日本臨床皮膚科医会雑誌
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37 巻 , 4 号
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論文
  • 安部 正敏, 伊藤 寿啓, 島田 辰彦, 菅井 順一, 東山 眞里, 根本 治
    2020 年 37 巻 4 号 p. 478-487
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/09/30
    ジャーナル フリー
    目的:頭部の尋常性乾癬治療においては有用な治療評価基準がない.そこで,客観的な医師評価に基づく「Psoriasis Scalp Severity Index (PSSI) 90の達成」および主観的な患者自身の評価による「かゆみの軽減」の組み合わせが,頭部乾癬治療の新しい「治療評価基準」になるかを検討する. 方法:頭部病変を有する尋常性乾癬患者における外用療法の治療実態調査(766例)において,PSSI90の達成群と未達成群を比較するにあたり解析可能な症例数を有する「カルシポトリオール水和物/ベタメタゾンジプロピオン酸エステルの配合ゲル(Cal/BDPゲル)単独集団(299例)」を解析対象とし,「PSSI90達成」と「かゆみの軽減」の組み合わせが「治療評価基準」に成り得るかを解析した. 結果:Cal/BDPゲル単独集団において,PSSI90達成率はCal/BDPゲルの使用が長期になるほど経時的に上昇し,3ヵ月後は30.6%に達した.そのPSSI90達成群において,Cal/BDPゲル治療に対する患者満足度と薬剤選好性がより高いことも示された.またPSSI90達成群では1ヵ月後から「かゆみ」が大きく軽減し,Cal/BDPゲルの使用が長期になるほどさらなる軽減がみられた.ただし,PSSIスコア変化率とかゆみスコア変化率の関係をみると3ヵ月後にPSSIは改善しても「かゆみ」が悪化する症例が11.3%みられ,皮膚症状が改善しても「かゆみ」が悪化する難治例が存在することも明らかとなった. 結論:頭部乾癬治療において,客観的な医師評価に基づく「PSSI90達成」だけでは「かゆみ」悪化例を見逃す危険性が示唆されたことから,「PSSI90達成」と主観的な患者自身の評価による「かゆみの軽減」の2つを組み合わせた評価方法は,新しい「治療評価基準」となると考えられた.
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