地理学評論
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80 巻, 8 号
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  • バンガロールの事例を中心として
    岡橋 秀典
    2007 年 80 巻 8 号 p. 463-480
    発行日: 2007/07/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    本稿では, インドの技能労働者養成に大きな役割を果たすITI (産業訓練校) に注目し, それによる人的資源開発の特質と問題点について考察した. インドのITIの設置は1980年代から増勢を強め, 1990年代以降急増している. またITIの分布には地域的な偏りがあり, 南インドに多く北インドで少ない. 近年のインドにおけるITIの急増は, 主に南インドでの増加によっていることが大きな特徴である. これは, この地域の初等教育における高い就学率と, 海外出稼ぎに代表される就業機会によると推察される. ITIによる人的資源開発には, 修了者の失業問題や企業内部労働市場での地位の固定性など, 問題も少なくないが, 南インドのバンガロールのITIの事例では, 大規模な政府校および一部の民間校を中心に, 水準が高いものがあることが判明した. ITIは分布が広範で収容力も大きい点で, 今後, 教育内容の改善が進められれば, インドにおける人的資源開発, 雇用問題の緩和に資する大きな可能性を持つと考えられる.
  • 水野 真彦
    2007 年 80 巻 8 号 p. 481-498
    発行日: 2007/07/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    本稿は, 経済地理学において知識の問題を議論する際に, 社会ネットワーク論の視点が有効であることを指摘し, その展開方向について整理した. 社会ネットワーク論においては, 対象はアクターの関係のネットワークとしてとらえられ, 結合の内容やネットワークの構造が, アクターの行為に影響を与えると考える. 知識の移転・学習におけるアクターの多様性・流動性の意義の問題は, 社会ネットワーク論の視点からは, アクターの結合の質やネットワークの構造の問題ととらえることができる. 具体的には, 弱い紐帯, ブリッジの存在, ランダムで偶然な結合の形成が, 新しい有用な知識の流通を促すと考えられる. そのような社会ネットワーク論においては空間性は考慮されていないため, 経済地理学においてはアクター間の近接性に焦点を当てる必要がある. ただし, この場合の近接性とは, 地理的近接性だけではなく, 組織的近接性や制度的近接性も含まれ, それらは相互に関連している.
  • 小口 高
    2007 年 80 巻 8 号 p. 499-500
    発行日: 2007/07/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
  • 篠田 雅人
    2007 年 80 巻 8 号 p. 500-502
    発行日: 2007/07/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
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