日本臨床皮膚科医会雑誌
Online ISSN : 1882-272X
Print ISSN : 1349-7758
ISSN-L : 1349-7758
36 巻 , 1 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
論文
  • 村尾 和俊, 久保 宜明
    2019 年 36 巻 1 号 p. 35-38
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/09/30
    ジャーナル フリー
     25歳女.約3か月前より左乳頭部に皮疹が生じ,徐々に大きくなった.左乳頭部に角化傾向の強い暗褐色の疣状結節が,乳頭全体を覆うようにみられた.臨床像からは脂漏性角化症を考えたが,病理組織では,表皮は外方向性に乳頭状に肥厚し,表皮上層には多数のkoilocyteを認めた.抗human papillomavirus(HPV)抗体による免疫染色では,表皮顆粒層近くに陽性細胞を多数認めた.Polymerase chain reaction(PCR)によりHPVの検索を行ったところHPVのDNAが病変部から検出され,遺伝子配列はHPV6型と一致した.以上より,本例を乳頭部に生じた尖圭コンジローマと診断した.液体窒素治療により病変は消褪した.乳頭部に生じた尖圭コンジローマの報告は少ないが,興味深いことにほとんどの症例が,自験例の様に脂漏性角化症様の臨床像を呈している.乳頭に生じた脂漏性角化症様の病変に対しては常に尖圭コンジローマを鑑別に入れるべきである.
  • 佐藤 俊次, 田中 勝
    2019 年 36 巻 1 号 p. 39-45
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/09/30
    ジャーナル フリー
    色素性粘膜病変では,ダーモスコピーで観察される構造が不明瞭である.そこで,ダーモスコピー像のハイダイナミックレンジ画像変換によりダーモスコピー像の全体的パターンや局所の構造が認識されやすくなるかどうかを検討した.口唇部メラノーシス5例を用い,既報告のダーモスコピー所見のうち,全体構築の4つのパターン,すなわち,網状パターン,線状パターン,均一パターン,小球状パターン,9つの局所構造,および構造の色調,について,オリジナルのダーモスコピー画像とハイダイナミックレンジ変換後の画像とを皮膚科専門医2名が比較観察した.その結果,画像変換によりダーモスコピーの局所の構造は明瞭化して認識されやすくなったが,全体構築のパターン認識には有為な差がなかった.一方,構造の色調はハイダイナミックレンジ画像変換により,血管構造が褐色に変化することがあるため,血管構造を色素構造と誤って認識することがあった.したがって,特に血管所見については,常にオリジナルのダーモスコピー画像と比較しながら判断する必要がある.
  • 川島 眞, 黒川 一郎, 林 伸和, 渡辺 雅子, 谷岡 未樹
    2019 年 36 巻 1 号 p. 46-54
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/09/30
    ジャーナル フリー
    近年の尋常性痤瘡治療薬の充実, とりわけ外用薬の選択肢が拡がる一方で, 様々な患者背景を考慮した薬剤選択に試行錯誤を繰り返すこともある. そこで, 我々は日常診療で遭遇する尋常性痤瘡のモデルケースに対する初期治療の薬剤選択に関するコンセンサスを作り上げ, 第1報として本誌に報告した. 今回, 残された課題として, 初期治療による効果が不十分であった場合ならびに初期治療で副作用が発現した場合の薬剤選択案を作成し, 痤瘡治療のエキスパート医師へのアンケートならびにディスカッションにより, コンセンサスを形成した。4つの中等症モデルケースにおける初期治療の効果不十分症例に対する治療選択, アダパレンを含む初期治療で副作用を発現した症例に対する治療選択ならびに過酸化ベンゾイルを含む初期治療で副作用を発現した症例に対する治療選択について, 検討した結果をここに報告する. 既報である初期治療の薬剤選択に関するコンセンサスと合わせて, 日常診療の参考となれば幸いである.
feedback
Top