芝草研究
Online ISSN : 1884-4022
Print ISSN : 0285-8800
ISSN-L : 0285-8800
19 巻, 1 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 廿日出 正美, 八木 雅久
    1990 年 19 巻 1 号 p. 5-14
    発行日: 1990/10/31
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    ヒメコガネの室内での大量累代飼育法について実験を行なった。その結果は以下の如くである。
    1) 卵の飼育では, シャーレの底に腐葉土粉末を敷くことにより, 99.4%のふ化率が得られ, また, ふ化直後の幼虫の噛み合いを防ぐことができた。
    2) ふ化幼虫の餌への食いっきを良くする目的で, 腐葉土を乾燥粉末にし, 適度な水分を与え使用したが, 高い生存率は得られなかった。腐葉土を湿ったまま細かくしたものを与えたときは, ふ化後15日目の生存率が82.6%と高い値を示した。
    3) 幼虫期間を短縮させる目的で, 2, 3令幼虫時に10℃で低温処理を行った。3令化後30日目に30~40日間処理したとき, 幼虫期間は約170日で, 無処理のときより約60日間短縮した。3令化直後での低温処理は, 幼虫の成育において悪影響をおよぼした。さらに, 2令化後15日目に処理した区は, 幼虫期間が大幅に短縮したが, 処理中および処理直後の死亡率が非常に高くなった。
    4) 成虫の飼育の際, 人工飼料を与えると, 生葉に比べ寿命は2倍近くに伸び, 産卵数は3倍になった。また, この人工飼料は, いっでも容易に供給することができるので, 極めて有効と考えられる。
    5) 飼育における空間利用, 労力, 経費などを考えた場合, 労力, 経費の面で, 飼育容器としての, プラスチックカップの利用は, スチロール箱よりも優れていた。
  • 竹内 安智, 小笠原 勝, 金 錫井, 近内 誠登, 竹松 哲夫, 鈴木 昭憲, 玄 丞培, 蔡 晃植, 古島 昌和
    1990 年 19 巻 1 号 p. 15-22
    発行日: 1990/10/31
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    1. 土壌またはバーミキュライトで育成したコウライシバとベントグラスにたいしてコリン類 (塩化コリン30%液剤あるいは硝酸コリン29%液剤) の1, 000ppm300倍) , または500ppm (600倍希釈) 液を1回, または2回施用した場合の芝草の生育にたいする促進効果を調べた。
    塩化コリンと硝酸コリンはコウライシバの生育を促進したが, その効果は後者で若干, 大きかった。塩化コリンの促進効果は野外芝生地から春に採取したソッドにたいしても, 秋に採取したソッドにたいしても認められた。塩化コリンはベントグラスの生育も促進した。塩化コリンのコウライシバにたいする促進効果は土壌で育成した場合も, バーミキュライトで育成した場合にも認められた。
    コリン類はコウライシバとベントグラスにたいして, 処理30~35日後, または41日後に根部乾物重量を70~100%増加させ, 地上部の草丈・乾物重量を5~20%増加させた。
    2. コウライシバの光合成と呼吸にたいする塩化コリンの作用を調べた。塩化コリンの1, 000ppm液の土壌潅注処理の1~2週間後に, 光合成量は無処理区の300~400%増加したが, 呼吸 (地上部, 地下部) については無処理区と大差がないが, むしろやや阻害された。
  • 増田 拓朗, 反保 宏行, 谷 利一
    1990 年 19 巻 1 号 p. 23-30
    発行日: 1990/10/31
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    香川県内の3箇所のゴルフ場において, ピシウム性春はげ症 (仮称) の発生と土壌物理性 (三相分布および透水係数) について調査を行った。
    その結果, 病斑部は健全部に比べると全体的に土壌の液相率が高く, 気相率が低い傾向が認められた。また, 気相率と透水係数の間には, 正の相関関係がみられた。植物の根系発達を規定する要因として, 土壌のち密度 (固相率) が指摘されることが多いが, 今回の調査地では病斑部と健全部で固相率の差はあまり大きくなく, 本症の発生は液相率, 気相率とより密接に関係していることが示唆された。
    気相率10%以下の層があるかないか, 透水係数10-3cm/sec以下の層があるかないかを要因として, 数量化II類による判別分析を行ったところ75%の判別率が得られた。勿論, この結果は統計的, 確率的なものであり, 直接的な因果関係を示すものではないが, 土壌条件が副次的な発生要因となっており, 通気透水性の悪い土壌条件のもとで本病害が発生する確率が高いということが指摘される。
  • 反保 宏行, 窪 潤志郎, 谷 利一, 生越 明
    1990 年 19 巻 1 号 p. 31-38
    発行日: 1990/10/31
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    ゴルフ場ベントグリーンには冬期に直径30~50cmの円形パッチが発生し, 黄褐色パッチ, Winter brown patch, Yellow patchなどと呼ばれている。病原菌について米国では2核のリゾクトニア菌 (菌型AG-D) であるとされている。しかし, 我が国では同属菌の菌型AG-Qであるとされ一致していない。そこで, 香川, 兵庫, 滋賀, 福岡の各県で発生したパッチから56菌株の病原菌を分離し, 代表的な11菌株を選択して検討を加え, 以下の知見をえた。
    (1) ベントグラスに対する病原性は5~20℃でみられ, 10~20℃で最も激しかった
    (2) イネ科植物に対する病原性は以下のものに認められた。暖地型: ノシバ, センチペド, バピアグラス, ウイーピングラブグラス, バミューダグラス, 寒地型: イタリアンライグラス, ケンタッキー31フェスク, ペレニアルライグラス, ケンタッキーブルーグラス。
    (3) PDA培地上では5~30℃で発育し, 発育最適温度は23℃であった。
    (4) 菌糸融合試験の結果, 供試菌はいずれも2核のリゾクトニア菌 (菌型AG-D) と同定された。
    以上の結果より, 本病の病原菌はbinucleate Rhizoctonia AG-D (Rhizoctonia cerealis) であると結論づけ, 病名を冬葉腐病 (英名: Winter brown patch) として提唱したい。
  • 窪 潤志郎, 反保 宏行, 谷 利一, 山本 久仁夫
    1990 年 19 巻 1 号 p. 39-44
    発行日: 1990/10/31
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    冬期のベントターフに発生する冬葉腐病の病原菌に対する有効薬剤の検索と, 圃場における防除試験を行い, 以下の知見をえた。
    (1) PDA培地上における抗菌活性はジクロメジン, トルクロホスメチル, イプロジオンおよびプロピコナゾールが最も強く, 次いでフルトラニル, TPNであった。ペンシクロン, ベノミルおよびチウラムでは効果は弱かった。
    (2) ポットにおける接種試験では, ジクロメジン, フルトラニル, トルクロホスメチル, イプロジオンおよびプロピコナゾールで高い発病抑制効果が期待された。
    (3) 圃場試験では, パッチ発生後の殺菌剤処理による防除効果は期待できなかったが, 発生前のフルトラニル含有剤 (グラステン水和剤) 処理では高い防除効果が認められた。また, 発生後の生長促進剤 (グリーンリープス) 処理はパッチ消失に効果的であった。
  • 大原 洋一
    1990 年 19 巻 1 号 p. 45-64
    発行日: 1990/10/31
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
  • 南川 幸
    1990 年 19 巻 1 号 p. 65-84
    発行日: 1990/10/31
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
  • 大原 洋一
    1990 年 19 巻 1 号 p. 85-94
    発行日: 1990/10/31
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
  • 角田 三郎
    1990 年 19 巻 1 号 p. 95-104
    発行日: 1990/10/31
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
feedback
Top