本研究は、注射及び採血(以下、注射とする)を受けることに対する学童の自己効力感を査定する尺度開発を目的とした。フィールドワークで得られた内容と、子どもの自己効力感に関する既存の研究を基に、全15項目から成る自記式質問紙「注射および採血を受ける学童の自己効力感尺度」を作成した。尺度の内容妥当性を検討した結果、概念を表すものとして妥当であることが支持された。「小学生用ストレス反応尺度」との相関係数(r = -.70, p< .01)と「自尊感情尺度」との相関係数(r = .39, p< .01)より、「注射および採血を受ける学童の自己効力感尺度」の構成概念妥当性が支持された。また、内的整合性(α=.95)と再検査法(r = .88,p< .01)による安定性から、信頼性が支持された。
抄録全体を表示