水道協会雑誌
Online ISSN : 2435-8673
Print ISSN : 0371-0785
89 巻, 11 号
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「論文」
「報文」
  • 今村 康夫, 當山 裕一, 今中 壮一, 原 郁夫, 服部 晋也
    2020 年 89 巻 11 号 p. 14-22
    発行日: 2020/11/01
    公開日: 2021/11/01
    ジャーナル フリー
    平成30年度に「水質基準に関する省令の規定に基づき厚生労働大臣が定める方法」(平成15年厚生労働省告示 第261号)が改正され、揮発性有機化合物の測定における検水の濃度範囲の上限が拡大された。しかし、検量線の標準試料濃度が高くなるにつれて内部標準物質であるフルオロベンゼン及び4- ブロモフルオロベンゼンの感度が高くなり、定量結果に影響を及ぼす事例が確認された。内部標準物質の増感について調査したところ、分析流路内に存在する“活性点”への揮発性有機化合物と内部標準物質の競合吸着が増感の原因であることが推測され、検量線の作成に使用する標準試料と検水中に含まれる“活性点”への吸着成分量が大きく異なると、定量結果の真度が低下することがわかった。
「技術メモ」
  • 豊﨑 緑, 本島 しのぶ, 橋本 博之, 遠藤 幸男
    2020 年 89 巻 11 号 p. 23-30
    発行日: 2020/11/01
    公開日: 2021/11/01
    ジャーナル フリー
    イオンクロマトグラフ法による水道水の陰イオン類分析において、フッ素ピーク近傍に脱塩素剤のエチレンジアミン(EDA)由来のピークが検出され、特に低フッ素濃度の試料において定量の妨害となる事例が報告されている。千葉県衛生研究所の水道水においても妨害ピークを認め、妨害ピークの原因を検討した結果、EDA由来であることが確認された。また、代替の脱塩素剤を探索した結果、2~4×10-2mmol/L チオ硫酸ナトリウムもしくは告示法規定濃度の1/10以下に減量したEDA が有効であった。さらに代替脱塩素剤を用いた陰イオン類一斉分析法の妥当性評価の結果、ガイドラインの目標値を満たす良好な結果が得られた。
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