小学4年生から中学3年生までの子を第一子にもつ母親1,256名を対象とし,自身の痤瘡経験や痤瘡に関する認識および子の痤瘡への対処方法等に関するインターネット調査を実施した.
痤瘡に罹患したことがあると回答した母親の割合は29.4%であった.炎症性皮疹が医療用医薬品で治療可能であることを知っている母親は全体の82.4%であり,面皰については71.4%であった.また,現在の痤瘡治療に用いられる医療用医薬品の種類が自身の思春期よりも増えていることを知らない母親が全体の78.5%を占めた.調査対象者の子(第一子)は49.7%が調査時点で顔面に痤瘡を有していた.痤瘡を有する子の母親のうち33.0%は子に治療目的で医療機関を受診させており,この割合は痤瘡治療薬の変化を認識している母親(55.2%)の方がそうでない母親(25.1%)よりも高かった(P <0.05,χ2検定).子の痤瘡へのアドバイスについては,面皰や軽症の痤瘡に対し,それぞれ54.9%,51.3%が「洗顔を念入りに行う」と回答し,中等症以上の痤瘡に対しては7割以上が「医療機関を受診する」と回答した.母親を介した子への質問では,89.6%が痤瘡について相談しやすい相手を母親と回答した.
本調査では,自身に痤瘡の罹患経験があることを認識している母親が一般的に知られている罹患率と比較して少ないこと,医療用医薬品を用いた痤瘡治療に対する認知が十分でないことが明らかとなった.子の痤瘡に対しては,痤瘡治療薬の変化を認知していない母親は医療機関受診を勧める割合が低いことや,面皰主体や軽症の痤瘡にはスキンケアで対処する傾向が示された.子の主な相談相手が母親であることを踏まえると,母親に対して痤瘡治療に関する適正な情報を提供することが,思春期痤瘡患者が早期に医療機関を受診するために重要であることが示唆された.
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