水道協会雑誌
Online ISSN : 2435-8673
Print ISSN : 0371-0785
92 巻, 3 号
選択された号の論文の2件中1~2を表示しています
「報文」
  • 益﨑 大輔, 池田 拓哉, 武田 風史
    2023 年 92 巻 3 号 p. 9-18
    発行日: 2023/03/01
    公開日: 2024/03/01
    ジャーナル フリー
    コロナ禍における大阪市域の水需要構造の変化を分析したところ、業態別には生活用水量の増加・都市 活動用水量の減少、時間帯別には朝及び夜間の使用水量が減少し、夕方の使用水量が増加しており、ライフスタ イルの変化・行動変容が影響していると考えられた。これらの水需要構造の変化は、市域の主要駅における使用 水量の変化と関連付けられ、駅使用水量がライフスタイルの変化・行動変容を表す指標として活用可能であるこ とが考えられた。最後に、ライフスタイルの変化の定着による水需要及び給水収益への将来的な影響を評価した ところ、これらの経年的な減少傾向に加え、水需要・給水収益のさらなる減少が見込まれた。
「総説」
  • 小坂 浩司, 越後 信哉, 松下 拓, 今井 美江, 清宮 佳幸, 庭山 秀一
    2023 年 92 巻 3 号 p. 19-32
    発行日: 2023/03/01
    公開日: 2024/03/01
    ジャーナル フリー
    本稿では、カルキ臭原因物質として、トリクロラミンと有機クロラミンを採り上げ、これらの特性、分 析方法、実態、生成特性、低減方法について、最新の知見を取りまとめた。また、カルキ臭前駆物質についても 整理した。トリクロラミンは遊離塩素と一部の含窒素化合物との反応により、有機クロラミンは、遊離塩素や無 機クロラミンと一部の含窒素化合物との反応により生成する。トリクロラミンの前駆物質としては、アンモニア やアミンやアミノ酸等が知られ、アミンやアミノ酸等は有機クロラミンの前駆物質でもある。トリクロラミンや 有機クロラミンは、比色法や滴定法の他、質量分析法等により分析されている。カルキ臭の評価は、官能試験に より行われているが、新たな指標として総揮発性窒素も提案されている。トリクロラミンや有機クロラミンは水 道水中から、それらの前駆物質は水道原水からの存在状況が調査されている。カルキ臭原因物質や前駆物質の低 減方法として、塩素処理条件、活性炭処理、紫外線処理、オゾン処理、イオン交換処理が検討されている。
feedback
Top