獣医臨床皮膚科
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13 巻, 4 号
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症例報告
  • 小沼 守, 小野 貞治, 上木 万里子, 太田 亮
    原稿種別: 症例報告
    2007 年13 巻4 号 p. 195-197
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/01/26
    ジャーナル フリー
    犬毛包虫症(犬ニキビダニ症)の発症あるいは増悪において,宿主自身における先天性あるいは後天性の免疫機能の低下の関与が示唆されている。今回,難治性,再発性の全身性毛包虫症を呈した若例犬に対し,人で免疫賦活効果があると報告されているニゲロオリゴ糖を併用したところ皮膚症状の改善が認められた。以上の結果より,ニゲロオリゴ糖が犬毛包虫症の少なくとも一部の症例に対し,補助的な治療法として利用しうる可能性が示唆された。
  • 北宮-宗像 絵里, 安藤 純, 加納 塁, 永田 雅彦
    原稿種別: 症例報告
    2007 年13 巻4 号 p. 199-202
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/01/26
    ジャーナル フリー
    ソマリ,6歳齢,雌に,左耳孔のびらんを伴う結節および左耳下腺領域皮下の腫脹がみられた。抗生剤で治療後,病理組織学的検査を施行し円形ないし楕円形のPAS染色陽性酵母様真菌要素が多数認められた。真菌培養検査でCryptococcus neoformansが分離され,クリプトコックス症と診断した。イトラコナゾール7 mg/kg/SIDにより2ヵ月後に皮疹は消退,5 mg/kg/SIDとしさらに4ヵ月治療を継続したが抗原検査陽性が持続し,パルス療法(同量1週間投与3週間休薬)に移行した。6ヵ月後に抗原試験は陰性となり休薬,その後皮疹の新生を認めていない。
  • 佐藤 良彦, 高橋 秀俊
    原稿種別: 症例報告
    2007 年13 巻4 号 p. 203-206
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/01/26
    ジャーナル フリー
    ジャーマン・シェパードの腰部背側,および日本猫の頭部皮膚に認められた腫瘤を,それぞれ外科的に摘出した。病理組織学的検査では,いずれの腫瘤とも著しく拡張した毛包様の嚢胞から成り,嚢胞壁には好塩基性小型の腫瘍細胞の増殖を認め,また嚢胞内腔には陰影細胞を認めたことから毛包上皮腫と診断した。続いて単一の病理組織検査機関における,犬と猫の毛包上皮腫の発生頻度を腫瘍検査依頼件数から算出した。その結果,全ての腫瘍検体数に対する毛包上皮腫の発生頻度は犬で3.26%であったのに対し,猫ではわずか0.36%であった。自験例は猫に発生した毛包上皮腫に関する本邦で最初の報告例であり,猫における本腫瘍の報告が少ないのは,犬に比べて発生率が低いためであると考えられた。
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