現在の水道水質検査における対象農薬リスト掲載農薬類の中には、代謝物等が食品安全委員会において評価されているにもかかわらず、測定対象となっていない農薬がある。それらについては、浄水中の形態について把握し、存在の可能性があるものについては、原体と合算した評価が必要と考えられる。本研究では、農薬類としてオリサストロビン、プロチオホス、アミトラズ、イプロジオンを対象とし、これらの代謝物等5種((5Z)- オリサストロビン、プロチオホスオキソン、N-2,4- ジメチルフェニル-N’- メチルホルムアミジン(DMPF)、N-2,4- ジメチルフェニルホルムアミド(DMF)、イソイプロジオン)について分析方法を確立後、大阪府内浄水場において実態調査を実施した。また併せて、浄水処理過程における除去性について検討した。その結果、(5Z)-オリサストロビンが浄水中に存在していることが明らかとなり、原体であるオリサストロビンとともに合算して評価することは妥当であると考えられた。
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