嘗て古屋博士 (1933) は東京市を材料として研究し, 男兒のみ生れる家庭や女兒のみ生れる雑の數は單なる偶然であると假定して計算した期待數よりも多く, 男子兒が混つて生れる家庭數は期待數よりも少いと云ふ成績を得た. そして氏はこれを所謂「男ばら女ばら」と産兒調節の2原因に基くものと考へた. 現在では古屋博士はこの成績を專ら産兒調節の影響によるものと解繹してゐる。
本研究は上記の成績に刺戟せられて行ったもので (1) 古屋博士が東京市で得られた歳績は普遍的なものであるか (12) 男兒 (女兒) のみを生むやうな遺傳的素質が存在するかの二點を明かにするのが目的である.
本文を二部に分ち第一部では前者を第二部では後者を抜ふ。
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