地理学評論
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76 巻 , 2 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
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  • 宮澤 仁
    76 巻 (2003) 2 号 p. 59-80
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    本稿では,関東地方における介護保険サービスの地域的偏在を統計データの分析から検証し,その形成要因に想定されるサービス事業者の参入行動を考察した.その結果,介護保険が企図する営利企業の参入は,それが容易な福祉系訪問型サービスの中でも,介護職員の巡回移動との関連で採算確保が期待できる都市部に集中し,同サービスが大都市に偏在する要因になっていた.他方,山間部の小規模町村には社会福祉法人でさえ参入が消極的で,公益性の高い社会福祉協議会が福祉系の訪問型・通所型サービスを中心に提供事業を担っていた.しかし,社会福祉協議会も採算性重視の事業を強いられており,事業者競争や経営合理化に長けた医療機関の中には,事業の安定化を目的に福祉と医療の事業複合体を形成する事例が関東地方東部に多数確認された.それらの結果は,介護保険の下,サービス提供事業に採算性が重視されている状況を裏付けるものであろう.ゆえに,サービス事業の経営を地域の諸条件と関連付けて詳細に分析することが,介護システムの今後を占うために必要とされる.
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  • 佐々木 緑
    76 巻 (2003) 2 号 p. 81-100
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    本研究は,宮城県田尻町における水稲の減農薬・減化学肥料栽培を事例に環境保全型稲作の存続システムを解明するため,環境負荷軽減の実態に着目した.そしてそれが,水田の多面的機能の一つである生物の保全機能とそれを支える農家の農業経営に与える影響を考察した.その結果,環境保全型稲作が存続する基盤となっているのは,土作りによる環境負荷軽減のシステムと農業経営の安定であった.田尻町では,個々の農業経営で排出される有機物を有効利用することで環境負荷の軽減を図っており,それが水田生物の保全に好影響を与えていた.さらに,環境保全型稲作に取り組む農家が経営的に成り立っているため,継続的に活動を行うことが可能であった.これらの存続基盤は,環境保全型稲作に取り組む組織の支援,個々の農家の意思決定,そして田尻町の豊かな農業資源に支えられていた.つまり,田尻町の環境保全型稲作は,自然的,人的,経済的な多元的要素が有機的に関連し,環境保全と農業経営を均衡に保っていた.そしてこれらが互いに補完的作用を持ち,その存続システムを形成していた.
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  • 矢崎 真澄
    76 巻 (2003) 2 号 p. 101-115
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    本研究は,沿岸漁民の漁場認知に関する主体的環境の多様性について実証的に明らかにすることを目的としたものである.そのため本研究では,漁民が「シマウチ(シマナカ)」と通称する伊豆半島東南部と伊豆大島および新島によって囲まれた海域を対象地域とした.従来,沿岸漁民にとって最も重要な魚礁を中心とした漁場の認知に関する実証的研究はほとんど行われることがなかったためである.「シマウチ(シマナカ)」の海域における大陸棚は,伊豆大島南西や「オオムロダシ」と呼ばれる広範囲の漁場を除いては,幅が狭く,棚端からは500m以上の急深になっている.この海域には,多様な漁場が存在し,207の漁場が確認された.この海域においては半島と島嶼の漁業集落間だけでなく,隣接する漁業集落間においても,全く同一の漁場を異なる呼称で認知している事例を多数確認した.漁場は物理的に同一位置にあっても,異なる漁民集団の共有するそれぞれの漁場認知体系の中で名付けられている.漁場の認知の方法は,地形の知覚像に依拠する場合が多い.漁民の漁場認知にみられる重層性はそれぞれの漁業集落を起点とした漁場体系が,重なり合っているためといえる.
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  • 76 巻 (2003) 2 号 p. 116-118,i_2
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
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