水道協会雑誌
Online ISSN : 2435-8673
Print ISSN : 0371-0785
91 巻, 1 号
選択された号の論文の2件中1~2を表示しています
「論文」
  • 古川 浩司, 川口 寿之, 中澤 智子, 佐藤 亮平, 船坂 鐐三, 奥村 明雄
    2022 年 91 巻 1 号 p. 2-12
    発行日: 2022/01/01
    公開日: 2023/01/01
    ジャーナル フリー
    水道水中のフェノール類分析の作業効率を改善することを目的に固相抽出-LC/MS/MS-ESI 法の検討を行った。検討の結果、移動相に塩基性が高いフッ化アンモニウム水溶液を使用することで、これまでAPCI 法でしか検出できなかったフェノールをESI 法で検出することができ、水道水中のフェノール類のLC/MS/MS 測定の作業効率が大幅に改善することが可能となった。また、フェノール類各成分の検量線は0.2~5.0μg/L(2,4,6-TCPは0.2~2.0μg/L)の濃度範囲で、良好な直線性と妥当性評価結果が得られた。さらに、水道水への添加回収試験(0.5μg/L; n=5、5日間)の結果、フェノール類及び各成分共に、併行精度1.5%~16%、室内精度1.5%~19%、真度99.1%~105%と良好な妥当性評価結果が得られた。この結果は、本分析法がフェノール類の水道水質検査法として有効であることを示している。
「技術メモ」
  • 作間 真介, 山本 貴基, 網干 敦子, 田中 伸英, 伊折 和成
    2022 年 91 巻 1 号 p. 13-20
    発行日: 2022/01/01
    公開日: 2023/01/01
    ジャーナル フリー
    水道水中のプロチオホス及びそのオキソン体であるプロチオホスオキソンについて、前処理として固相抽出操作を行わずに、直接LC-MS/MS に注入する検査法を検討し、妥当性を評価した。プロチオホスについては器具等への吸着性が高いことが知られているが、水道水・精製水に対して、ギ酸及びメタノールを加えて沪過した試験溶液をLC-MS/MS で測定することで、吸着を抑えることができた。また水道水・精製水でそれぞれ妥当性評価試験を行い、プロチオホス・プロチオホスオキソンの両物質において真度・精度ともに良好な結果を得た。本検査法は、従来法より分析時間が短く、検査全体の迅速化・効率化に寄与するものと考える。
feedback
Top