膜を作製した.得られた薄膜のXRD測定,表面および断面のSEM観察を行い,さらに光学特性の評価として光吸収スペクトル測定およびZ-scan法による非線形光学特性の評価を行った.銀微粒子の吸収ピーク波長は,チタニア微粒子の影響を受け,チタニア微粒子の出発原料であるチタンテトライソプロポキシド濃度の増大,すなわちチタニア微粒子の粒径や個数濃度の増大に伴い長波長側にシフトすることが分かった.
  • 湊 賢一, 岡元 智一郎, 高田 雅介
    セッションID: 2P041
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    ZnOは、室温での紫外レーザー発振が報告されるなど、紫外発光素子として極めて有望であり、近年注目されている材料である。我々の研究グループは、Auを担時した線材状の酸化亜鉛(ZnO)セラミックス試料を通電加熱することにより、Au表面に様々な形態を有するZnO結晶が成長することを見出した。また、通電時の雰囲気と通電時間を変えることにより結晶形態の制御ができることを明らかにした。本報告では、Auを用いた通電加熱法により得られる特殊な形態のZnO結晶からの新たな機能発現を期待し、結晶形態制御と得られた結晶の発光特性を調査した。
  • 大垣 武, 東田 明久, 曽我 公平, 安盛 敦雄
    セッションID: 2P042
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    分相組織を制御したEu添加CaO-Al2O3-SiO2系分相ガラスを作製し、その分相組織が蛍光特性に及ぼす影響について調査した。分相ガラスは、所定のモル比の原料を粉砕・混合・仮焼後、1650℃で3時間溶融した後に急冷することで作製した。さらに、分相促進と結晶化のために2段階熱処理を行なった。試料は、XRD、SEM、DTA、蛍光スペクトルにより評価した。SEM観察の結果、熱処理した試料は分相組織が確認された。熱処理を行なった試料ではEu2+による蛍光強度が増大し、蛍光強度への分相組織の影響が示唆された。
  • 板谷 清司, 川名 道哉, 桑原 英樹, 黒江 晴彦, 関根 智幸, 幸田 清一郎, H. T. Hintzen, 安江 任
    セッションID: 2P043
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    酸化ガドリニウム(Gd2O3)_-_窒化ケイ素(Si3N4)系のメリライト化合物(Gd2Si3O3N4)の合成条件を検討し,得られた高純度粉体に種々の付活剤を添加して,それらの蛍光特性を評価した。高純度Gd2Si3O3N4粉体はGd2O3とα-Si3N4とをメリライトの化学量論比(Si/Gd比=1.5)になるように混合し,成形したのち,N2気流中で1700℃、2h焼成して得た。このGd2Si3O3N4を母体結晶として,希土類元素(RE)としてCe3+, Pr3+, Nd3+, Sm3+, Eu3+, Tb3+, Er3+およびYb3+をそれぞれ付活剤として添加したところ,Sm3+を添加した場合の相対発光強度(標準物質:CaWO4)が1.8,またTb3+を添加した場合が1.4となり,高い値を示した。
  • 板谷 清司, 三浦 佳子, 幸田 清一郎
    セッションID: 2P044
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    本研究ではアルカリ土類ケイ素酸窒化物(Ca3Si2N2O4)の合成と、それを母体として希土類イオンを付活した化合物の蛍光特性について調べた。CaCO3,Si3N4,SiO2,希土類酸化物(RE2O3:RE=La, Nd, Sm, Eu, Gd, Dy, ErおよびYb)またはCeO2, Pr6O11, Tb4O7, Tm 金属粉体を物質量比 (Ca+RE) / Si=1.5になるように秤りとり混合した。得られた混合粉体をN2雰囲気、1250_から_1400℃で焼成した。さらに、この粉体を50MPaで一軸加圧成形し、Si3N4粉体で包埋して焼成した。得られた粉体はほぼCa3Si2N2O4の単一相であった。種々の希土類酸化物を付活したこの粉体に紫外線を照射すると、Ceを付活した場合は白、Ndの場合は弱い緑、Smの場合は赤、Euの場合は黄緑、さらにTbの場合は弱い黄緑に発光した。以上の結果より、SmおよびEuを付活した場合に、この酸窒化物は長波長側に発光が認められることが分かった。
  • 高橋 儀宏, 北村 健二, 井伊 伸夫, 井上 悟
    セッションID: 2P045
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    BaTiSi2O7結晶相からのオレンジ発光を室温において観察した。BaTiSi2O7相は通常の固相法により合成した。拡散反射スペクトルからTi多面体における酸素欠損の存在を示す吸収が確認された。580 nmにピークを持つブロードなオレンジ発光が紫外線励起により、分光学的および目視により観察された。この特有な発光は、完全に隔離したTiO5ペアとそこの酸素欠陥の両方が原因であると考えられる。
  • 下野 功, 山元 明
    セッションID: 2P046
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    昨年度、He-Cdレーザー(波長325nm)で励起したホタテガイ貝殻焼成物のPL特性について報告した。本報では、UVライト(波長254nm)で励起した貝殻焼成物の蛍光特性と、室内放置による貝殻焼成物の風化と消光について報告する。貝殻焼成物の発光スペクトルは、約450nmと約585nmにピークを持つ2つの発光帯からなる。長波長側発光帯はMn2+によるものと考えられる。一方、短波長側発光帯の発光イオンは不明である。焼成した貝殻を室内に放置すると、風化と共に蛍光が見られなくなる。この原因は、CaO相からCa(OH)2相への相変化のためと考えられる。
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