地理学評論
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76 巻, 10 号
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  • 村山 祐司
    2003 年 76 巻 10 号 p. 685-686
    発行日: 2003/09/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
  • オブジェクト指向GISと地誌学的方法論
    碓井 照子
    2003 年 76 巻 10 号 p. 687-702
    発行日: 2003/09/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    本稿は,GIS革命が地理学にいかなる影響を与えたか,その本質的な問題点を整理するとともに展望する点にある.1990年代初頭に英米においてGISはツールか科学かという論争が行われ地理情報システムから地理情報科学への転換がみられた.この背景には,IT革命とGIS産業の発展がある.本稿では,この1990年代初頭のGISにおける質的な変革をGIS革命ととらえ,GIS革命が地理学にいかなる本質的な問題を提起したのかを(1)国土空間データ基盤と地理学,(2)電子地図の本質的変化と地理学方法論,(3)地理情報の標準化とオブジェクト指向の三つのテーマから明確にした.オブジェクト指向の考え方をベースにした地理情報標準では,地理空間を地物で構成された空間とみなし,UMLでモデル化を行う.この地理空間のモデル化の根底には,I. Kantにさかのぼれる空間の認識論や地誌学にみられる素朴科学としての地理学的方法論が底流として流れている.
  • 若林 芳樹
    2003 年 76 巻 10 号 p. 703-724
    発行日: 2003/09/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    1990年代以降,GISの研究が「システム」から「科学」へと力点を移していく過程で,空間認知研究との間に新たな接点が生まれてきた.ここで,GISと空間認知との関わり方には,(1)空間認知研究のツ-ルとしてのGIS,(2)空間認知モデルとしてのGIS,(3)空間的知識の情報源としてのGIS,(4)空間認知研究の成果を応用したGISの改善,という四つの側面が考えられる.本稿は,これらに関する既往の研究の成果と課題を整理し,今後の展望を提示した.
  • 千葉県松戸市の眼科医院を事例として
    関根 智子
    2003 年 76 巻 10 号 p. 725-742
    発行日: 2003/09/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    本研究では,千葉県松戸市における眼科医院を事例として,都市施設への近接性の安定度を時空間的に分析した.GISを利用して町丁・字の中心から眼科医院への最短道路距離を測定し,近接性の測度とした.この近接性を,測定対象数の変更(第2近隣施設の考慮),測定地域単位の細分化(100メートル・メッシュ),診療時間の考慮,の三つの側面から分析し,安定度を考察した.その結果,測定対象数の変更では,近接性の良い地区でも,施設の分布密度が下がると,安定度も急激に低下することが明らかになった.居住地の地域単位を100メートル・メッシュに細分化すると,20%の町丁・字では,その地区面積の半分以上で100メートル・メッシュの近接性と異なり,安定度が低かった.診療時間を考慮すると,市内の第1の中心地周辺では近接性は安定している一方,第2,第3の中心地周辺では大きく低下していることがわかった.
  • 富永 隆, 貞広 幸雄
    2003 年 76 巻 10 号 p. 743-758
    発行日: 2003/09/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    本研究では,学区を構成するさまざまな物理的環境に焦点を当て,GIS上の空間データを用いた学区再編案の導出手順を提示し,東京都北区の小中学校統廃合問題に適用した.特に各中学校区が複数の小学校区を包含する学区形態(スクールファミリー)に注目し,学区再編におけるスクールファミリーの導入を検討した.実証分析ではいくつかの通学条件を目的変数として区割りを最適化することで具体的な学区案を導出し,得られた学区案における通学環境を定量的に測定,比較評価した.分析の結果,スクールファミリー導入により通学距離は増大するが,最大通学距離を制約条件とすることで現実的な通学距離に抑えることが可能であることがわかった.また,現状および学校統廃合時のいずれの学校配置においても,学区再編時にスク-ルファミリーの導入は物理的に可能であることが確認できた.したがって,スクールファミリーは学区再編の議論における一つの現実的な選択肢であるといえる.
  • 2003 年 76 巻 10 号 p. i-xviii
    発行日: 2003/09/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
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