血中エンドトキシン(endotoxin: ET)濃度を測定するためには,一般的に多血小板血漿検体が用いられる.しかし,従来の多血小板血漿検体を用いた測定法は,診断能が低いことがよく知られている.そこで我々は,ET 活性化の第一段階がET と白血球の結合であるという事実を利用し,測定検体として多白血球血漿(leucocyte ‐ rich plasma:LRP)を用いた新たなET濃度測定法を開発した.本研究では,測定検体と測定方法の組み合わせとして,LRP のET を比濁時間測定法(turbidimetric kinetic assay: TKA) で測定する方法と,LRP から得られた白血球分画のET を半自動発光基質法(semi-automated luminescent substrate method:SALS)で測定する方法を検討し,これらの方法の診断能を既存の敗血症マーカーと比較した.40 例のグラム陰性および陽性患者からなる試験の結果から,TKA およびSALS の曲線下面積(AUC)はそれぞれ0.94 および0.86 であり,これらの診断能は比較したすべてのマーカーの中で最も優れており,白血球結合ET を利用したET 濃度測定法の有用性が確認された.
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