水道協会雑誌
Online ISSN : 2435-8673
Print ISSN : 0371-0785
90 巻, 10 号
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「報文」
  • 矢島 悠一, 荒木 紀人, 久保宮 敬幸, 西澤 元樹, 小野 篤男, 西村 修
    2021 年 90 巻 10 号 p. 3-10
    発行日: 2021/10/01
    公開日: 2022/10/01
    ジャーナル フリー
    長野市裾花ダム湖においてかび臭産生藍藻類のAnabaena属(Dolicospermum属)が大発生し、水道水源にかび臭が産生された。発生原因についてAnabaena属休眠細胞に着目した調査を行った。ダム湖底泥からの休眠細胞発芽実験を行い、水温とAnabaena属群体数の鉛直分布について現場データを分析した。その結果、アオコ発生の前年に行われた浚渫によって、休眠細胞が底質の表層に堆積し、水温上昇に伴って発芽し、Anabaena属によるアオコが発生した可能性が示唆された。併せて機材や人員が限られた環境の中で、突発的なかび臭被害に対応した事例報告をする。
「事例報告」
  • 佐伯 健, 古米 弘明
    2021 年 90 巻 10 号 p. 11-22
    発行日: 2021/10/01
    公開日: 2022/10/01
    ジャーナル フリー
    将来にわたり水道サービスを持続可能なものにするために水道広域化が求められているが、必ずしもその進展は順調でないという調査結果も報告されている。本研究では、業務指標(PI)を用いた水道広域化による事業基盤強化効果の事後評価手法を提案し、その評価手法を用いて広域化による効果の発現状況を明らかにし、評価結果を横断的に分析することで効果発現に影響する条件について考察することを目的とした。提案した手法を適用して、実際に事業統合を行った5事例の評価を行った結果、垂直統合型、水平統合型、弱者救済型のいずれの事例においても一定の効果が発現したことが示された。さらに、評価結果を横断的に分析し考察した結果、事業統合によって給水人口規模が増加すると職員一人当たり給水収益が増加する傾向、浄水受水率が減少すると給水原価が低減する傾向を定量的に確認することができた。
  • 益﨑 大輔, 池田 拓哉, 武田 風史, 岡本 実乃里, 川上 紀彦, 坂本 順子
    2021 年 90 巻 10 号 p. 23-32
    発行日: 2021/10/01
    公開日: 2022/10/01
    ジャーナル フリー
    新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止に伴う様々な活動自粛により、大阪市域の水需要及び給水収益は大きく減少し、水需要の観点では、生活用水量が増加した一方、都市活動用水量は大きく減少した。これらの水需要の変化を分析した結果、生活用水量については、従来の説明変数に加え、新たに在宅時間の変化を需要予測モデルに取り入れる必要性が考えられた。また、都市活動用水量を市域の在住人口及び流動人口とそれぞれ相関のある生活型及び経済型都市活動用水量に分類できた。これらの結果より、経済活動の基本となる「人」の在住や流動の観点から、市域の水需要予測を行うモデル構築に向けた考え方を示した。
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