地理学評論
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77 巻, 2 号
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  • 目代 邦康, 千木良 雅弘
    2004 年 77 巻 2 号 p. 55-76
    発行日: 2004/02/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    赤石山脈南部の大谷崩から山伏にかけて,幅の広い緩斜面を頂部に持つ山稜が分布する.これらの山稜最上部には比高10m以上の凹地(山上凹地)があり,その下方には比高数m程度の山向きの小さな崖(山向き小崖)が発達する.この地域には瀬戸川帯のスレートが分布し,その壁開の走向は上記の凹地と小崖の伸びの方向と大略平行である.これらの凹地・小崖地形は,山体を構成する岩盤が斜面下方に倒れかかった結果形成された重力変形地形であると推定できる.崖頂部の丸みの程度,凹地内堆積物の層相とテフラが示す変形時期,山上凹地・山向き小崖の配列と分岐パターンは,山体の変形が,山体上部から下部へと進行し,かつ地層の走向方向から等高線に沿う方向へと進行したことを示している.稜線付近にある上位の山向き小崖は,少なくとも2万年前には存在しており,下位の山向き小崖は約1万年前に形成されたと考えられた.
  • 小野 映介
    2004 年 77 巻 2 号 p. 77-98
    発行日: 2004/02/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    中部日本の濃尾平野を対象として,約3,000~2,000 yr BPにおける海岸線の変化とその要因を明らかにするために,ハンドボーリング調査,堆積物の14C年代測定,珪藻分析などを行った.濃尾平野では縄文海進最盛期以降,海岸線が海側に前進し,内湾の縮小が進行した.特に約3,000~2,000 yr BPには,海岸線の前進と低地の拡大が急速であった.この原因は,約3,000~2,500 yr BPにおける相対的海水準の低下と,約2,300~2,100 yr BPに生じた土砂供給の増加と考えられる.約2,300~2,100 yr BPにおける三角州前置層の堆積量は,1.1~1.4km3と推定され,これは約3,000~2,300 yr BPにおける前置層の堆積量(1.1~1.5km3)に匹敵する. 2,300~2,100 yr BP頃における堆積活動の活発化は,中部日本や西日本の多くの平野でも確認されており,気候変化に伴う豪雨の増加といった広域的な原因を持つ可能性がある.
  • 2004 年 77 巻 2 号 p. 115-118,iii_2
    発行日: 2004/02/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
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