東京都多摩地区の山間部に位置する膜処理方式の小規模浄水所で平成29年度にかび臭が発生した。調査
の結果、膜処理後の水に2,4,6- トリクロロアニソール(以下「TCA」という。)が含まれており、これが原因物質
であると判明した。また、有機膜を使用している多摩地区の複数の浄水所で、薬品洗浄済みの膜モジュールに交
換すると膜沪過水からTCA が検出された。さらに、薬品洗浄済み膜モジュールの封入液を調査し、薬品洗浄後長
期間保管した膜モジュール内でTCA が発生していることが分かった。水道の分野ではあまり馴染みのないTCA
がかび臭の原因物質だと判明するまでの過程、TCA の発生要因及びその後の対策について報告する。
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