口腔・咽頭科
Online ISSN : 1884-4316
Print ISSN : 0917-5105
ISSN-L : 0917-5105
22 巻, 2 号
選択された号の論文の21件中1~21を表示しています
手術手技セミナー 中咽頭側壁悪性腫瘍の手術の適応とその術式
手 技
  • 茶薗 英明, 佐々木 慶太, 花澤 豊行, 岡本 美孝
    2009 年 22 巻 2 号 p. 91-96
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    当科での中咽頭癌手術アプローチは基本的に下顎骨離断を行わないcombined transoral-transcervical approach (CTOTCA) を施行している. 切除, 再建も含め内側翼突筋浸潤による開口障害例, 上咽頭進展例を除いて, 本術式により対応可能で, 咬合の安定, 下口唇やオトガイ部の審美性, 骨髄炎の発症が皆無であるなど, 術後経過が安定する優れた術式であると思われる.
    今回, 手術術式について適応とした症例, 適応としなかった症例を提示して, 具体的な手術方法のポイントについて解説した.
原 著
  • 藤巻 充寿, 松本 文彦, 伊藤 伸, 大峡 慎一, 五十嵐 文雄, 池田 勝久
    2009 年 22 巻 2 号 p. 97-101
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    咽頭狭窄に対する治療に関しては, 統一された方法は無く, 再狭窄の予防等の手技も確立はされていないのが現状である. 我々は反復性難治性咽頭潰瘍により咽頭狭窄をきたした症例を経験したので報告する. 症例は26歳男性. 中学生時より口腔咽頭潰瘍を繰り返し, 精査行うも, 明らかな原因は同定されず経過観察となっていた. 繰り返す咽頭潰瘍により瘢痕性に咽頭の狭窄を徐々にきたし, 平成19年4月中咽頭狭窄・上咽頭閉鎖にて当院耳鼻咽喉科受診となった. 入院時, 呼吸苦・嚥下障害著明であり, 中咽頭開大・上咽頭狭窄解除術が施行された. 術後狭窄予防にステロイドホルモン全身投与を行っており再狭窄は認められておらず, 経過は良好である.
  • 松尾 美央子
    2009 年 22 巻 2 号 p. 103-107
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    難治性口腔咽頭潰瘍は比較的最近の概念である. 本疾患は, 口腔咽頭領域にできる潰瘍病変で, 治療抵抗性であり, 再発傾向をもつ. この病気は診断に苦慮することが多く, 今回報告する5例とも診断までは最低2ヶ月を要している. 今回我々は難治性口腔咽頭潰瘍に対し, ステロイド, コルヒチン, セファランチン, 塩酸アゼラスチンを使用することで, 速やかな症状の改善を得られたためこれを報告する.
  • 原田 生功磨, 國井 博史, 小山 新一郎, 勝見 さち代, 村上 信五
    2009 年 22 巻 2 号 p. 109-115
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    口蓋扁桃摘出術における周術期抗生剤の投与期間を手術当日のみから術後3日以上に延長, 術後経過をカルテで追跡した. その結果, 抗生剤投与日数を3日以上に延長しても術後出血率, 解熱鎮痛剤使用数, 発熱の有無に影響がみられなかった. 周術期の抗生剤投与は手術当日のみで十分と考えられたが, 術後出血例の検討では局所感染を伴うものもあった. 術前より術野の常在菌叢, 薬剤感受性を把握し最適な抗生剤を使用するなど症例毎に感染対策を行うことが良いと思われた. 一方, 抗生剤使用期間にかかわらず, 解熱鎮痛剤の使用が多いと, 有意に術後出血が増加した. その原因は不明であり解熱鎮痛剤の抗血小板作用なども含め今後の検討を要する.
  • 菊池 淳, 伊豆丸 慎介, 池園 圭子, 佐藤 公則, 中島 格
    2009 年 22 巻 2 号 p. 117-123
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    重症の睡眠時呼吸障害 (Sleep-disordered breathing, SDB) に対して, 咽頭拡大術と口腔内装置を組み合わせることで効果があった例を経験し, その適応について検討した. この治療の適応としては, 1) 扁桃レベルで狭窄を認める例, 2) 咽頭の閉塞型がいびき音テストで左右型の例, 3) 下顎後退, または小顎に伴い舌根後退を認める例, 4) REM睡眠期や仰臥位で主にAHI (Apnea Hypopnea Index) が悪化する例, 5) 高度肥満ではない例, 6) 非高齢者, などが挙げられる. これらの条件を満たせば, 咽頭拡大術と口腔内装置の併用は, CPAP (Continuous positive airway pressure) に変わる治療として効果が期待できると考えられ, 顎顔面矯正手術を行う前に試みるべきであると思われた.
  • 中野 宏, 為野 仁輔, 越知 康子, 吉本 公一郎, 池淵 嘉一郎, 松井 雅裕, 島田 剛敏, 中井 茂, 久 育男
    2009 年 22 巻 2 号 p. 125-129
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    今回, 我々は生検で高分化扁平上皮癌と診断された舌顆粒細胞腫の1例を経験したので報告する.
    患者は49歳, 男性. 舌腫瘤を主訴に当院歯科を受診. 生検にて高分化扁平上皮癌との結果であり, 当科を紹介受診. 当科初診時, 舌背正中より左に1cm大の隆起性病変を認め, PET/CTでは頸部リンパ節にのみ淡い集積を認めた. 舌癌 (T1N1M0) と診断し, 左選択的頸部郭清術, および舌部分切除術を施行した. 摘出標本の病理組織診断では偽上皮腫様過形成を伴う顆粒細胞腫であった. 本疾患の確定診断には病理組織診断が必須であるが, ときに高分化扁平上皮癌との鑑別が問題となる. 生検は十分な深さで行なうことが肝要であると考えられた.
  • 峰晴 昭仁, 川上 理郎, 東野 正明, 長谷川 恵子
    2009 年 22 巻 2 号 p. 131-136
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    症例は57歳男性で, 1ヶ月前からの咽喉頭違和感を主訴に来院した. 喉頭ファイバー所見では右披裂部に乗るようにして腫瘍を認めた. 声帯の動きは両側とも良好であった. 鉗子生検では異型細胞を認めなかった. 全麻下直達喉頭鏡にて, 腫瘍を周囲組織とともに切除した. 病理組織学的検査では高分化型脂肪肉腫との診断だった. 下咽頭原発の脂肪肉腫は稀で本例を含めて20例の報告しかない. 文献的には8例 (40%) に再発を認めたが, 長期予後は比較的良好であった. 本症例では術後8ヶ月の時点で再発を認めていないが, 今後も定期的に長期間のフォローを行う予定である.
  • 舘田 勝, 小田 真琴, 片桐 克則, 佐藤 宏昭
    2009 年 22 巻 2 号 p. 137-142
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    66歳男性の原発性上咽頭結核を経験した. 主訴は咽頭痛, リンパ節腫脹は認めず, 肺病変も認めなかった. 上咽頭の組織検査では結核性病変であったが細菌検査では結核菌は陰性であった. 病変が不変のため診断的治療を試み, 抗結核剤の投与で病変は改善した. 上咽頭結核はまれな疾患で日本では1976年から2008年までに42例の報告を認め, 肺結核を認めない原発性上咽頭結核は22例であった. 年齢は20-40歳代に多く, 女性が多かった. 頸部結核性リンパ節炎や結核性中耳炎を30-50%に認めた. 難治性の中耳炎や脳神経症状が見られることもあり, 細菌検査や遺伝子検査で結核菌を認めなくても積極的な治療を試みるべきである.
  • 工藤 典代, 浅野 尚, 井上 靖二, 神田 敬, 玉虫 昇, 千葉 伸太郎, 永田 博史, 宮崎 総一郎
    2009 年 22 巻 2 号 p. 143-148
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    学校保健の立場から, 児童生徒に対する健康増進と学校医を含む学校教育関係者に対する啓発を行う基礎資料を得ることを目的に, 睡眠時無呼吸症候群の可能性のある小児についての実態調査を行った. アンケートは全国21小学校に配布し, 1年生835名, 5年生703名, 6年生168名の計1,764名から有効回答を得た. アンケートは保護者が記入する子どもの症状と, 担任あるいは養護教諭が記入する耳鼻咽喉科学校医の健診結果からなる. 「イビキを時々かく」, 「いつもかいている」が, 小学1年生ではそれぞれ45.7%, 4.0%, 5年生では40.6%, 3.2%, 6年では35.9%, 2.4%であった. 小学5年, 6年では「いびきをかく群」では「いびきはかかない群」と比較し, 「学習意欲が低下」, 「落ち着きがない」がともにχ2 検定により, P<0.005で有意差が見られた. また「鼻がよくつまる群」は「鼻のつまりはない群」と比較すると「落ち着きがない」のはp<0.005で有意差が見られた. 小学1年生では有意差は見られなかった. この結果をもとに日本学校保健会では教育関係者に対する啓発資料を作成した.
  • 我妻 道生, 石山 哲也, 宇佐美 真一
    2009 年 22 巻 2 号 p. 149-154
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    扁桃疾患は細菌感染やウイルス感染が関与しているケースが多いが, 急性期以外では細菌検査を実施される事は少ない. 今回, 手術により摘出された口蓋扁桃の深部より滅菌スワブで検体を採取し検討を行った. 2007年4月から2008年3月までの間に, 2週間以内に急性炎症を発症していない42症例を対象とした. すべての検体で菌が検出され, 35症例 (83.3%) で病原菌が検出された. 33症例 (67.3%): 56株中33株 (58.9%) で抗菌薬に耐性が認められた. 10歳以下ではH. influenzaeの検出が多く, 11歳以上ではS. aureusの検出が多かった. H. influenzaeは6歳未満では薬剤耐性株が多く, S. aureusは6歳以上で薬剤耐性株が多かった. 病原菌/耐性菌の出現頻度は扁桃肥大群と炎症群との間では差がなかった.
  • 清野 由輩, 永井 浩巳, 岡本 牧人
    2009 年 22 巻 2 号 p. 155-160
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    ベーチェット病は様々な症状を呈する免疫異常による慢性炎症性疾患である. 特に4つの主症状が全てそろった場合, 完全型のベーチェット病と診断される. 今回我々は扁桃炎を契機に増悪した完全型ベーチェット病の1症例を経験したので報告する.
    症例は22歳男性, 主訴は発熱, 咽頭痛だった. 急性扁桃炎と診断し入院にて抗菌剤による治療を行った. しかし口腔内と喉頭に多発性アフタ, 潰瘍が出現した. その後, 結節性紅斑, 外陰部潰瘍, 虹彩毛様体炎が認められた. 皮膚科, 眼科と協力してコルヒチン投与と, ステロイド眼内注入を行った. 症状は寛解したが, 今後副症状の出現に注意する必要がある.
  • 秋定 健, 福辻 賢治, 原田 保
    2009 年 22 巻 2 号 p. 161-166
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    超選択的動注化学療法 (以下動注療法) を施行した進行頭頸部癌32例において言語, 嚥下, 摂食, 咀嚼機能などの口腔・咽頭機能を主観的, 客観的に検討した. 主観的評価は言語機能, 嚥下機能, 摂食機能, 咀嚼機能についてのアンケートを行った. 客観的評価は発話明瞭度・発語明瞭度・水飲みテストを12例に行った. 主観的評価において言語機能と嚥下機能は, 治療前と現在とを比較して低下していた. 摂食機能と咀嚼機能は治療前と現在とを比較して維持していた. 発話明瞭度も良好で, 発語明瞭度において舌切除例と同程度であった. 水飲みテストの結果も良好であり, これらの機能は十分に保たれていた. 再建手術例との比較でも, 言語機能を除き動注療法で良好であり舌部分切除と同様な結果であった. 動注療法は手術療法と比較して口腔・咽頭機能が良好に保たれると推定された.
  • 稲村 直哉, 本間 明宏, 福田 諭
    2009 年 22 巻 2 号 p. 167-172
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    過去19年5か月間の耳下腺原発悪性腫瘍1次症例55例について検討した. 組織型は13種類あり, 粘表皮癌12例と腺様嚢胞癌11例が比較的多かった. TNM分類ではT1が5例, T2が18例, T3が10例, T4が22例, リンパ節転移は7例あり全てN2であった. M1は6例あり, 肺転移5例, 腋窩転移1例であった. 初診時の顔面神経麻痺 (FP) の有無では, FP+が19例, FP-が36例であった. 5年粗生存率は全体で73%. 組織型でみると, 未分化癌33%, 腺癌40%, 粘表皮癌62%, 多形腺腫由来癌67%, 腺様嚢胞癌と腺房細胞癌は100%であった. T分類では, T1が100%, T2が88%, T3が90%, T4が44%であった. FP+は36%, FP-は94%であった. T4およびFP+は予後不良であった.
  • 李 佳奈, 武木田 誠一, 牧野 邦彦
    2009 年 22 巻 2 号 p. 173-176
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    CT上の口蓋扁桃の石灰化と当科における扁桃周囲炎と扁桃周囲膿瘍の関係について検討した. 扁桃周囲炎と扁桃周囲膿瘍症例群 (57.1%) のほうが対照症例群 (30%) と比較し, 明らかに扁桃周囲に石灰化を伴う症例が多い (p=<0.05, Mann Whiteney U test). よって扁桃炎などで析出した扁桃結石が扁桃周囲炎や扁桃周囲膿瘍などの一因となりうるのではないかと考えた.
  • 佐藤 邦広, 土屋 昭夫, 相澤 直孝, 佐藤 克郎, 高橋 姿
    2009 年 22 巻 2 号 p. 177-181
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    咽後膿瘍は咽後間隙に存在するリンパ節の感染により発症する小児の重症感染症であり, 迅速かつ的確に診断, 治療する必要がある. しかし, 治療に関しては外科的排膿の適応規準は施設間で異なり, 明確な規準が存在しない. 今回われわれは小児の咽後膿瘍2症例を経験したが, 1例は抗菌薬に反応しなかったため外科的処置を試みたものの排膿せず, 抗菌薬の継続投与で治癒に至り, もう1例は外科的排膿を試みることなく, 抗菌薬投与のみで改善した. 咽後膿瘍と診断, あるいは疑われる症例の中には抗菌薬投与のみで治癒する症例があることを念頭に置き, 侵襲を伴う外科的処置の適応を検討する必要がある.
  • 平野 隆, 野田 加奈子, 鈴木 正志
    2009 年 22 巻 2 号 p. 183-189
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    第1鰓裂嚢胞および瘻孔は耳下腺あるいは顔面神経との位置関係が複雑である. したがって, 反復性炎症に伴う顔面神経周囲との癒着のため, 手術の際に顔面神経機能温存が困難なことがある. 今回, 耳下腺腫瘍と診断された第1鰓裂嚢胞および瘻孔症例の2例に対して, 耳下腺腫瘍摘出術に準じ顔面神経を十分に確認後, 鰓裂嚢胞および瘻管摘出術を行った. 術後, 顔面神経麻痺は認められず経過は良好であった. 耳下腺腫瘤が認められた場合において, MRI上, 嚢胞様であり, 術前の細胞診にて扁平上皮由来の異形性のない細胞を認めた場合, 本疾患を疑う必要があると思われる. その際には術前に第1鰓裂嚢胞および瘻孔の特徴を十分に把握し, WorkおよびBelenkyの分類におけるType IIの瘻孔を示す場合では, 顔面神経との癒着を念頭に手術に備える事が肝要である.
  • 松延 毅, 栗田 昭宏, 冨藤 雅之, 山下 拓, 上出 大介, 田中 伸明, 塩谷 彰浩
    2009 年 22 巻 2 号 p. 191-197
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    顎下腺移行部や腺体内唾石には一般的に外切開による顎下腺摘出術が行われる. 顎下腺摘出術の合併症としては頸部の瘢痕の残存, 顔面神経麻痺などが問題となる. そこで低侵襲な顎下腺唾石の治療法として顎下腺管内視鏡を用いた手術を行ったので報告する. いずれも全麻下で, 1例目は移行部唾石, 2例目は腺体内の唾石であった. 1例目は把持鉗子およびバスケット鉗子を用いて破砕しながら除去, 2例目はホルミウム-YAGレーザーを用いて破砕した後に可及的に摘出し腺管を開通しえた. いずれも合併症無く順調に経過している. 顎下腺管内視鏡は低侵襲であり合併症も少なく顎下腺の狭窄をきたす他の疾患に応用できうる有用なツールであると考えた.
  • 青木 香織, 水田 啓介, 山田 南星, 青木 光広, 伊藤 八次, 加藤 博基
    2009 年 22 巻 2 号 p. 199-203
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    耳下腺腫瘍では術前に良悪の鑑別や, 悪性の場合には悪性度が問題となる.
    今回, 我々は耳下腺腫瘍症例の病理検査とMRI画像所見, および見かけの拡散係数 (ADC) 値との関連を検討し, 耳下腺腫瘍の術前診断への有用性を検討した.
    耳下腺腫瘍81症例を対象として, 病理組織, MRI, 拡散強調画像におけるADC値を検討した.
    ADC値は, ワルチン腫瘍と癌のADC値は, 多形腺腫のADC値の平均値と比較し, 有意差を認めた. 癌を悪性度に分けてみると, ADC値が1.0未満の低値の症例は, 高悪性度では4例中3例で, 多形腺腫では18例中1例であった. 多形腺腫と高悪性度群の癌との術前の鑑別には有用であると思われた.
  • 山田 南星, 水田 啓介, 加藤 博基, 安藤 健一, 久世 文也, 青木 光広, 伊藤 八次
    2009 年 22 巻 2 号 p. 205-210
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    石灰沈着性頸長筋炎は, 症状や画像上の特徴から咽後膿瘍や化膿性脊椎炎との鑑別が問題となる疾患である. 今回, 我々は石灰沈着性頸長筋炎を2例経験した. 本疾患の画像上の特徴としては, 環軸椎前方の石灰化病変であり, CTが有用とされる. しかし頸長筋の炎症所見はCTでは捉えることはできない. 本疾患の診断において, 頸長筋の変化も確認することが重要であると思われる. 今回, 我々が経験した2例において, MRIにて頸長筋の炎症性変化を確認できた. MRIは他の疾患との鑑別だけでなく, 頸長筋の炎症を確認する上で有用であると思われた. また1例においては, 経過観察中に, CTにて石灰化病変の消失も確認できた.
手 技
feedback
Top